最終更新日:2022年5月9日
ニキビが突然大量発生…原因は?ほかの病気の可能性も?

こちらの記事の監修医師
やさしい美容皮膚科・皮フ科
宇井 千穂

鏡を見ると、ニキビが突然大量発生していて驚いたことはありませんか。原因の多くは、生活習慣や食生活、ストレスなど日常に潜み、ホルモンバランスが安定しない思春期の子供にも起こりやすいといえます。一方で、ニキビだと思っていたものが実はニキビではない場合もあります。突然ニキビが大量発生する原因と対処法について解説します。
ニキビが突然大量発生…その原因は

ニキビの原因は、思春期にできるものと大人になってからできるもので違いがあります。特に大人になってからのニキビの原因は、生活習慣やストレスが要因で肌環境が悪化することで、特に顎やおでこなどに好発します。
突然大量発生するニキビの原因について、よくある原因を5つ解説します。
生活習慣の乱れ
睡眠不足、ストレス、偏った食生活などに心当たりはありませんか。生活習慣の乱れは、肌の調子に直結します。不規則な生活を続けていると、肌のターンオーバーのサイクルが乱れ、毛穴に老廃物が溜まりやすくなります。
また、皮脂の分泌バランスも崩れるため、過剰に皮脂が分泌されるようになります。ニキビの原因であるアクネ菌は、普段は皮膚常在菌として肌の調子を健やかに整える役割を担っています。ところが皮脂が増えると、これをエサにしてアクネ菌が増殖し、過剰に増えたアクネ菌のせいで毛穴に炎症を起こし、ニキビが突然大量発生しやすくなります。
ストレス
ストレスは、自律神経のバランスを乱します。すると、皮脂が多く分泌されるようになり、ニキビができやすい肌環境になってしまいます。
ストレスを受けると、体内には活性酸素が生まれます。 活性酸素は細胞を傷つけ、免疫力を低下させるため、肌のバリア機能が衰えてニキビができやすくなります。
また、肌の酸化は、肌を老化させます。そのため、できたニキビがなかなか治らず、治ったあとにシミが残りやすくなります。
間違ったスキンケア
スキンケアは、過剰でも不足でもよくありません。特にニキビができやすい脂性肌の人は、間違ったスキンケアをしていることが多いです。
たとえば、ニキビ肌が気になるからといって、ゴシゴシと肌を強くこするように洗顔したり、頻繁にピーリングしたりすると、かえって肌を痛めてしまいます。また、脂性肌の人は、実は意外にも潤い不足であることが多いです。「肌が脂っぽいから」としっかり保湿をしないために、肌が潤い不足を補おうと皮脂を過剰に分泌することで、かえって肌が脂っぽくなっているのです。
乾燥肌でも脂性肌でも、どんな肌質の人にも保湿スキンケアは大切です。肌に適度な水分と油分があることでターンオーバーがスムーズになり、トラブルが起きづらくなります。
乾燥
ニキビといえば、脂っぽい肌にできるものだと思われがちですが、実は乾燥も主要な原因のひとつです。
前述のように、肌は乾燥を感じると皮脂を多く分泌しようとするため、ニキビの原因菌であるアクネ菌の活動が活発になりやすくなります。また、乾燥するとターンオーバーがスムーズにいかなくなり、剥がれ落ちるはずの肌の角質がそのまま層のように積み重なっていきます。
毛穴に角質が溜まると、毛穴から排出されるはずの皮脂の排出もうまくいかなくなり、毛穴の中で炎症を起こしてニキビが大量発生するようになります。
中学生・高校生はホルモンの影響も
思春期ニキビは、成長に伴うホルモン変化により、皮脂の分泌量が多くなることで起こります。また、ホルモンのバランスが安定しないため、思春期の子供の肌の調子が整いづらいでしょう。
ホルモンの分泌が安定する20歳前後になると、思春期特有のニキビの発生は徐々に治まり、肌調子は安定してきます。
突然大量発生したニキビにはどう対処すべき?治し方は?

