最終更新日:2021年9月18日
鼻血がよく出る原因は大人と子供で違う?対処法・予防法・病院に行くべき危険なケースとは
こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓

「最近鼻血が出やすくなった」「子供が毎日のように鼻血を出していて心配」というあなたへ。本記事では、鼻血が頻繁に出る主な原因や鼻血が出やすい人の特徴、病院に行くべき危険な症状などについて詳しく紹介します。
いきなり鼻血が出たときの止血方法や、なるべく鼻血が出ないようにするための予防法もお伝えするので、併せて参考にしてください。
健康でも鼻血がよく出る人は意外と多い│子供や高齢者は特に出やすい
鼻血が頻繁に出ると「何かの病気なのでは?」と不安になることもあると思いますが、健康状態に問題がなくても鼻血がよく出るという人は意外と多いです。特に2歳から10歳までの子供や60代後半以降の高齢者は鼻血が出やすい傾向があると言われているため、過度に心配する必要はないケースがほとんどです。
ただし乳児・乳幼児(0歳~満1歳未満)の鼻血は稀
大人に比べて子供は鼻血を出しやすい傾向があるものの、乳児・乳幼児の鼻血は少なく稀です。そのため、もし0歳から1歳未満のお子さんが頻繁に鼻血を出している場合は、早めに小児科の医師に相談することをおすすめします。
鼻血が頻繁に出る主な原因は鼻粘膜の乾燥と外傷

鼻血が出る主な原因の1つとして「鼻粘膜の乾燥」が挙げられます。特に空気が乾燥しやすい冬の時期などは鼻腔内も乾燥してデリケートな状態になるため、他の季節に比べて出血しやすくなります。
また自分の指で鼻の中をいじる、擦る、異物を入れるなど、物理的な刺激による「外傷」も鼻血の主な原因の1つです。
一般的な鼻血は、細い血管が集まる「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる部分からの出血がほとんどです。鼻の入り口から1センチほど奥に位置する粘膜がとても薄い部分のため、自分の指で触れた刺激などでも簡単に鼻血が出てしまうことがあるのです。
鼻血が度々出る原因は子供と大人で異なる

