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最終更新日:2021年8月24日

緑内障の症状を解説!緑内障になりやすい人は?緑内障の予防のために日常生活で気をつけたいこともご紹介

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

緑内障は悪化するまで自覚症状に乏しい病気のため、健康診断で指摘されて驚いたという方も多いかもしれません。

緑内障は最悪の場合失明する恐れがある病気です。

しかし全員が失明するような病気ではなく、適切な管理や治療をすれば進行を遅らせることが可能です。

まずは緑内障の症状を理解したうえでしっかり管理し、安心して日常生活がおくれるようにしていきましょう。

緑内障の症状と特徴

緑内障とは視神経に異常が起こることで視野が狭くなり欠損していく病気です。

徐々に視野が狭くなるため気付きにくく、かなり悪化してから気付くケースも多くあります。

視野が狭くなるといっても、完全に視界から欠損していくというのではなく、ぼやけて見えなくなってくるのが緑内障の特徴です。

眼圧の上昇と視野障害

緑内障の原因の全てではありませんが、主な原因は眼圧の上昇です。

眼圧の上昇により視神経が損傷し、損傷した視神経が担当していた視野の部分が見えにくくなることにより視野障害が発生します。

人間の目には眼圧を調整するために房水という水が循環しており、房水の循環不良が起きると眼圧が上昇してしまいます。

自覚しないうちに病気が進行

緑内障の怖いところは気付かないうちに病気が進行してしまうことです。

緑内障のタイプによっては頭痛や吐き気などの自覚症状があることもありますが、多くは自覚症状がありません。

気付かない原因として、非常にゆっくりと視野が狭くなることがあげられます。

多少の視野の欠損の場合、無意識に反対の目でカバーしてしまうことも多いため自覚症状として現れません。

中高年に多い

緑内障は中高年に多いといわれている疾患です。

その主な理由としては、老化により房水の循環を調整する機能が弱まることが挙げられます。

年齢とともに緑内障の方は増え、40代だと20人に1人、60代だと10人に1人が緑内障だといわれています。

しかし自覚症状に乏しいため受診や治療をしていない方も多く、実際にはもっと多くの緑内障の方がいると考えられています。

もちろん30代以下で緑内障と診断されるケースもありますが、基本的には加齢により増える疾患です。

そのため、緑内障にかかりやすくなるのは40才がひとつの節目と考えられます。

緑内障の分類と原因

緑内障にも様々な種類があり、それぞれ原因が異なります。

また緑内障の多くは眼圧が上昇すると記載しましたが、まれに眼圧が上昇しない「正常圧緑内障」もあるので注意が必要です。

原発緑内障

他に原因のない緑内障のことを原発性緑内障といい、原発性緑内障は「開放隅角緑内障」と、「閉塞隅角緑内障」に分かれます。

開放性隅角緑内障は、房水の出口が少しずつ目詰まりするため、眼圧の上昇も軽度で慢性的に経過します。原発性緑内障の多くがこのタイプです。

10年から15年ほどかけてゆっくり進行するため、気付きにくいという特徴があります。

閉塞隅角緑内障は房水の出口である隅角が急に閉塞するため、急激に眼圧が上昇することもあり、短期間で失明に至ることもあります。

眼圧の上昇により、頭痛や吐き気などいわゆる「緑内障発作」を起こすのもこの閉塞性隅角緑内障です。

先天緑内障

視力障害が起きるほど生まれつき眼圧が高い状態のことをいい、「発達緑内障」「牛眼」ともいわれます。

原因は胎生期の隅角の形成異常により房水の排出異常が起きているためであり、視神経を守るために早めの治療が重要です。

また先天緑内障には「早発型先天緑内障」「遅発型先天緑内障」があります。

早発型先天緑内障は、生後早い段階で黒目の異常や、まぶしがるなどの症状から気付くことが多いものです。

早期の治療が大切であるため、基本的に手術が選択されます。

遅発型先天緑内障は生まれつき隅角の異常があるものの、10代から20代で発症するケースが多く、まずは薬物療法から開始して経過を見ていきます。

