最終更新日:2022年6月17日
目の焦点が合わない場合に考えられる原因と対処法

こちらの記事の監修医師
元町マリン眼科
蓮見 由紀子

「目の焦点が合わない」「ピントが合いづらい」という場合、老眼や緑内障などが原因として考えられます。ただし、必ずしも目に原因があるとは限りません。脳の病気によって目の焦点が合わないケースもあるため注意してください。目の焦点が合わないときに考えられる原因、および原因ごとの対処法について説明していきます。
目の焦点が合わないのはストレスによる眼精疲労の可能性もある
「目の焦点が合わない」という症状が急に出た場合、眼精疲労が原因のひとつとして疑われます。眼精疲労の主な症状は「目のかすみ・ぼやけ」「白目の充血」「乾燥」などです。
また、ピントが合わないなどの目の症状のほかに全身の疲れや頭痛、吐き気、肩こりなどを伴うケースもあります。
後述する斜視や緑内障、ドライアイなどに加えて、精神的なストレスでも眼精疲労になるので注意してください。
眼精疲労の原因によって治療の方法も変わってきます。もしゆっくり目と体を休めても症状が改善されないなら、眼科を受診するようにしましょう。
左右の目の焦点が合わない「斜視」とは?
「斜視」とは目の焦点を合わせようとしても、上下左右に視線がずれてしまう状態のことです。そのため、斜視によっても「上手く目の焦点が合わない」「物が二重に見える」などの症状を伴うことがあります。
斜視の原因
斜視の原因のひとつは、目の神経や筋肉の異常です。本来は見たい方向に両目の視線が自然と向きますが、目の動きに関係する神経や筋肉に異常があると、正しい方向に向きません。
また、遠視や遺伝、目や脳などの病気によって斜視になるケースもあります。
斜視の種類
斜視は異常のある目の向く方向によって「内斜視」「外斜視」「上斜視」「下斜視」の4種類に分けられます。一例を挙げると、病気で片目の視力が悪化した場合、視力の悪い方の目が斜視になりやすく、その多くは外斜視です。
斜視は見た目から分かる場合もありますが、眼科であればより正確な検査・診断ができます。
成長の過程で悪化したり、生活に支障を来したりするケースもあるので、早めに眼科を受診しましょう。
斜視の治療法
斜視は原因によって治療法も異なります。例えば、遠視が原因なら、遠視を矯正するための眼鏡やコンタクトレンズの装用が有効です。また、目の筋肉を調整するために手術をするケースもあります。
原因の特定が重要なので、「目の焦点が合わない」などの症状が出たら専門医に相談しましょう。
目の焦点が合わないときに考えられる原因
目の焦点が合わない場合、次のような病気や症状が原因であることも考えられます。
- 仮性近視
- 老眼
- ウェルニッケ脳症
- 緑内障
仮性近視
仮性近視は偽近視とも呼ばれ、目を酷使したことで起こる一時的なピント調節の障害です。パソコンを使ったデスクワークを長時間行う人、目に負担のかかる姿勢や環境で作業する習慣のある人は特に注意しましょう。
仮性近視は目を休めることで改善されます。また、治療には目の緊張をほぐすための点眼薬が使用されることもあります。
もし目を休めても仮性近視の症状が改善されそうにないなら、眼科を受診してください。症状を放置していると、近視が悪化する危険性もあります。
老眼
老眼も目の焦点が合わなくなる原因のひとつです。加齢により水晶体の弾力は失われ、近くのものに対してピントが合わなくなります。老眼は40代以降に症状が出やすく、年々進行していきます。最終的には白く濁って白内障になります。
老眼鏡などで手元を見やすくすることはできますが、老眼の症状が根本的に治るわけではありません。
また、以前は「老眼は治療できないもの」とされていましたが、近年では手術による治療が可能だと分かってきました。
ウェルニッケ脳症
ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1が不足することで起き、「意識障害」「失調性歩行」「眼球運動障害」の3つが主な症状として表れます。
目に表れる症状は、「眼球が震える」「眼球の動きを制御できない」などです。ウェルニッケ脳症はアルコール依存症が原因のケースも多いですが、妊娠中のつわりによって起こるケースもあります。
ウェルニッケ脳症には後遺症(コルサコフ症候群)もあり、発症後すぐに適切な治療を受けないと命にも関わるので注意してください。
緑内障
緑内障は視神経の異常によって視野が狭くなったり、欠けたりする病気です。眼圧の上昇が緑内障の原因とされていますが、眼圧が正常なケースもあり、正確なメカニズムは分かっていません。
また、初期は自覚症状もなく、片目に症状が出てももう片方の目が機能を補うため、症状が進行するまで緑内障に気づかないケースも多いです。
緑内障の進行は適切な治療により遅らせることが出来るので、定期的に検診を受けて、早期に治療を開始することが重要です。
脳の病気によって目の焦点が合わないケース
目の焦点が合わない場合、まず考えられるのは目の病気です。しかし、ウェルニッケ脳症のように脳の病気によって、目の焦点が合わないケースもあります。これは、視覚によって捉えられた情報は脳で処理されるためです。
考えられる主な病気
例えば、次のような脳の病気が原因として考えられます。
- ウェルニッケ脳症
- 脳梗塞
- 脳出血
- 脳腫瘍
いずれも命に関わり、治療が遅れれば後遺症が残るケースもあります。脳の病気が原因だと考えられるときは、緊急性が高いと思ってください。
目に異常がある場合との違い
目の焦点が合わない原因については医療機関での検査が必要ですが、脳の病気の場合、「両目で見え方が異なる」「体の片側に痺れ・麻痺がある」「呂律が回らない」「我慢できないような頭痛がある」などの症状が出ることも多いです。
症状によっては救急車を呼ぶ必要もあります。もし上記のような症状があり、脳の病気が疑われるなら、脳神経外科などを受診してください。
目の焦点が合わないのは脳の病気の可能性もある|めまいや麻痺があるなら注意
目の焦点が合わない原因としては、加齢による老眼や目を酷使することでの眼精疲労などが考えられます。そのほかに症状がなく一時的なものなら、生活習慣を見直して、目を休ませるようにしましょう。
また、目の病気が原因の場合や症状が改善されない場合は、眼科での治療も必要です。
一方、めまいや麻痺、激しい頭痛などの症状を伴うときは、脳の病気が原因である可能性も疑われます。脳の病気の中には命に関わるもの、後遺症を残すものもあります。
緊急性が高い場合はすぐに医療機関を受診してください。
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こちらの記事の監修医師
元町マリン眼科
蓮見 由紀子
〇診療科 : 眼科、美容皮膚科、泌尿器科(非常勤・週2回)
【経歴】
2001年 信州大学医学部卒業
2001年 横浜市立市民病院レジデント
2003年 藤沢市立市民病院眼科専修医
2005年 横浜市大大学院医学研究科博士課程
2007年 米国国立衛生研究所(NIH)研究員
2014年 横浜南共済病院、あおと眼科勤務
2016年 蒼風会追浜駅前眼科院長
2020年 元町マリン眼科 開院
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