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最終更新日:2021年12月17日

味覚障害の原因はストレス?亜鉛不足や加齢、疾患などにも注意が必要

こちらの記事の監修医師
安部医院
安部浩一(あんべこういち)

味覚障害の原因はストレス?亜鉛不足や加齢、疾患などにも注意が必要

 

(画像=stock.adobe.com)

ストレスが原因で味覚障害になることがありますが、その他にもさまざまな原因が考えられます。そのため、味覚障害の原因をすべてストレスのせいにするのではなく、他の原因の可能性も考えることが重要です。本記事では、亜鉛不足や加齢、疾患など味覚障害の原因について詳しく解説します。味覚障害の原因について気になる方は、参考にしてください。

目次

  1. 味覚障害とは
  2. 味覚障害で最も原因がはっきりしているのは亜鉛不足
    1. ◇亜鉛不足で味覚障害になる理由
    2. ◇1日に必要な亜鉛の量
  3. 亜鉛以外の味覚障害の原因
    1. ◇加齢が原因の味覚の減退
    2. ◇心理的ストレスによる味覚異常
    3. ◇嗅覚異常による味覚障害
    4. ◇舌の表面の異常による味覚障害
    5. ◇薬の副反応による味覚障害
    6. ◇放射線治療による味覚障害
  4. 味覚障害となる原因疾患
  5. 原因別の味覚障害の治療法
    1. ◇精神疾患を治療する
    2. ◇服薬を見直す
    3. ◇病気を治療する
  6. 味覚障害は亜鉛で予防!病院も受診しよう

味覚障害とは

味覚障害とは、甘いやしょっぱいなどを苦みなどの別の味で感じたり、味が分からなったりする症状です。味覚障害のタイプに応じて、次のような症状を伴います。

味覚障害のタイプ 症状
味覚減退 味がよく分からない状態
味覚消失 味がまったく分からず
舌の片側のみで起こることもる
味覚過敏 薄い味付けでも濃く感じる
自発性味覚障害 何も口にしていないのに味を感じる
解離性味覚障害 一部の味を識別できない
味覚錯誤 甘いものを苦く感じたりするなど、
本来の味とは異なる感じ方をする

味覚障害の原因は、はっきりしないことも多いのですが、次に示すように亜鉛の不足で起こることが多いと言われています。

味覚障害で最も原因がはっきりしているのは亜鉛不足

味覚障害で最も原因がはっきりしているものが亜鉛不足と言われていますが、まずは亜鉛をしっかりと補い不足させないことが重要だと言えます。ここでは、亜鉛不足で味覚障害になる理由や1日に必要な亜鉛の量を解説します。

◇亜鉛不足で味覚障害になる理由

亜鉛不足で味覚障害になる理由は、味を感じる味蕾のターンオーバーが延長するからだと言われています。ターンオーバーとは味蕾が新しく生まれ変わる周期のことで、それが延長すると味蕾が味を正確に感じ取れなくなるのです。

そのため、味覚障害を予防するには、次に示す1日に必要な亜鉛の量を摂取する必要があります。

◇1日に必要な亜鉛の量

厚生労働省が2020年に発表した「日本人の食事摂取基準」によると、亜鉛の1日の摂取推奨量は次の通りです。

年齢 男性の亜鉛推奨量 女性の亜鉛推奨量
18~74歳 11mg 8mg
75歳以上 10mg 8mg
18歳以上の妊婦 10mg
18歳以上の授乳婦 12mg

(参考:「日本人の食事摂取基準」(2020年版)|厚生労働省

以上の目安を参考にして、亜鉛を摂取するとよいでしょう。また、亜鉛を多く含む食材は次の通りになりますので、参考にしてください。

食材 亜鉛の量(食材100gあたり)
牡蠣 13.2mg
松の実(生) 6.9mg
豚肉レバー 6.9mg
牛肉肩ロース赤身 5.6mg
牛肉もも赤身 4.4mg

亜鉛以外の味覚障害の原因

亜鉛以外の味覚障害の原因として次のものがよく知られています。

  • 加齢が原因の味覚の減退
  • 心理的ストレスによる味覚異常
  • 嗅覚異常による味覚障害
  • 舌の表面の異常による味覚障害
  • 薬の副作用による味覚障害
  • 放射線治療による味覚障害

各項目について、詳しく解説しますので参考にしてください。

◇加齢が原因の味覚の減退

加齢とともに味覚は減退すると言われていますが、何歳くらいから味覚障害が増えるのでしょうか。

日本大学医学部付属板橋病院耳鼻咽喉科が2003年から2005年までに行った調査によると、味覚障害で病院を受診する年齢は60代が最も多かったと報告されています。そのため、60歳くらいから、加齢による味覚障害に悩む人が増えるのではないでしょうか。

また、加齢で味覚が減退する理由は次の通りです。

  • 味覚器の数の変化
  • 唾液分泌の低下
  • 入れ歯による口内環境の変化
  • 全身疾患による影響
  • 疾患を治療するために服用している薬の影響
  • 亜鉛の不足

加齢に伴う味覚減退の性質については、70代以降になると塩味や酸味、苦味を感じづらくなるとの研究報告もあります。

◇心理的ストレスによる味覚異常

味覚は、心理的ストレスの影響を受けやすいと言われています。実際に、うつ症状が重症化すると味を感じづらくなり、うつ症状が軽くなると味を感じやすくなったとの報告もあります。

