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最終更新日:2021年12月23日

咽頭がんの初期症状とは?チェックポイントを解説

こちらの記事の監修医師
医療法人瀬尾記念会理事長 瀬尾クリニック
瀬尾 達

のどにできる「咽頭がん」は煙草やお酒の量が多い方に発症しやすいがんです。初期症状が見られないこともありますが、進行すると発声や嚥下に支障をきたすため生活の質が大きく下がってしまいます。そこで今回は咽頭がんの初期症状のチェックポイントや治療法などについて解説します。気になる点がある方は早めに医療機関を受診しましょう。

咽頭がんとは

咽頭がんとは空気や飲食物が通過する咽頭にできるがんのことをいいます。咽頭がんは女性よりも男性に発症しやすく、50~60代から増加する傾向があります。

咽頭がんの種類

出典:国立研究開発法人国立がん研究センター

一般的に「のど」と呼ばれる咽頭は鼻の奥から食道までの部分を指し、上咽頭、中咽頭、下咽頭の3つに分類されます。どの部位にがんが発声するかによって上咽頭がん、中咽頭がん、下咽頭がんに分けられます。

  • 上咽頭がん:上咽頭(鼻の一番奥、鼻と咽頭との境界部分)にできたがん
  • 中咽頭がん:中咽頭(咽頭の管の中間部分)にできたがん
  • 下咽頭がん:下咽頭(咽頭の管の一番下の部分)にできたがん

上咽頭がん・中咽頭がんの頻度は10万人に約1人、下咽頭の頻度は10万人に約2人と言われています。

咽頭がんの原因

咽頭がんのおもな原因は以下のとおりです。

  • 喫煙
  • 飲酒
  • 声の使い過ぎ
  • 大気汚染
  • エプスタイン・バーウイルス(EBV)
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)

原因として最も多いのが喫煙と飲酒で、咽頭がん患者の喫煙率は97~8%に及びます。習慣的に喫煙している人が咽頭がんを発症するまで約40年かかるため、中高年の男性に多く発症します。

エプスタイン・バーウイルス(EBV)は知らないうちに感染することが多く原因ははっきりと分かっていませんが、ヒトパピローマウイルス(HPV)は不特定多数との性行為が原因で感染します。

咽頭がんの初期症状チェックポイント

(画像=チェックリスト/stock adobe.com)

咽頭がんは早期発見・早期治療が最も重要なので、日頃から自分の体に起こる小さな変化を敏感に感じ取ることが大切です。ここでは咽頭がんの初期症状のチェックポイントを紹介しますので、ひとつでも当てはまる方は早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

上咽頭がんの初期症状

上咽頭がんの初期症状としては、以下のような例が挙げられます。

  • 首のしこり
  • 鼻づまり・鼻血・鼻水に血が混ざる
  • 耳が聞こえにくい・つまった感じがする
  • ものが二重に見える・見えにくくなる

上咽頭がんは首のリンパ節に転移しやすいため、初期症状として最も多いのが首のしこりです。上咽頭がんは進行度によってⅠ~Ⅳ期に分類されますが、首にしこりがある場合はⅡ期以上になります。

中咽頭がんの初期症状

中咽頭がんの初期症状としては、以下のような例が挙げられます。

  • 嚥下時(飲み込むこと)の違和感
  • 咽頭痛
  • 頸部リンパ節の腫れ
  • 吐血
  • 口を大きく開けにくい・喋りにくい
  • 舌を動かしにくい
  • 耳の痛み
  • 口の奥・喉・首のしこり
  • 声の変化

さらに進行すると喉の痛みが耐えられないほどになり、呼吸困難など命の危険にさらされる症状も出現してきます。

下咽頭がんの初期症状

下咽頭がんの初期症状としては、以下のような例が挙げられます。

  • 嚥下時の違和感
  • 咽頭痛
  • 頸部リンパ節の腫れ
  • 吐血
  • 口を大きく開けにくい
  • 舌を動かしにくい
  • 耳の痛み
  • 口の奥・喉・首のしこり
  • 声のかすれ

下咽頭がんの初期症状は中咽頭がんほぼ同じです。いずれの咽頭がんも初期症状がない場合もありますが、少しでも気になる症状がある場合は早めに耳鼻咽喉科を受診して早期発見・早期治療につなげましょう。

