最終更新日:2022年5月12日
頭皮のかさぶたの原因は?はがすのはNG?早く治すには

こちらの記事の監修医師
やさしい美容皮膚科・皮フ科
宇井 千穂

頭皮にかさぶたができてしまう原因
頭皮にかさぶたができる原因は、肌質や病気によるものなどさまざまです。頭皮のかさぶたの原因としてよくあるものを挙げましょう。
乾燥肌
頭皮は、顔や体の皮膚とつながっています。そのため、もともと乾燥肌の人は頭皮も乾燥しやすいのです。乾燥すると肌のバリア機能が低下し、刺激に弱くなります。シャンプーや整髪料、カラー剤、紫外線など、日常の刺激で、頭皮にかさぶたができやすくなります。
接触皮膚炎
接触性皮膚炎は、特定の物質に触れることで皮膚に炎症が起こる症状です。赤くなってかゆくなり、湿疹や水ぶくれができることもあります。化学物質、金属、植物など、人によって症状が現れる原因物質は違います。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎になると、頭皮に白い大きなフケがたくさん付着するようになり、これがかさぶたのように見えることがあります。脂漏性皮膚炎の原因は、環境、遺伝、ストレスなどによる多因子疾患だと考えられています。皮膚に常在するマラセチアという真菌が関係していることも考えられます。
脂漏性皮膚炎は、症状が長期化しやすく、ひどくなると脱毛や薄毛を引き起こします。
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、摩擦や乾燥などに弱いデリケートな肌質の人に起こる慢性的な皮膚炎です。特に四肢の屈曲部に湿疹が出やすく、皮膚のかゆみ、赤み、乾燥などが起こります。
多くの場合でかゆみを伴い、掻きむしってしまうと症状が悪化し、皮膚感染症になることもあります。
乾癬(かんせん)
乾癬(かんせん)とは、遺伝的な要素などで起こる慢性の皮膚の病気です。皮膚にできた赤い発疹の上に、白っぽいフケのような、かさぶたのようなものができ、ポロポロと剥がれ落ちます。
伝染性膿痂疹
伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)とは、いわゆる、とびひのことです。
皮膚に細菌感染して水ぶくれやかさぶたができ、ほとんどの場合でかゆみを伴います。虫さされやあせもなどが原因になりやすく、搔くことで広がります。アトピー性皮膚炎などの皮膚の弱い方は、皮膚のバリア機能が低下しているため、とびひになりやすいと言えます。
ストレス
ストレスを受けると自律神経のバランスが乱れ、体内に活性酸素が発生しやすくなる等のため、肌荒れを起こしやすくなります。バリア機能が低下により、乾燥、かゆみ、赤みなどを感じやすくなり、頭皮に傷がつくことでかさぶたになります。
頭皮のかさぶたを放置するリスク

頭皮のかさぶたを放置していると、頭皮や髪の毛のトラブルに発展し、大きな悩みになってしまいます。
脱毛・薄毛の原因になる
頭皮にかさぶたがあるということは、頭皮に何らかの皮膚トラブルが起きているという証拠です。髪の毛は、かさぶたのあるところからは一時的に髪の毛が生えにくくなり、荒れた頭皮が髪の毛の成長を阻害するため、抜け毛や薄毛の原因になります。
脱毛や薄毛は、男性の場合は男性ホルモン、女性の場合は女性ホルモンの影響によっても起こります。頭皮のかさぶたを放置していると、ホルモンバランスによる脱毛や薄毛の症状をさらに加速させてしまうことにもなるでしょう。
頭皮のダメージにつながる
頭皮のかさぶたが何度もできると、頭皮全体のバリア機能が弱くなり、頭皮トラブルを起こしやすくなります。
髪の毛を育てる土壌である頭皮がダメージを受けると、髪の毛にもよくありません。元気な髪の毛が育たないので、抜け毛、薄毛、髪の毛の細さ、うねりなど、美容面でも悪い影響を与えます。
頭皮のかさぶたの対処法
頭皮のかさぶたは、日常の心がけで改善することができます。自宅で試すことのできる対処法をご紹介します。
シャンプーや洗髪方法を見直す
シャンプーの成分が肌に合わない場合、炎症を起こしてかさぶたになることがあります。頭皮に優しい、低刺激のものを使うようにしましょう。
また、髪を洗うときに爪を立てたり、強い力でゴシゴシ擦ったりすると、頭皮に傷が付きます。しっかり汚れを洗い流したい気持ちはわかりますが、それほど力を入れずに洗っても、十分に頭皮はきれいになります。指の腹を使って優しく洗い上げましょう。
ドライヤー方法を見直す
ドライヤーの温風を直接頭皮に当てるようにしていると、頭皮が乾燥し、熱ダメージを受けます。ドライヤー時間が長時間になることでも、頭皮や髪の毛にダメージを与えるので、しっかりとタオルドライをしてからドライヤーをするようにしましょう。
ストレスを溜めない
ストレスは、頭皮環境を悪化させる原因です。ただ、全くストレスを感じずに生活することはできないので、うまく発散できる自分なりの方法を見つけることが大切です。
健康的にストレスを発散するには、ランニングやハイキングなど、体を動かすことが効果的です。没頭できる趣味を持つことも、気分転換になります。
市販薬を試してみる
頭皮のかさぶたは、市販薬でも治療することができます。薬剤師の方に相談し、頭皮湿疹向け治療薬、フケ用治療薬など、症状に合わせて最適なものを選びましょう。
頭皮に優しい、低刺激のシャンプーの使用もおすすめです。
頭皮にかさぶたがあるときにやってはいけないこと