心理的ストレスが味覚に影響を与える理由は、脳内の神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンの分泌量が減少するためだと言われています。セロトニンの増加で甘味や苦味を感じやすくなったり、ノルアドレナリンの増加で酸味や苦味を感じやすくなったりするのです。

◇嗅覚異常による味覚障害

嗅覚に異常があると風味を感じ取れなくなるため、味覚も障害されます。風味を感じるには、味覚と嗅覚に関する両方の情報を脳にインプットする必要があります。

人間は、脳にインプットされた味覚と嗅覚の情報をもとに、特定の味を認識するようになっているのです。そのため、鼻をつまんで食べてると味を感じづらくなった経験をした方もいらっしゃるのではないでしょうか。

嗅覚に異常がある場合は、それが味覚障害の原因となっている可能性もあるため、医師に相談する場合は臭いを感じづらいことも伝えるとよいでしょう。

◇舌の表面の異常による味覚障害

舌の表面に深い溝ができたり、地図のような模様ができたりして異常が現れると、痛みと共に味を感じづらくなることがあります。

舌の表面の異常にもさまざまなタイプがあり、それに応じて原因も異なるため、医師に見せて適切な治療を受ける必要があります。

◇薬の副反応による味覚障害

薬の副反応で味覚障害を起こすことがあります。厚生労働省の「重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬物性味覚障害」には、薬の副反応が原因になる場合は、薬を服用して2~6週間で味覚障害が現れることが多いと記載されています。

薬物性の味覚障害の場合は、発症後に早めに薬を止めると、症状の改善が見られる可能性が高いと言われています。薬を服用するようになって「味を感じにくい」「嫌な味がする」「食べ物の味が変わった」などの症状が現れたら、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

◇放射線治療による味覚障害

癌患者に対して行われる放射線治療も、味覚障害の原因になることがあります。放射線治療により、味を感じる味蕾や唾液腺、神経にダメージを受けると、味を感じづらくなることもあるのです。

放射線治療による味覚異常は、治療終了後の3~4ヶ月をかけて徐々に回復すると言われています。回復するまでには、食事にだしをきかせたり、香りの強い食材を使ったりして調理すると良いでしょう。味を濃くせずに食事をおいしくする工夫をすることが、健康のためにもおすすめです。

味覚障害となる原因疾患

味覚障害の原因疾患には、次のような感染症や全身疾患などが考えられます。

  • 口腔カンジダ症
  • シェーングレン症候群
  • 新型コロナウイルス感染症
  • インフルエンザ感染症
  • 糖尿病や腎臓病などの全身疾患
  • 脳梗塞や脳出血などの脳の病気

疾患によっては味覚障害だけではなく、口の中に痛みを伴うことがあります。その他にも、発熱したり、しびれを感じたりなど味覚以外の症状が現れたら、重篤な疾患である可能性もあるため注意が必要です。

どの疾患が原因で味覚障害が起きているのかをはっきりさせるためにも、まずは耳鼻咽喉科を受診することをおすすめします。

原因別の味覚障害の治療法

味覚障害の原因はさまざまで、その原因によって治療法も異なります。病院を受診すると、原因に応じた適切な治療法を施してもらえます。ここでは、味覚障害に対する治療法の一部をご紹介します。

◇精神疾患を治療する

味覚障害の原因に精神疾患を疑われる場合は、抗うつ薬や抗不安薬などで、心の治療を行うと味覚障害の改善が期待できます。

精神疾患を扱う精神科や心療内科では、精神療法や認知行動療法といった薬物以外の治療を受けることも可能です。

◇服薬を見直す

薬の副作用で味覚障害が起こっている場合は、担当の医師に味覚障害のことについて告げ、服薬の見直しや中止について相談してみましょう。

薬は自己判断で、止めたり、量を減らしたりすると体に悪影響を及ぼすこともあるため、必ず医師に相談して調整するようにしてください。

◇病気を治療する

感染症や全身性の疾患などで、味覚障害が起きている場合は、病院で適切な治療を受けるようにしましょう。

味覚障害で病院を受診する際は、まずは耳鼻咽喉科を受診すると、必要に応じて他の診療科へと紹介してもらえます。

味覚障害は亜鉛で予防!病院も受診しよう

味覚障害の原因で最も有名なのが、亜鉛不足と言われています。そのため、日常的に亜鉛が不足している方は、牡蠣や赤身の肉などを摂って亜鉛を補うことをおすすめします。亜鉛を含むような食材が合わずに、亜鉛を取りにくい場合は、サプリを利用するとよいでしょう。

急に味覚障害になったら、重篤な疾患の可能性もあるため、まずは耳鼻咽喉科を受診するようにしてください。病院を受診すると、味覚障害の原因疾患が分かり、その疾患に対する適切な治療を受けられます。

安部浩一
安部浩一(あんべこういち)
安部医院 院長
昭和61年東邦大学医学部卒
昭和62年東邦大学大森病院耳鼻咽喉科
平成1年国立医療センター(現:国立国際医療研究センター)耳鼻咽喉科
平成6年安部医院開業、現在に至る

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安部医院 院長
昭和61年東邦大学医学部卒
昭和62年東邦大学大森病院耳鼻咽喉科
平成1年国立医療センター(現:国立国際医療研究センター)耳鼻咽喉科
平成6年安部医院開業、現在に至る

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