最終更新日:2021年8月24日
髪が抜ける原因を解説!異常な抜け毛の見分け方は?解決策や髪が抜けることで考えられる病気もご紹介します

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

艶やかでボリュームのある髪は、人を健康的で若々しく見せてくれます。
しかし髪や頭皮は、加齢や体調・環境の変化の影響を受けやすく、多くの人が抜け毛に悩んでいるのも事実です。
今回は、なかなか人には相談できない髪が抜ける原因について詳しくご紹介します。
異常な抜け毛の見分け方や解決策も見ていきましょう。
髪が抜ける原因
髪が抜けると「なぜ?」「このままどんどん抜けてしまうの?」と不安になる人は少なくないでしょう。
ここでは、髪が抜ける原因をご紹介します。<何らかの病気が潜んでいる危険があるため注意が必要です。
ホルモン異常

髪が抜ける原因にはホルモン異常があります。
ホルモンといっても様々な種類がありますが、主に抜け毛に関連するのが「男性ホルモン」「女性ホルモン」です。
男性ホルモンの中でも、テストステロンは抜け毛に大きく影響を与えます。
女性ホルモンの中で髪が抜ける原因になり得るのはエストロゲンです。
エストロゲンが減少すると抜け毛を引き起こすリスクがあります。
妊娠・出産・更年期など女性にはホルモンバランスが乱れるタイミングが何度か訪れるでしょう。
このようなタイミングではエストロゲンが減少し、抜け毛を加速させてしまうのです。
血行不良
血行不良はあらゆる体の不調の原因となりますが、抜け毛も例外ではありません。
毛根はたくさんの毛細血管に囲まれています。
そのため血流が悪くなったり、血管そのものが硬くなったりすると髪の成長に必要な栄養や酸素が行き渡りません。
そもそも人間の髪の毛は1日に50~100本抜けるといわれています。
毎日それだけの本数の髪が抜けても薄毛にならないのは、毛根から新しい髪が生えてくるからです。
しかし血行不良が起こると抜け毛が増えるだけでなく、新しい髪が生えず薄毛が進行してしまいます。
ストレス

性別や年齢に関わらず抜け毛や薄毛の原因となり得るのがストレスです。
ストレスを溜め込んだ結果、自律神経のバランスを崩し、髪の成長の妨げになることは決して少なくありません。
自律神経の乱れが生じると、血行不良を引き起こしそれが抜け毛に繋がります。
またストレスによる睡眠不足は、髪の成長に必要な成長ホルモンの分泌減少をもたらすのです。
疾患
髪が抜けるのは血行不良やストレスだけでなく病気が原因の場合もあります。
抜け毛に関係する疾患をチェックしていきましょう。
・男性型脱毛症(AGA)
・女性男性型脱毛症(FAGA)
・ひこう性脱毛症
・円形脱毛症
男性ホルモンの1種であるジヒドロテストステロンは、毛髪の成長を抑制し髪の毛の成長期を短縮させてしまいます。
正常な毛髪の成長期は2~6年ですが、AGAやFAGAでは半年~1年という短い期間で髪が抜けてしまうのです。
ひこう性脱毛症とは脂漏性皮膚炎に脱毛が伴ったものです。
頭皮に汚れや脂が溜まる、常在菌による毛根の炎症が原因として考えられます。
円形脱毛症はストレスが原因だと思っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、ストレスだけでなくアトピー性疾患・甲状腺疾患・関節リウマチなど他の病気が関連している場合もあります。
ストレスなど身に覚えのない円形脱毛が見られたら、他の病気の可能性も視野にいれてください。
遺伝
髪の毛の濃い・薄いは遺伝する話を聞いたことがある人が多いでしょう。
特に女性よりも男性は薄毛の遺伝子の影響を受けやすいと言われています。
また薄毛の遺伝子は母親から受け継ぐ染色体上にあるため、母方の祖父や曽祖父が薄毛の場合、子どもに遺伝する確率は高まります。
その他
シャンプーやスタイリング剤が薄毛の原因になることもあります。
頭皮の異常や抜け毛が気になったら、使っているシャンプーやスタイリング剤の成分のチェックが必要かもしれません。
また頭皮も含め爪を立てて激しく洗っていないか、すすぎ残しがないかなど、日頃のシャンプーの仕方も見直してみましょう。
他にもパーマやカラーの繰り返し・白髪染め・髪を強く引っ張るようなヘアスタイルなどが脱毛や薄毛の原因になることがあります。
抜け毛の種類