鼻血が出る主な原因は、子供と大人で異なっています。子供の場合は鼻をいじるクセや鼻炎などが鼻血の原因となっていることが多いため、通常はあまり心配いりません。
一方、大人の鼻血は月経や妊娠、服用している薬の影響、血圧、そのほか何らかの病気が原因で生じているケースもあるため、場合によっては注意が必要なこともあります。ここからは年代別の鼻血の理由について詳しく見ていきましょう。
幼児(1歳・2歳・3歳・4歳・5歳)│アレルギー性鼻炎や鼻ほじりも鼻血の原因に
1歳から5歳ぐらいの幼児の鼻血の原因として特に多いのは、鼻ほじりや鼻擦りによる機械刺激です。1度鼻粘膜が傷つくと違和感が出たり、かさぶたができたりするため、さらに気になって触ってしまうという悪循環に陥ることも珍しくありません。
また、アレルギー性鼻炎の子供は鼻をかんだり、かゆくて擦ったりする機会が増えるため、結果的に鼻粘膜が傷つきやすく、鼻血を繰り返しやすい傾向があります。
小学生(6歳~12歳)│人や物にぶつかった衝撃なども鼻血の原因に
小学生も幼児と同じく機械刺激による外傷が原因で鼻血が出るケースが多いです。鼻をいじるクセのほかにも、遊びの中で自分で鼻の中にビーズやBB弾、小石、ナッツなどの異物を詰めてしまうことが原因で鼻血が出ることもあります。
また、活発に動き回ることの多い小学生は、友達や遊具などにぶつかった衝撃で鼻血が出るケースも少なくありません。
中学生~高校生│上咽頭(鼻咽腔)線維腫は10代男児に多い
中学生から高校生の中でも、特に10代の男性に多いのが上咽頭線維腫による鼻血です。
上咽頭線維腫とは、鼻の1番奥にある上咽頭に発生しやすい良性腫瘍のことであり、繰り返し起こる大量の鼻血や鼻づまり、鼻声などが特徴で、放っておくと腫瘍は徐々に大きくなっていきます。
大きくなった腫瘍によって周囲の器官が圧迫されると、耳閉感や難聴、眼球突出、頸部の腫脹、頭蓋内圧亢進症状などに発展するケースもあるため注意が必要です。
20代~30代女性│月経や妊娠などの影響で鼻血が出ることも
20代から30代の女性の場合、月経や妊娠などの影響で鼻血が出ることが多くなります。特に月経による出血がない無月経や、少量の出血しか起こらない過小月経など、生理不順の傾向がある女性は、「代償月経」といって月経の代わりに鼻血が出ることがあります。
代償月経による鼻血の場合、低用量ピルなどで生理不順を改善させると症状が緩和することがあるため、1度婦人科を受診するのがおすすめです。
また妊娠後に鼻血が増える原因は、主にホルモンバランスの変化にあります。妊娠するとホルモンバランスが変わり毛細血管の血流が増えるため、ちょっとした刺激でも鼻血が出やすくなります。
成人男性│風邪などが原因で鼻血が出ることも
成人男性の場合、風邪やインフルエンザ、花粉症、アレルギー鼻炎などが原因で鼻血が出やすくなることがあります。
上記のような原因で鼻粘膜に炎症が起こると、鼻をかんだり擦ったりする機会が増えるため、結果的に鼻粘膜が傷つき、鼻血が出やすくなってしまうのです。
中高年(40代~60代半ば)│血をサラサラにする薬や更年期の影響も
40代から60代半ばの中高年の場合、血をサラサラにするために使っている薬や更年期の影響で鼻血が出やすくなることがあります。血をサラサラにする薬とは、アスピリンなどの抗血小板薬やワーファリンなどの抗凝固薬のことです。NSAIDsなどの鎮痛剤が原因となるケースもあると言われています。
また、女性は更年期になるとエストロゲンの減少に伴い自律神経が乱れやすく、血圧が不安定になる場合もあります。高血圧になると血管が脆くなりやすいため、結果として鼻血が出やすくなる場合があるので覚えておくとよいでしょう。
高齢者(60代後半~)│加齢による血管の脆さも鼻血の出やすさに関係
60代後半以降の高齢者の場合は、加齢によって血管や皮下組織が脆くなっているため、ちょっとしたことが原因で鼻血が出やすくなります。
若い人の場合は鼻の入り口から1~2センチの部分からの出血がほとんどですが、高齢者の場合は鼻の奥の血管が破れて大量出血することもあるため、注意が必要です。
鼻血が出やすい人│何もしてないのに鼻血が急に出てくるのはなんで?

特に乾燥している季節でもなく、鼻をいじるクセがあるわけでもないのに「なぜか鼻血が出やすい」と感じるのは、主に下記のような人です。
- 花粉症・アレルギー性鼻炎の人
- 高血圧や動脈硬化で血管が脆くなっている人
- オスラー病の人
- 鼻中隔湾曲症の人
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
花粉症・アレルギー性鼻炎の人
花粉症やアレルギー性鼻炎の人は、鼻の粘膜が充血して荒れているため、ちょっとした刺激でも鼻の中の血管が破れやすい傾向があります。
また、花粉症やアレルギー性鼻炎によって鼻水が増えたり、鼻の中がかゆくなったりすると、鼻をかんだり擦ったりする機会も増え、これにより鼻血が出やすくなるケースも珍しくありません。
高血圧や動脈硬化で血管が脆くなっている人
高血圧や動脈硬化によって血管が脆くなっている人は、特にきっかけがなくても突然鼻の中の動脈から出血することがあります。
このような鼻血の場合はドクドクと大量の出血が起こり、なかなか止まらず、血液が喉の奥から流れて誤嚥や窒息につながるケースもあるため注意が必要です。
オスラー病の人│ストレスや食べ物、酒などの影響で鼻血が出ることも
特殊な遺伝子を持つことで発病することがあるオスラー病(別名:遺伝性末梢血管拡張症)の人は、非常に高頻度で鼻血が出るのが特徴です。オスラー病でない人の場合、ストレスや食べ物が鼻血の出やすさに直接影響することはほとんどないとされていますが、オスラ―病の人には影響があります。
オスラー病の人が摂取すると鼻血が出やすい食べ物や飲み物としては、カフェインやアルコール、チョコレート、スパイス、ニンニク、ショウガなどが挙げられます。
鼻中隔湾曲症の人│鼻づまり、副鼻腔炎、蓄膿症の原因にも
鼻の穴を左右に隔てている鼻中隔が極端に湾曲している鼻中隔湾曲症の人は、慢性的に鼻血が出やすくなる傾向があります。
また、鼻血以外にも鼻づまりや副鼻腔炎、蓄膿症の原因にもなりやすい病気です。あまりにも症状がひどい場合は、鼻中隔湾曲症矯正手術などの治療が必要になるケースもあります。
いきなり鼻血が出た時の対処法│少量の出血ならこれですぐ止まる