咽頭がんの治療法

ここでは、咽頭がんの治療法や再発の可能性について解説します。

咽頭がんの治療法はおもに3つ

咽頭がんの治療法はおもに放射線治療、手術、抗がん剤による化学療法の3つあり、病状に合わせて最も適切な治療法が選択されます。

  • 放射線治療:治療のペースは施設によって異なりますが、1週間に5回、6~7週間程度行われるのが一般的です。
  • 手術:小さながんであれば切除のみで治療を終了でき、機能上の問題も発生しにくいと考えられます。しかし、がんが大きければ手術後の欠損部分が大きくなるため、嚥下機能障害や構音障害などの術後後遺症が懸念されます。この場合は医師と相談して化学放射線療法を選択する場合もあります。
  • 抗がん剤治療:抗がん剤治療を行う際は、副作用についてよく理解しておくことが大切です。副作用は使用する抗がん剤によって異なりますが、代表的な例としては悪心や嘔吐、腎機能障害、下痢、食欲不振などが挙げられます。

上咽頭がんの場合はおもに放射線治療が選択されますが、抗がん剤を併用することが大半です。中咽頭癌や下咽頭癌の場合は経口的な手術が選択されることが多いですが、放射線治療を行うケースもあります。

咽頭がんは再発する?

手術や放射線治療で咽頭がんを取り除いても、肉眼では確認できない小さながんが残っていれば再発することがあります。咽頭がんの再発はもともと腫瘍があった周囲の組織に起こることもあれば、離れた部位に起こることもあります。

再発が起こりやすいのは治療終了から3年間なので、咽頭がんがなくなっても定期的に受診して経過観察を続けることが大切です。

また、咽頭がんの再発を予防するためには喫煙や飲酒を避けることが大切です。特にお酒を飲むと顔が赤くなる方や若い頃に飲酒で顔が赤くなった方は、飲酒によって咽頭がんが発生しやすいので注意しましょう。

咽頭癌の生存率

(画像=IV drip chamber, IV tubing, and IV bag of solution with copyspace./stock adobe.com)

がんの予後を測る指標としては5年生存率が用いられますが、咽頭がんの生存率は以下のとおりです。

また、咽頭がんの再発を予防するためには喫煙や飲酒を避けることが大切です。特にお酒を飲むと顔が赤くなる方や若い頃に飲酒で顔が赤くなった方は、飲酒によって咽頭がんが発生しやすいので注意しましょう。

咽頭癌の生存率

がんの予後を測る指標としては5年生存率が用いられますが、咽頭がんの生存率は以下のとおりです。

参考:がん研有明病院

咽頭がんの生存率は進行度だけでなく治療法や患者の合併表などの状態によっても異なるため、上記の値はひとつの目安として用いられます。

咽頭がんの初期症状があればすぐに医療機関の受診を

咽頭がんの初期症状は無症状であることも多いですが、喉や鼻、耳の違和感や首のしこりが生じるケースもあります。一度咽頭がんを発症すれば自然に治ることはないため、できるだけ早い段階で手術や放射線治療、抗がん剤治療などを行うことが重要です。

早期に治療を開始すれば根治できる可能性が高まり、体への負担も最小限に抑えられます。

今回紹介したセルフチェックで少しでも気になる症状があれば、後回しにせず早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

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こちらの記事の監修医師

医療法人瀬尾記念会理事長 瀬尾クリニック

瀬尾 達

〇医師名:瀬尾 達
〇クリニック名:医療法人瀬尾記念会理事長 瀬尾クリニック
〇アクセス:兵庫県尼崎市七松町1-2-1-302 フェスタ立花北館3F
【診療科目】
耳鼻咽喉科

【学歴】
大阪星光学院高校 卒業
兵庫医科大学医学部 卒業
京都大学医学部大学院 修了



【職歴および資格】
日本耳鼻咽喉科学会 専門医 
厚生労働省指定臨床研修医療機関 指導医
京都大学 医学部 講師
兵庫医科大学 講師
大阪歯科大学 講師
京都大学医学部大学院 専門職学位
兵庫県立大学 講師
兵庫県立総合衛生学院 講師
身体障害者福祉法 指定医
日本耳鼻咽喉科学会認定 難聴担当医
兵庫県 指定難病医療機関
兵庫県立尼崎総合医療センター 研修管理委員

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