ただし症状が軽度で気付かれにくく、治療が遅れてしまいがちなので注意が必要です。

続発緑内障

緑内障は、眼圧が上昇することにより発症します。

眼圧が上昇する原因が眼の他の疾患、怪我や全身の病気、薬物などの場合、続発性緑内障といいます。

原因となる疾患や薬物は以下のようなものがあります。

・ぶどう膜炎

・糖尿病

・ステロイド剤の使用

この場合は、原因となった疾患や怪我などを治療することが大切です。

正常圧緑内障

緑内障には清浄な眼圧であっても発症する正常圧緑内障という疾患があります。

日本人で一番多いタイプの緑内障です。

名前の通り、正常な眼圧でも緑内障を発症して視神経が障害されて視野が欠損する、いわゆる緑内障の症状が表れる疾患です。

原因ははっきりとしませんが、視神経が耐えられる眼圧が通常より低いこと、視神経の血行不良などが考えられます。

視神経の損傷を起こさないためにも、視神経が耐えられる程度まで眼圧を下げることは重要です。

正常圧緑内障は健康診断では発見されにくく、自覚症状が表れる頃には症状が進行していることが多いので特に注意が必要です。

緑内障になりやすい人

では、どのようなタイプの人が緑内障になりやすいのでしょうか。

緑内障を発症する主な原因として、遺伝・加齢・糖尿病・強度の近視などがあります。

また高血圧・低血圧・片頭痛などの症状がある方は、視神経の血行不良を起こしていることも多く、緑内障を発症する可能性が高くなります。

睡眠時無呼吸症候群の患者さんが通常より10倍も緑内障を発症しやすいことも判明しています。

睡眠時の無呼吸により眼圧と血中の酸素飽和度が低下し、眼への酸素供給も悪くなってしまうことが、緑内障発症に影響していると考えられています。

緑内障の進行

緑内障は基本的に進行がゆっくりであり、気付くのが遅れてしまうことが多い疾患です。

具体的にどのように進行していくのか、見え方の変化などを解説します。

見え方の変化

緑内障の初期は、視野が徐々に狭くなりはじめますが、少しぼやける程度のため老眼や疲れのせいと見過ごしがちです。

視野の狭窄についても、両目で見ると通常この段階では気付きません。

中期になるとさらに視野が狭くなり、視野の中心部もぼやけてきます

ここまで進行してやっと症状を自覚する方が多いです。

しかしこの段階で治療をしても、一度損傷してしまった視神経は回復しないので、元の視野に戻すことはできません。

末期では視界のほとんどがぼやけてしまい、生活に支障がでてきます。

視野が完全に欠損するのではなく、ぼやけて見えなくなるという具合です。

そのため、この段階になってから受診される方も多く、すでに手遅れになっていることがあります。

早期発見の重要性

眼圧の上昇により損傷した視神経は元には戻りません。

そのため視神経を損傷しないように、眼圧をコントロールすることが大切です。

眼圧の上昇は自覚症状があまりないため、定期的に健康診断などで眼圧をチェックしていきましょう。

早期発見をすれば、治療により緑内障の進行を食い止められます。

また正常圧緑内障の場合は、健康診断などではなかなか発見できません。

視野の異常がないか、普段から意識することが大切です。

両目ではなく片目で定期的に視界を確認し、少しでもぼやけるなどの症状があった場合は自己判断せずに受診することをお勧めします。

日常生活にあまり支障がないうちに受診をすれば、少なくとも将来的に失明というリスクを軽減できます。

緑内障の治療

緑内障の治療の目的は、症状を悪化させず進行を遅らせて日常生活に影響がない見え方を維持することです。

一度損傷した視神経は元には戻らないため、視神経を損傷しないように眼圧をコントロールすることが治療の中心です。

治療方法は、薬物療法や房水の流れを良くする治療、レーザー治療や眼圧を下げる手術療法があります。

日常生活で気をつけたいこと

緑内障を悪化させないために大切なのは早期発見することです。

日常生活で気を付けたいのが、自分の普段の見え方を知り視野の変化に気付けること、両目ではなく片目ずつ確認することです。