いきなり鼻血が出ると慌ててしまう人も多いのではないでしょうか。ただ、少量の出血であれば自分で止血することもできます。なるべく早く鼻血を止められるよう、この機会に正しい対処法を覚えておくのがおすすめです。
左鼻と右鼻を両方つまんで強く押さえ続ける
通常の鼻血は、鼻の入り口付近の静脈から出血していることがほとんどです。まずは慌てずに左鼻と右鼻の付け根を指で強くつまんで、5分から10分ほど押さえ続けてください。
血液が喉に流れ込まないよう顔を下に向ける
両鼻を押さえているときは、血液が喉に流れ込まないよう顔を下に向けるのが正解です。
たまに鼻血が垂れないように上を向く人がいますが、血液を飲み込んでしまうと吐き気を催すことがあるため注意しましょう。
ティッシュは鼻の穴に詰めずに外から当てる
ティッシュを丸めて鼻の穴に詰め込むと、余計に鼻粘膜を傷つけてしまいかねません。そのためティッシュは鼻から出てくる血液を吸い取るように、外側から当てるようにして使ってください。
鼻血がなかなか止まらず疲労感やめまいを感じる場合は
上記の止血方法を試してもなかなか鼻血が止まらず、疲労感や息切れ、めまいなどを感じる場合は、貧血を起こしている可能性があります。この場合は頭を少し高くして横になり、しばらく様子を見ましょう。症状が改善しない場合は輸血や鉄分補給が必要なケースもあるため、速やかに病院を受診してください。
危険な鼻血の症状│連日続く・大量・止まらない流血には要注意

注意すべき危険な鼻血の症状は、下記の通りです。
- 応急処置を試みても30分以上出血が止まらない
- すぐに止血するが、何度も繰り返し出血する
- 洗面器がいっぱいになるほど大量に出血する
長時間の出血や大量出血は静脈ではなく動脈から出血している可能性が高く、病院での処置が必要になります。また高頻度で出血を繰り返す場合は、鼻の中に腫瘍などができている可能性もあるため、早めに耳鼻咽喉科を受診するのがおすすめです。
鼻血を予防する方法
乾燥や外傷が原因で起こる鼻血は、普段から対策をしておくことである程度防げる場合があります。そこで、ここからは日常生活で鼻血を予防する方法についてご紹介していきます。
鼻に強い刺激を与えないようにする
外傷が原因で起こる鼻血を予防するためには、鼻に強い刺激を与えないことが大切です。鼻を擦ったり、鼻の中をいじったりするクセがある人は、なるべく鼻を触らないよう心がけましょう。
鼻の中にワセリンを塗って保湿する
乾燥が原因で起こる鼻血を予防するためには、鼻の中にワセリンなどの保湿剤を薄く塗って、鼻粘膜のうるおいを保つようにするのが効果的です。また部屋に加湿器などを設置し、空気の乾燥を防ぐのも良いでしょう。
日々の食事でビタミンKやフラボノイドなどの栄養をとる
鼻血の予防には、血液を凝固させ止血する作用のあるビタミンKや、不足すると出血しやすくなるフラボノイド、高い収れん作用があるタンニンなどの成分を摂るのがおすすめです。
ビタミンKは納豆やほうれん草などに多く含まれ、フラボノイドは柑橘類やアンズ、さくらんぼ、そばなどに、タンニンはレンコンや栗、緑茶などに豊富に含まれています。
まとめ│原因がわからない鼻血が続く場合は病院に相談を

今回はよく鼻血が出る原因や応急処置の方法、予防方法などについて詳しく解説しました。
鼻血の主な原因は乾燥や外傷であり、健康な人であっても空気が乾燥する季節などには鼻血が出やすくなることがあります。予防するためには、鼻の中を保湿してうるおいを保つことや、鼻をいじるクセをやめることなどが大切です。
ただし、原因がわからない鼻血が毎日のように続いていたり、大量の出血が止まらなかったりする場合は他の病気が隠れていることもあるため、速やかに病院を受診しましょう。
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こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木 幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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