最終更新日:2022年4月6日
かかとが痛い原因は内臓と関係ある?痛みの本当の原因について解説

こちらの記事の監修医師
平塚共済病院
増田謙治

かかとの痛みが続くと、病気の可能性を考えてしまい、心配になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。かかとが痛くなる原因には、内臓の病気が原因である場合と、関節の炎症が原因である場合があります。ここでは、かかとの痛くなる原因について詳しく解説します。かかとの痛みで不安を感じる方は、ぜひ参考にしてください。
内臓の不調が関係するかかとの痛み

内臓の不調でかかとが痛くなる場合、痛風の可能性があります。痛風の多くは、親指の付け根が痛くなるといわれますが、かかとや足全体が痛くなることもあるのです。高尿酸血症の状態が続くと、関節に尿酸の結晶が蓄積して、患部が赤く腫れる痛風の症状が現れます。尿酸結晶が腎臓に蓄積すると、腎不全を発症することもあるため注意しましょう。
脂肪分やプリン体を多く含む食事を摂ると発症しやすい症状です。また肥満の人は、痛風になりやすい傾向にあります。痛風の治療は生活習慣の改善が中心で、食事の総量を制限してバランスよく食べることを心がけたり、アルコールの摂取を抑えたりすることが大切です。
痛風は1~2週間ほどで痛みが取れてしまうこともあるため、治ったと勘違いしやすい症状です。痛みが取れたとしても、根本の原因である高尿酸血症は解決されていないのです。痛風の発作が起きた時点で病院を受診して、生活習慣を改め、高尿酸血症の改善に努めましょう。
足に問題があらわれる内臓疾患

足に問題が現れる内臓疾患には、腎臓病や心臓病、糖尿病などがあります。各疾患について解説しますので、参考にしてください。
腎臓病や心臓病
腎臓病や心臓病になると、足がむくみやすくなります。むくんだ状態で靴を履いて歩くと、かかとに負担をかけてしまい、痛くなることもあるでしょう。腎臓病の場合は、体内の水分や塩分を調節する働きが正常に機能せずに、足に水分がたまってむくみます。
心臓病では、心臓のポンプ機能が通常通りに働かずに、血液を流す機能が低下します。その結果、血行が悪くなり、むくみが生じるのです。足は心臓から離れた部位であるため、明らかにむくんだ状態が確認できます。
異常な足のむくみがある場合は、病気の重症化を防ぐためにも、病院を受診しましょう。
糖尿病
糖尿病になると神経障害を発症して、両足にピリピリとした痛みやしびれを感じることがあります。症状が進行すると、感覚が麻痺して足やかかとの痛みを感じづらくなります。足に感覚がない状態で歩くと、物を踏んだ際に自分が怪我をしたことに気づきにくいのです。そのため、怪我した箇所を放置してしまい、感染症を起こすことがあります。
感染症により足が腐ってしまい、切断を余儀なくされる事例もあるため、注意してください。
かかとの痛みの原因が内臓疾患ではない場合

かかとの痛みの原因が内臓の病気以外の場合は、次のような整形外科分野の原因が考えられます。
- 滑液包炎
- 足底筋膜炎(腱膜炎)
- セーバー病(踵骨骨端症)
- アキレス腱炎
それぞれの病気について詳しく説明します。
滑液包炎|かかとの上が痛くなる
かかとの形状と合っていない靴を履いたり、かかとに負荷をかける仕事やスポーツをする人は滑液包炎になることがあります。
滑液包炎とは、関節の動きをスムーズにするための滑液包が炎症を起こした状態です。患部は腫れており、押すと痛みを感じます。
走ったり、しゃんがりしてかかとに負担をかけずに安静にすると、1週間程度で改善する可能性があります。
足底筋膜炎(腱膜炎)|足裏やかかとが痛くなる
足裏とかかとが痛くなる場合は、足底筋膜炎や足底腱膜炎と呼ばれる病気の可能性があります。足底筋膜炎や腱膜炎とは、足の裏を覆う足底筋膜や腱膜に炎症が起こった状態です。
朝起きた際に、床に足をついた瞬間に強い痛みをともなうことがあります。足の裏に負担を与えることが多い人や、肥満傾向の人に見られることが多いです。また、ランニングやスポーツのやり過ぎで発症することもあります。歩く際に、地面に足を付けるたびに痛みがある点が特徴です。
セーバー病(踵骨骨端症)|足のかかとの両サイドを押すと痛い
セーバー病とは、踵骨骨端症とも呼ばれ、10歳前後の成長期の子どもに発症しやすい病気です。
スポーツにおけるオーバーユースが原因であり、運動を急にはじめたり、練習量が多過ぎたりすると発症します。
子どもは骨が柔らかいために、スポーツのやり過ぎで筋力が緊張してかかとの骨に牽引力がかかると炎症を起こします。かかとの骨折にもつながる場合もあるため、痛みを我慢しながらスポーツを続けないこと、必要に応じて安静にすることが大切です。
アキレス腱炎|かかとの後面からふくらはぎの痛みがある
アキレス腱炎は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐアキレス腱が炎症を起こした状態です。足に負担をかけるランナーに見られるだけでなく、加齢や靴の不適合、偏平足が原因の場合もあります。
かかとの上を触ると刺激を感じ、歩き始めや運動中に痛くなる点が特徴です。アキレス腱だけではなく、アキレス腱を覆う膜が炎症を起こすアキレス腱周囲炎でもかかとが痛くなることがあります。
更年期のかかとの痛みは何が原因?
更年期になると女性ホルモンのエストロゲンが減少して、関節内の軟骨や筋肉が衰えます。組織の衰えは、足底腱膜炎やアキレス腱炎を招きやすくなるのです。
かかとの痛みで歩きづらくなったり、ヒールの高い靴を履けなくなったりします。痛みの少ないときに適度に運動をして筋力アップを図ったり、カルシウムをはじめとした栄養を補給をして骨の強化に努めたりしましょう。
何科を受診すべき?

かかとの痛みだけがある場合は、足底の筋肉や腱、かかとの骨、アキレス腱に炎症が発生している可能性があるため整形外科を受診するとよいでしょう。
手足や顔のむくみ、倦怠感、血尿などの内臓の問題による症状がある場合は、内科を受診してください。
かかとの痛みが続く場合は、関節の炎症や内臓の病気の可能性があるため、早めの病院の受診をおすすめします。
かかとが痛いときは内科や整形外科を受診しよう

かかとが痛くなる原因には、内臓の病気や足首の疾患が考えられます。内臓に原因がある場合は、内科を受診するとよいでしょう。
内臓の病気は、かかとの痛みだけではなく、他の症状が見られることもあります。かかとのみに痛みがある場合は、筋肉や腱、かかとの骨の疾患が原因の可能性があるため、整形外科を受診するとよいでしょう。
かかとの痛みが長引く場合は、放っておかずに病院を受診することが大切です。
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こちらの記事の監修医師
平塚共済病院
増田謙治
〇診療科 : 整形外科
【経歴】
平成13年横浜市立大学医学部卒
医学博士、
日本整形外科学会 整形外科専門医、
日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医、
日本脊椎脊髄病学会 指導医、
身体障害者福祉法第15条指定医、
難病指定医、
臨床研修指導医講習会修了
おもに背骨(脊椎)の病気を中心に診察しています。脊椎の症状でお困りの方がいましたら是非ご相談ください。
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