また眼圧が上昇するのを予防するため、頭を下にする体制を長い時間とらないようにしましょう。

房水も水分なので、水分の取り過ぎは眼圧の上昇を招きやすくなり注意が必要です。

危険因子となる疾患の改善

緑内障の危険因子となる疾患には、糖尿病・強度の近視・低血圧・高血圧・片頭痛などがあります。

糖尿病は悪化すると糖尿病性網膜症を引き起こし、新生血管により房水の流れが悪くなり眼圧が上昇します。

そのため糖尿病を治療し、糖尿病性網膜症を起こさないことが大切です。

低血圧・高血圧、片頭痛は血流の悪化が房水の循環不良につながるので、きちんと体の循環を整えることも大切です。

近視は眼球の異常なので、改善は難しいかもしれません。

改善はできなくとも自分のリスクを知り、自己管理に生かしていきましょう。

定期的に眼科を受診

とにかく早期発見が大切なので、健康診断などで定期的に眼圧を見てもらうことが非常に重要です。

自覚症状のないうちに発見され治療を受ければ、緑内障の進行を食い止め寿命を全うするまで視力を保つことができます。

正常圧緑内障などは眼圧があがらず、眼圧検査では発見されにくいのですが、視野の検査は有効です。

自覚症状がないうちに、視野の狭まりに気付くことが出来ます。

自分が緑内障のハイリスク者かどうか理解し、40歳を越えたら定期的に視野の検査も受けて変化がないか確認すると安心です。

眼圧が上がる状況を避ける

眼圧の上昇により視神経にダメージを受けるので、日頃から眼圧を上昇させないことは重要です。

日常生活では水分の取りすぎ、生活リズムの乱れや睡眠不足、運動不足、ストレス、脂っこい食事など、様々なことが眼圧上昇の原因になります。

規則正しい健康的な生活を送るのが一番なのです。

点眼薬や内服薬の副作用はすぐ相談

緑内障の治療には点眼薬内服薬が使われます。

どのような薬にも副作用があり、たとえば緑内障の点眼薬は長期間使い続けることが多いため、角膜を痛めてしまうこともあります。

また喘息の発作を誘発することもあり、喘息の既往歴がある方は注意が必要です。

内服薬の場合は点眼薬よりも副作用が現れやすく、飲み続けていくのは辛いこともあります。

また薬は飲み合わせにも注意が必要です。

高齢になればなるほど何らかの薬を飲んでいることが多く、自分にあった内服薬を探すのが大変という方もいるかもしれません。

緑内障はずっと付き合っていく病気であり、まずは薬で進行を止めるのが大切です。

そのため、自分の生活スタイルや体調と相性の良い薬を探しましょう。

副作用は自己判断せずに専門の医師に相談してください。

不安を感じたら受診を検討しよう

緑内障は早期に発見できればメリットがたくさんあります。

まずは健康診断で眼圧検査視野の検査を検討するのも良いでしょう。

視界が少しぼやける症状がある場合はより不安になってしまうかもしれません。

老眼か疲れか緑内障か、原因がはっきりすれば気持ちもすっきりするでしょう。

受診は少しハードルが高いと感じる方は自己検査で視野の検査ができる方法を調べたり、眼科でも自己検診として冊子が置いてあったりします。

まずは自分でできる範囲から確認してみるのもよいでしょう。

まとめ

緑内障はかなり進行しないと自覚症状があらわれず、早期発見が難しい疾患です。

緑内障を発症して眼圧が上昇すると視神経が損傷し、損傷した視神経は回復しないため、失明のリスクもあります。

しかし進行がゆっくりのため、早期発見・早期治療によって進行を食い止めることができます。

視力に違和感を覚えたら、早めに眼科を受診しましょう。

また日頃の生活習慣を見直し、規則正しい生活を送ることも緑内障の予防に繋がります。

緑内障による失明のリスクを避けるためにも、日頃から予防を心がけましょう。

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こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

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