抜け毛には自然脱毛と異常脱毛の2種類があります。
どちらの種類に当てはまるかによって対策も異なります。
自分自身で確認できることもあるので、どちらの種類に当てはまるのかチェックしてみてください。
自然脱毛
自然脱毛とは、その名の通り自然に髪が抜けることです。
人間の髪の毛は1日に50~100本抜けるといわれていますが、抜けた毛根とは別の場所からすでに新しい毛髪が生え始めています。
寿命を迎えた毛髪が自然に抜け落ちるので、シャンプーやブラッシングの際に抜けるのは当然のことです。
ここで注意しておきたいのが、抜けた髪の毛の量です。
いつもよりも明らかに量が多いことが続けば、異常脱毛の可能性を考えましょう。
異常脱毛
明らかに多くの髪の毛が抜けている場合は、自然脱毛ではなく異常脱毛を疑います。
髪をかき上げた時や手ぐしでとかした時に何の抵抗もなく数本の髪の毛が抜けるような時は異常な抜け毛の可能性があります。
異常に抜けた毛は十分に成長しきれないまま抜けるため細くて短く、毛根が尖っていることやベタつきがあるのが特徴です。
正確には数えられなくても明らかに普段の倍以上抜け落ちており、細くて痩せた毛が多い場合は早めに対策を講じましょう。
異常な抜け毛の見分け方

自分の抜け毛を見て、「もしかして異常な抜け毛?」と不安になる人は少なくありません。
ここでは異常な抜け毛の見分け方をご紹介します。
・抜け毛の量が明らかに増えた
・特定の場所だけが薄くなった
・フケやかゆみがある
・髪の毛のコシがなく細い
・毛根が小さい・毛根がない
・毛根に皮脂汚れがある
これらの抜け毛はストレスやシャンプーの使い方といった問題ではない可能性があります。
1人で抱え込まずに専門の医療機関を受診することをおすすめします。
髪が抜ける主なタイミング

人間の髪にはヘアサイクルがあり、抜けるタイミングがほぼ決まっています。
無理に引っ張ったりしなければ、そのタイミングで自然に抜けるということです。
ヘアサイクルから、髪が抜けるタイミングを見ていきましょう。
・成長期(2~6年):毛髪が成長する期間
・退行期(2~3週間):髪の成長が止まり毛球の縮小が始まる期間
・休止期(3~4か月):毛球の細胞が活動を休止し新しい髪が生える準備をする期間
休止期を迎えた古い髪は、成長期に新しい髪の毛が生えてくるタイミングで抜け落ちていきます。
ヘアサイクルは2~6年と期間が長いのですが、頭皮の状態や血行不良によって短縮される場合があります。
このヘアサイクルの乱れこそ、一般的にいう抜け毛の原因なのです。
抜け毛の解決策

抜け毛の問題は周囲の人に相談しにくく、抱え込んでしまう人も少なくありません。
抜け毛が気になるものの相談が難しい場合、どのように対処すればいいのでしょうか。
ここでは日常生活の中でできる抜け毛の解決策についてご紹介します。
洗髪のやり方を変える
抜け毛の解決策の1つに、頭皮の状態を整えるということがあります。
洗髪には頭皮や毛穴の余分な皮脂を取り除き、マッサージにより血行を良くするという効果が期待できます。
しかし単にシャンプーを使って流すだけでは汚れが取れないだけでなく、頭皮に負担をかけることもあるのです。
シャンプーを使用する場合は、まず髪と頭皮をお湯だけで丁寧に洗い、シャンプー剤をつけて洗いましょう。
その後シャンプー剤が残らないように時間をかけてすすいでください。
リンス・コンディショナー・トリートメントを付ける場合も十分にすすぐことが大切です。
ここで大切なのが、洗い残しがないようにすることです。
また髪を洗う際には、頭皮を優しくマッサージするように洗うことで頭皮の血行が促進し抜け毛予防に繋がります。
頭皮ケア成分の入ったシャンプーを使用する

