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最終更新日:2021年12月28日

発熱時に白目をむいて震えだした…「熱性けいれん」の特徴と発作時の対処法

こちらの記事の監修医師
高座渋谷つばさクリニック
武井 智昭 

(画像=PIXTA)

「子どもが発熱時にガクガクと震えだした」。焦ってしまうところですが、まずは落ち着いて、子どもの状態を確認することが大切です。本記事では、高座渋谷つばさクリニックの武井智昭先生が、「熱性けいれん」の特徴と対処法について解説していきます。

子どもの発熱時の震えと熱性けいれん

生後6ヵ月から6歳くらいまで、発熱時に白目をむいて、全身が硬直したり、両手両足をガクガク動かしたりする発作を、熱性けいれんとよびます。日本人ではおおよそ1割弱の方が、1回は経験する疾患です。

この熱性けいれんは発熱して24時間以内に1回のみ発作が起こりますが、発作後は運動機能・知能低下や麻痺などの神経症状後遺症を起こさないことが判断の基準です。熱性けいれんは髄膜炎・脳炎などの中枢神経の感染症、低血糖・代謝性疾患による高アンモニア血症、脱水などによる電解質の異常などの疾患でないことで判断される、除外診断だからです。

一見、熱性けいれんと思われても、とくに休日や夜間の救急外来の現場では、発熱はあるが意識低下はない悪寒・戦慄(おかん・せんりつ)であったこともしばしばあります。熱性けいれんと悪寒・戦慄を明確に判断するためには、それぞれの特徴を把握しておく必要があります。

悪寒・戦慄(おかん・せんりつ)の特徴

悪寒・戦慄の場合、発熱にともなう震えは熱性けいれんと違い、意識消失や顔面の色調が紫となるチアノーゼがみられないことが特徴です。代わりに、手足の振れが小刻みに震えます。けいれんのようなガクガク・バンバンというような四肢の大きな動きはみられません。

また、眼球が左右どちらかに寄り目となること、呼びかけへの反応があることが鑑別のポイントです。小刻みな動きの始まりと終わりが不明確であり、比較的長く持続します。

熱性けいれんの特徴

これに対し、熱性けいれんでは意識消失を伴い、発作中は眼球が偏位し、全身にチアノーゼを認めることも多いです。呼びかけには反応しません。発作の多くは5分以内で四肢を大きく動かし、発作開始時と発作終了時が明らかにわかります。

子どもがけいれんを起こしたら…発作時の対処法

けいれん時にはお子さんの意識がなくなり、顔色も悪くなるため、ご両親は焦ってしまうことがほとんどです。まずはご両親が落ち着いて、発作が何分続いているかをおおまかに計測してください。同時に、発作が左右対称なのか、眼球偏位があるのかなどを、余裕があれば観察してください。

そして、お子さんの衣服はゆるめて、安全で平らなところに寝かしてください。嘔吐のリスクもあるため、可能であれば体を横向きにして寝かしてください。

万一、けいれん発作が5分以上持続した場合には、速やかに救急車を呼んで医療機関への搬送・治療を受けてください。けいれんが5分以内におさまっていても意識や顔色が戻らない、あるいは再度の発作を繰り返してしまうという場合も、救急車をよんで医療機関での対応が必要となります。

また、意識の戻りがよくても、医療機関の受診をおすすめします。けいれん発作時には、噛む筋肉の緊張も相当強いので、口の中に指を入れたり、人工呼吸を開始したりすることは危険ですので控えてください。口の中に入れた指が傷ついたり、嘔吐物が気管・肺に入って窒息してしまう恐れがあります。

けいれんが持続した場合

救急車で搬送後、ただちに低酸素性脳症予防のためにも酸素投与、けいれん発作を止める注射薬を投与します。けいれん発作が止まった後は血液検査・頭部画像検査(CT)・髄液検査などを行い、熱の原因や中枢神経感染があるかどうか判断し、原則入院して加療となります。

繰り返しけいれんが起きる…予防薬「ダイアップ®」投与の条件

熱性けいれんを繰り返し起こすリスクが高いお子さんは、けいれん発作の予防として「ダイアップ®」という坐薬の発熱時投与を行う場合があります。

熱性けいれんを起こしたお子さんのうち、2回目以降の発作が生じる可能性は30%程度ですが、こうした予防薬が投与される例は多くありません。

投与される条件は、15分以上持続した遷延(せんえん)性の発作(15分以上)の既往がある場合、あるいは下記のうち2つの項目を満たした熱性けいれん発作が2回以上反復する場合です。

・24時間以内に発作が反復する
・熱性けいれん発作前より存在する神経学的な異常、発達遅滞
・熱性けいれん、てんかんの家族歴がある
・生後12ヵ月未満・発熱後1時間未満での発作
・38℃未満での発作

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こちらの記事の監修医師

高座渋谷つばさクリニック

武井 智昭 

小児科医・内科医・アレルギー科医 2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。
感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。

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