最終更新日:2022年5月11日
ささくれが化膿して痛い…放置はNG!対処法・治療法を解説

こちらの記事の監修医師
やさしい美容皮膚科・皮フ科
宇井 千穂

ささくれを無理やり引っ張ったあと、 ささくれの部分が化膿して痛いという経験をしたことのある人は多いでしょう。これは、ささくれの部分が細菌に感染しているためで、放置しているとさらにひどくなり、強い痛みなどつらい症状を呈するようになります。ささくれが化膿していたい場合の対処法・治療法について解説します。
ささくれが化膿して痛い…原因は細菌感染

ささくれを強引に引っ張ったり、爪切りなどで切ったりすると、そこから細菌やウイルスに感染し、赤く腫れて化膿したり、ズキズキとした痛みを感じたり、急性の炎症が起こります。
細菌とは具体的に、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などのことで、普段は粘膜や皮膚に生息して悪さをすることはありません。しかし何らかの原因で傷口から細菌が入り込むことで、化膿などの症状を発症します。また、真菌(カビ)が原因になることもあります。こうして起こるのが「ひょうそ」で、化膿性爪囲炎ともいいます。
ささくれの化膿は、ヘルペスウイルスによっても起こります。ヘルペス性のひょうそを疱疹性ひょう疽(ヘルペスひょう疽)といいます。爪が化膿する原因はささくれ以外にも、深爪や傷、爪を噛むクセ、慢性的な肌荒れなどがあります。
ささくれの化膿の放置は危険

ささくれの化膿は、放置してはいけません。ささくれの化膿がひょうそとなり、症状がひどくなってしまいます。放置すると悪化し、指の深い部分にまで感染が進むと周囲組織に広がり、骨髄炎や屈筋腱腱鞘滑膜炎などになることがあります。重症化する前に、早めに治療を始めることが必要です。
ささくれが化膿したときのセルフ対処法

ささくれが化膿してしまった場合、自分で対処法を試してみることで、症状が改善することがあります。
膿を出す
症状が進行すると膿が溜まり、腫れている部分が黄色っぽく変色することがあります。安全に膿を取るためには、病院で処置してもらうことが望ましいでしょう。しかし、忙しくて病院に行く時間が取れないとか、あまりにも膿が出てひどいなどという場合は、自分で取る方法もあります。
ただし、自分で膿を取る場合は完全に取り切れないことが多く、皮膚に穴を開けることでさらなる炎症を招くことがあります。悪化させてしまうだけでなく、周囲に炎症を広げる原因にもなるので、できれば膿のあるままの状態で早めに病院に行き、ドクターに取ってもらってください。
市販薬を試してみる
ひょうそには、化膿性の症状に効果のある、抗生物質の配合された塗り薬が効果的です。市販薬には色々な種類があるので、薬剤師の方に相談してみるといいでしょう。
ただし、ささくれの化膿が重症の場合、市販薬では細菌をすべて死滅させることができず、症状が長引いたり、治ったと思っても再発したりすることがあります。市販薬は応急処置として使う程度にし、病院を受診するようにしましょう。
ささくれの化膿は病院で治療できる

細菌やウイルスに感染し、皮膚の奥まで達すると、自然治癒は困難です。市販薬でケアすることもできますが、病院を受診するほうが安心です。
病院を受診する目安
市販薬を1週間近く使用しても改善しないとか、炎症が広範囲に及ぶ場合は、受診を検討しましょう。化膿している部分が大きく腫れ上がり、膿を持つ様子をはっきり確認できるようであれば、すぐに受診しましょう。化膿していなくても、ズキズキとして痛みが強い場合には、これから膿が溜まってくることがあるので、早めに診察を受けてください。
受診するなら何科?
ささくれの化膿で受診する場合は、皮膚科が専門です。形成外科、整形外科でも診てもらうことができます。
病院で行われるささくれの化膿の治療
ささくれの化膿は、細菌性の場合とヘルペス性の場合が多いですが、原因によって治療法が違うことがあるので、まずは原因を調べることから行われます。
ささくれの化膿による膿を取る場合には、切開が行われます。痛みに弱い人は、麻酔を使うことも可能なので、それほど心配する必要はありません。その後は、塗り薬や内服薬を使用して治療をします。化膿した部分の痛みがひどい場合には、鎮痛剤が処方されます。
まとめ
ささくれの化膿は、細菌やヘルペスに感染して起こるひょうそ(化膿性爪囲炎)です。放置すると重症化してつらい症状を呈するようになるので、症状に気づいた時点で病院を受診することをおすすめします。予防には、保湿が効果的です。ハンドクリームやローションで保湿し、日頃からささくれができにくいようにしておくことで、爪先のトラブルを防ぐことができます。
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こちらの記事の監修医師
やさしい美容皮膚科・皮フ科
宇井 千穂
〇診療科 :美容皮膚科・皮フ科
《 経歴 》
北里大学医学部卒業
《 保有資格 》
・1990年度 準ミス日本受賞
・元全日本空輸株式会社 客室乗務員
《 プロフィール 》
皮膚科医としてはアトピーを中心とした皮膚疾患を診察し、美の研究も行い美容皮膚科医としての医療も提供しています。
web雑誌での連載やサプリメントや化粧品の監修などでも、多方面でマルチに活躍しています。
《 その他 》
病気だけを診るのではなく、一人の人間として患者さんに携わっていける医師を目指しています。
アトピーという皮膚疾患だけでなく、先天性異常である18トリソミーやダウン症などの患者さんを取り巻く環境も考え、偏見をもたれやすい疾患に対しての活動をも行っています。
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