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最終更新日:2021年9月27日

症状が出てからでは遅い?糖尿病は特に早期発見が重要なワケ

こちらの記事の監修医師
しらい健康クリニック泉中央
白井 勇太(しらい・ゆうた)

(※画像はイメージです/PIXTA)

厚生労働省の調査(2019年)によると、男性はおよそ5人に1人(19.7%)、女性についてもおよそ10人に1人(10.8%)の割合で「糖尿病が強く疑われる」という結果が出ています。今回、生活習慣病を専門とする『しらい健康クリニック泉中央』の白井院長が、初期症状がめったに出ない糖尿病の恐ろしさと、早期発見の重要性について解説します。

「基本的に初期症状が出ない」糖尿病の恐ろしさ

糖尿病ってどんな病気かご存じですか? 皆さん、名前は聞いたことがあると思うのですが、改まって聞かれると難しいかもしれません。

読んで字のごとく、尿に糖が出る病気でしょうか? これはちょっと違います。昔、検査ができなかった時代には確かに尿糖で診断していたのですが、現代では血糖値で診断しています。つまり糖尿病は「血糖値が高くなる病気」、というのが正解です。

では血糖値が高いと何が問題なのでしょう。実は血糖値が数日高かったからといって、何か症状が出るわけではありません。

しかし血糖が高い状態が数ヵ月~数年続くと、心筋梗塞や脳梗塞、腎不全(透析が必要な状態)、失明、足壊疽(足が腐る病気)、がん、認知症など様々な病気を引き起こしてしまうのです。

こういった様々な病気を引き起こしてから治療しようとすると非常に難しく、治療できても後遺症を残す場合が多いのです。ですから、糖尿病をなるべく早くに発見し、重篤な病気を引き起こす前に治療していくのが大事なのです。

では、どのような症状が出たら糖尿病を心配すべきでしょうか? もしかしたら「糖尿病は喉が渇く」などと聞いたことがあるかもしれません。たしかに私のクリニックにも糖尿病による症状で来院される方がいらっしゃいます。

「すごく喉が渇くようになって、ペットボトル飲料を1日に3本も4本も飲むようになった」

「おしっこがすごく多くなって、便器もなんだかべとべと汚れるようになった」

「全身だるくって疲れやすく、体重も半年で10㎏も落ちた」

「最近急に視力が落ちてきた」

といった症状です。しかし、このような症状が出ている方は、決して初期ではありません。非常に進行していて、すぐに入院が必要なレベルの場合もあります。

実のところ、糖尿病は基本的に初期症状が出ません。糖尿病が症状を出すのはかなり進行してからで、症状が出てから受診するのでは遅すぎるのです。

初期症状が出ない糖尿病を「早期発見」する方法

では、症状が無いのであれば、どのようにして気を付けたら良いのでしょうか。

簡単なことです。定期的に健康診断を受ければよいのです。職場の定期健康診断など、一般的な健康診断には血糖やHbA1c(※)など、糖尿病を調べる検査項目が入っています。 ※HbA1c(ヘモグロビン・エーワンシー):赤血球中のヘモグロビンという色素のうち、どれくらいの割合が糖と結合しているかを示す検査値

毎年きちんと健康診断を受けて、ひっかかったときにすぐに医療機関を受診すればよいのです。

先述したような症状があって受診する方というのは、ほとんどが健康診断を受けていなかった、もしくは健康診断でひっかかっていたにも関わらず、受診していなかった人たちです。毎年健診をきちんと受けていた方が、突然症状を出すことはほとんどありません。

めったに出ない、糖尿病の初期症状とは

一応、例外的に糖尿病が初期症状を出す場合があります。食後3~5時間での低血糖症状です。

糖尿病予備軍や糖尿病の初期段階では、食後の血糖が高くなります。糖尿病がある程度進行すると、高くなった血糖がなかなか下がらなくなるのですが、初期の段階だといったん高くなった血糖が急激に下がるので、食後3~5時間後にはかえって食前よりも低くなってしまうことがあります。これを「反応性低血糖」と呼んでいます。

症状としては、異常な空腹感、冷や汗、脱力感などが特徴的です。典型的にはお昼ご飯を食べてしばらく経った、午後4時~5時くらいに症状が出ます。

特に炭水化物メインのバランスの悪い食事、例えば麺類などを食べた後に症状を出すことが多いです。

糖尿病は「発見の時期」により治療の難易度が変わる

もしこのような症状を自覚したら、早めに専門の医療機関を受診すると良いでしょう。しかし糖尿病初期の方すべてがこのような症状を出すわけではありませんし、初期の段階を過ぎると血糖が下がらなくなるので、反応性低血糖の症状も消えてしまいます。

ですからやはり、症状の有無で糖尿病の状態を判断することはできません。

今は糖尿病治療も進歩しているので、初期のうちに治療を始めれば、そんなにきつい食事制限をすることもなく、健康的に暮らしていけるようになっています。しかし、糖尿病が進んで様々な病気を引き起こしてからでは、現代の医学でも治療が難しいのです。

「症状が出てからでは手遅れになってしまう」ということをきちんと理解して、ぜひ定期的に健康診断を受け、血糖に異常があった場合にはすぐに医療機関を受診してください。

最後に、蛇足にはなってしまいますが、健診でひっかかったときは可能な限り専門の医療機関での受診をお勧めします。

糖尿病の原因というのは人それぞれで、適した治療というのも人によって異なります。これを見極めて一人ひとりに本当に必要な治療をしていくのは、専門家でないと難しいのです。

皮膚にできものができて眼科に行く人はいないでしょうし、頭が痛いといって泌尿器科に行く人もいないでしょう。同じように、血糖がひっかかったときは、ぜひ専門の糖尿病内科を受診して下さい。

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こちらの記事の監修医師

しらい健康クリニック泉中央

白井 勇太(しらい・ゆうた)

日本糖尿病学会 糖尿病専門医/ 2002年に麻布高等学校、2008年に東北大学医学部を卒業後、東北大学病院糖尿病代謝科に入局。2014年には医学博士を取得し、仙台市立病院、富谷中央病院を経て、2020年9月2日に「より早い段階から生活習慣病の患者と関わり、病気を発症してからの治療ではなく、病気にならないための予防を重視した医療を行いたい」との思いから、糖尿病を始めとする、生活習慣病を専門に扱う『しらい健康クリニック泉中央』を開設。

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