突然ニキビが大量発生した場合、どのように対処することが効果的なのでしょうか。対処法と治し方について解説します。
生活習慣の見直し
突然大量発生したニキビを治すためには、まず、自分自身の生活習慣を見直しましょう。
早寝早起きをすること、栄養のある食事を摂ること、リラックスする時間を作ることなど、心身共に健康になれるような生活を心がけることが大切です。
睡眠時間の確保も重要です。
肌細胞は寝ている間に分泌される成長ホルモンによって、生まれ変わりが促進されます。単に寝る時間を確保するだけでなく、質の良い眠りにこだわることも大切です。寝る前にスマホを見ない、いい香りをかぐなど、リラックスできるようにしてみてください。
生活習慣を正せば、自律神経のバランスが整い、肌の調子が改善します。
市販薬でケアする
突然大量発生したニキビを治すには、市販薬でのケアも効果的です。
ドラッグストアには、ニキビ治療用の塗り薬がたくさん販売されているので、症状に合わせて適切なものを選びましょう。
白いプツプツとしたニキビには殺菌作用のあるものを、赤みのあるニキビには抗炎症作用のあるものがおすすめ。ニキビに黄色い膿が溜まっているときは、抗生物質が必要なので、病院を受診してください。ニキビができやすい肌質の人に向けたスキンケア化粧品も販売されています。
自分でどの市販薬が合うかわからない人は、薬剤師の方に相談してみるといいでしょう。
医療機関を受診すべき目安
ニキビがひとつやふたつではなく、突然大量発生した場合は、どのようなニキビであっても病院を受診すると安心です。
ニキビがぽつんとひとつだけできることは誰にでもよくありますが、大量発生するということは、体や肌にいつもとは違う異常があるサイン。原因を特定して、早いうちに治療を始めることが、完治への近道です。
対処しても治らない…突然の大量発生はニキビでないかも?

突然大量発生したニキビに有効な対処法や治療を行っても治らない場合は、もしかすると、ニキビではないのかもしれません。
あせもの可能性
赤くプツプツとした湿疹のようなものが大量にあるなら、それはあせもかもしれません。
あせもは、汗をかいたまま放置することで肌の表面に炎症を起こした状態です。症状には、肌の赤みやかゆみがあり、触った感じにザラつきがあります。
毛嚢炎・毛包炎の可能性
ニキビだと思っていたものが、実は、毛包炎・毛嚢炎だということもよくあります。これは、毛穴の奥の毛根を包んでいる、毛包・毛嚢という部分が細菌に感染し、炎症を起こしている状態です。
赤いブツブツとした発疹に膿がたまり、かゆみはないものの、ズキズキとした痛みを感じます。
稗粒腫の可能性
稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、主に目の周りやおでこに生じる白いプツプツです。できはじめの白ニキビに見えますが、実はニキビではなく、角層が皮膚の中にたまってできたものです。治療では、針で小さく穴をあけて中身を圧出することが行われます。
蕁麻疹の可能性
ストレスや疲労、薬や化粧品などの刺激、アレルギーなど、さまざまな原因によって起こる蕁麻疹。皮膚の湿疹、かゆみ、腫れが主な症状です。
一見するとニキビと似ていますが、湿疹はニキビよりも小さく、かゆみがあることが違いです。
湿疹・皮膚炎の可能性
湿疹や皮膚炎は、アレルギー反応として現れる皮膚症状で、具体的には、湿疹や赤み、水ぶくれ、かゆみ、腫れなどです。
軽い症状であれば時間の経過とともに治まりますが、時間が経っても治まらない場合や、かえってひどくなる場合は、投薬治療が必要です。稀に、アナフィラキシーショックを起こすこともあるので、この場合は早めに受診しましょう。
まとめ

ニキビが突然大量発生した場合は、病院を受診することをおすすめします。早い段階で適切に対処することで、ニキビの数を増やすことなく、炎症を最小限にとどめて治すことができます。
大量発生したニキビだと思っていたものが、実は湿疹やあせもだったということもよくある話です。それを見極めるためにも、病院で診てもらうと安心でしょう
ニキビは、生活習慣の乱れで起こりやすいので、健康的な生活をすることも大切です。毎日の生活を見直し、規則正しい生活を心がけてください。
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こちらの記事の監修医師
やさしい美容皮膚科・皮フ科
宇井 千穂
〇診療科 :美容皮膚科・皮フ科
《 経歴 》
北里大学医学部卒業
《 保有資格 》
・1990年度 準ミス日本受賞
・元全日本空輸株式会社 客室乗務員
《 プロフィール 》
皮膚科医としてはアトピーを中心とした皮膚疾患を診察し、美の研究も行い美容皮膚科医としての医療も提供しています。
web雑誌での連載やサプリメントや化粧品の監修などでも、多方面でマルチに活躍しています。
《 その他 》
病気だけを診るのではなく、一人の人間として患者さんに携わっていける医師を目指しています。
アトピーという皮膚疾患だけでなく、先天性異常である18トリソミーやダウン症などの患者さんを取り巻く環境も考え、偏見をもたれやすい疾患に対しての活動をも行っています。
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