スカルプシャンプーとも呼ばれる頭皮ケア成分の入ったシャンプーは、抜け毛を予防するのにおすすめです。
シャンプーの中には洗浄力が強すぎて、必要な皮脂まで洗い流してしまうものがあります。
反対に洗浄力が弱すぎて毛穴に余分な皮脂が残ってしまい、抜け毛に繋がるケースもあるでしょう。
アミノ酸系の成分を使用しているシャンプーやノンシリコンのシャンプーは、毛穴の詰まりを抑えてくれ脱毛予防に効果的です。
また植物由来の成分を使用した低刺激のシャンプーを選ぶことも抜け毛対策になります。
生活習慣を見直す
抜け毛の原因としてストレスやホルモンバランスの乱れなどが関係しているため、生活習慣を見直すことも重要なポイントです。
まず食生活においては育毛に効果のある栄養素の摂取を心がけてください。
タンパク質・ビタミン、アミノ酸・亜鉛などの栄養素を意識するといいのですが、1番はバランスの取れた食生活です。
暴飲暴食を避け、甘い物や脂っこいものは控えましょう。
また、タバコは血中酸素を減少させるので髪の毛の成長を妨げます。
加えて質の良い睡眠をとることも大切です。十分な睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、髪の毛の成長に効果的です。
髪が抜けることで考えられる病気

髪が抜けるのは、病気が関係している場合もあります。
以下の疾患は抜け毛を引き起こすことがあるので注意が必要です。
・鉄欠乏性貧血
・甲状腺機能低下症
・橋本病(慢性甲状腺炎)
・全身性エリテマトーデス
先ほどお伝えした髪が抜ける原因では、AGAや円形脱毛などの頭皮に関わるものをご紹介しました。
その他にも、抜け毛には様々な病気が隠されていることがあります。
鉄欠乏性貧血は血液中の鉄分が足りず、血行不良を起こす原因となります。
他には甲状腺に関わる病気、自己免疫の病気の症状で髪が抜けることがあるのです。
髪が抜けるからといってすぐにこれらの病気を疑う必要はありません。
しかし「他の病気の可能性もある」ということは知っておくといいでしょう。
抜け毛の本数よりも残った髪に注目するべき理由

「また抜けた」「今度は〇本抜けた」など、抜けた髪を見て残念に思う人は多いのではないでしょうか。
しかし、抜けた髪よりも残った髪の方に目を向けてみてください。
現在残っている髪を大切にし、毛根や頭皮のための対策を行うことをおすすめします。
そのためには先ほどお伝えしたような、抜け毛の対策がおすすめです。
抜けた髪を見て落ち込むと、それ自体が大きなストレスになりかねません。
もし異常脱毛を疑う点があれば、専門の医療機関を受診してください。
まとめ

髪が抜ける原因には、ホルモンバランス・血行不良・ストレス・病気・遺伝など様々なものが考えられます。
シャンプーの使い方によっては皮脂汚れが残ったり、成分が洗い流されず頭皮に負担がかかったりします。
もし異常脱毛かもしれないと悩むことがあれば、医師に相談してください。

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓
〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師 :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業
日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー
三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品
【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」
【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)
2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。
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- 和歌山県新宮市下田2-3-2地図を見る
- JR紀勢本線 新宮駅 徒歩10分
- 0735-28-0111
- 小児科 小児眼科 小児耳鼻咽喉科 小児皮膚科 小児神経内科 小児泌尿器科 アレルギー科
「すずきこどもクリニック」は、和歌山県新宮市下田にあります。こちらの院長は、親しみやすい人柄から「地域の良き相談相手」として多くの患者さんに信頼されています。院長は大病院での勤務経験や小児科医長の実績...
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