頭皮のかさぶたを悪化させないために、やってはいけないことがあります。
頭皮のかさぶたをはがす
頭皮のかさぶたをはがすと、せっかく治りかけていたものを振り出しに戻してしまうことになります。かさぶたをはがすことで、さらに傷の状態が悪化するため、かさぶたが長期化してしまいます。
かゆみがあってもかかない
かさぶたがあると気になって、どうしてもかいてしまいたくなるものです。しかし、かくことで血行が良くなってさらにかゆみが増し、とびひの場合はそこから出た液が周りに広がり、炎症を悪化させてしまうでしょう。
かゆみが気になる場合は、かゆみ止めなどの薬を使うなどして症状を抑えるようにしてください。
頭皮のかさぶたが治らないなら病院で治療
頭皮のかさぶたが治らない、あるいは、かさぶたがどんどん広がっているという場合は、病院で治療を受けましょう。
病院を受診するなら何科?
頭皮のかさぶたを治療するのは、皮膚科です。
ただし、抜け毛や薄毛も気になっているのなら、薄毛専門クリニックを受診しましょう。一部の美容皮膚科では、抜け毛や薄毛に関する治療を行っているところもあります。
病院で行われる治療
病院では、頭皮のかさぶたの原因を特定するための診察や検査が行われ、症状に応じて内服薬や外用薬を処方されます。頭皮トラブルが生活習慣に起因することも多いので、生活や食事に関するアドバイスがある場合もあります。
費用は一般的に、皮膚科は保険適用、美容皮膚科、薄毛専門クリニックなどは保険適用外となります。
赤ちゃんの頭皮のかさぶたについて
赤ちゃんの頭皮にはよくかさぶたができます。多くの場合は、それほど心配しなくてもいいものです。
赤ちゃんの頭皮のかさぶたは心配ないことがほとんど
赤ちゃんの頭皮のかさぶたは乳児脂漏性湿疹の場合が多いです。生後1〜2か月ごろの赤ちゃんによくあるものなので、心配ありません。症状は、頭皮全体がじゅくじゅくしたりかさかさになったりします。かさぶたができてかゆみを伴うこともあり、頭皮だけでなく顔や胸などに出ることもあります。
ただし、1歳を過ぎても慢性的に頭皮のかさぶたがよくならない場合は、アトピー性皮膚炎やアレルギー症状の可能性があります。この場合には、病院を受診しましょう。
赤ちゃんの頭皮のかさぶたのケア
乳児脂漏性湿疹の場合は、自然に治ることも多いものなので、保湿剤で様子を見ることが多いです。いつも肌を健やかな状態に整えてあげましょう。
まとめ

大人の頭皮のかさぶたは、放置すると悪化し、薄毛や抜け毛の原因になることがあります。また、炎症を起こしてかさぶたになる状態が慢性的だと、仕事や勉強に集中できず、生活の質を落としてしまうことにもなるでしょう。
頭皮にかさぶたを発見したら、できるだけ早く病院を受診することをおすすめします。
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こちらの記事の監修医師
やさしい美容皮膚科・皮フ科
宇井 千穂
〇診療科 :美容皮膚科・皮フ科
《 経歴 》
北里大学医学部卒業
《 保有資格 》
・1990年度 準ミス日本受賞
・元全日本空輸株式会社 客室乗務員
《 プロフィール 》
皮膚科医としてはアトピーを中心とした皮膚疾患を診察し、美の研究も行い美容皮膚科医としての医療も提供しています。
web雑誌での連載やサプリメントや化粧品の監修などでも、多方面でマルチに活躍しています。
《 その他 》
病気だけを診るのではなく、一人の人間として患者さんに携わっていける医師を目指しています。
アトピーという皮膚疾患だけでなく、先天性異常である18トリソミーやダウン症などの患者さんを取り巻く環境も考え、偏見をもたれやすい疾患に対しての活動をも行っています。
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