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最終更新日:2021年8月24日

膀胱炎の症状について解説!女性の患者が多い理由は?膀胱炎の治療法や予防法もあわせてご紹介します!

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

膀胱炎は膀胱の粘膜に細菌が付着し、炎症を起こす病気です。

男性に比べ女性の尿道は短く細菌が膀胱まで到達しやすいため、圧倒的に女性患者が多いことが知られています。

膀胱炎の兆候が見られたら膀胱炎の症状や治療法、そして予防法をしっかりと把握して対処するようにしましょう。

膀胱炎の主な症状

膀胱炎の症状にはいくつかの特徴があります。

次のような症状が出たら膀胱炎の可能性が高いので、早めに受診することが大切です。

トイレの数が増える

膀胱炎になるとトイレへ行く回数が増えます。

尿意を感じる頻度が通常より早いと気付いたら膀胱炎の可能性を疑いましょう。

尿意の間隔は30分から1時間になることが多く、ひどいときには10分くらいの間隔になることもあります。

また1度に出る尿量が少なく、排尿後もすっきりしない残尿感があるのも特徴です。

排尿時に痛みを感じる

膀胱炎の代表的な症状は排尿時に感じる痛みです。

排尿時に膀胱が急激に収縮することで炎症部分が刺激されるため起こります。

痛みは下腹部や尿道口に起きるもので、排尿中よりも排尿終了間際に感じることが多いのが特徴です。

最初は軽度の痛みでも、膀胱炎が悪化すると徐々に痛みも増します。

排尿時に強い痛みを感じる場合は、速やかに医師の治療を受けるようにしましょう。

尿が白濁色になる

膀胱炎になると、尿が濁り白濁色になります。

これは膀胱炎を引き起こす細菌と戦うために集まった白血球や、膀胱の炎症を起こした部分からはがれた粘膜や分泌液が尿に混ざるためです。

人によってはどろどろとした膿のような尿になったり、悪臭を伴ったりする場合もあります。

しかし尿が白濁色になっていても膀胱炎の自覚症状がない人は気づきにくいです。

病院で健康診断をしたときに顕微鏡で検査をしてはじめてわかることもあります。

血尿がでる

膀胱炎になると、尿に血が混じることがあります。

この症状は、膀胱の粘膜が細菌によって傷つけられたために起きるものです。

血尿は排尿時の始めから終わりまで均一の濃さではなく、膀胱が空になる最後に濃く出ます。

これを排尿終末時血尿といい、出血を伴う膀胱炎のことを出血性膀胱炎といいます。

尿に血が混入した場合は、直ちに医療機関を受診してください。

膀胱炎の種類

膀胱炎には急性膀胱炎(急性単純性膀胱炎)と呼ばれる一般的な膀胱炎のほかにも、いくつかの種類があります。

膀胱炎の種類について確認しておきましょう。

急性膀胱炎

急性膀胱炎は急性単純性膀胱炎とも呼ばれ、一般的な膀胱炎を指します。

細菌が膀胱の中に入り込んで繁殖することで膀胱の粘膜が炎症を起こし、発症するのが急性膀胱炎です。

急性膀胱炎は細菌感染であり、何かの病気が原因で起きるわけではありません。

急性膀胱炎の70~80%はグラム陰性桿(かん)菌の大腸菌が膀胱に入り込み炎症を起こすのが原因です。

その他にもプロテウス菌・肺炎桿菌・腸球菌などが膀胱炎の原因といわれています。

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎は原因不明の膀胱の痛みを伴い、非細菌性萎縮性膀胱炎とも呼ばれます。

膀胱壁にある粘膜から筋層に炎症が起こることで組織が固くなり、膀胱が萎縮することで発症する膀胱炎です。

大きく分けるとハンナ型と非ハンナ型があり、ハンナ型は膀胱内に毛細血管を次ぐ特有の発赤粘膜(ハンナ病変)が現れます。

また非ハンナ型はハンナ型のような症状は見られず、膀胱が膨らむことで点状の出血が起きるのが特徴です。

主な症状としては以下があげられます。

・膀胱の痛みや不快感

・排尿の回数の増加(頻尿)

・強い尿意を感じる(尿意亢進)

・尿意のがまんができなくなる(尿意切迫感)

間質性膀胱炎は人口の約1%に見られる症状で、重症になると膀胱だけでなく下腹部全体、尿道にも痛みを感じることがあります。

原因不明ではありますが、膀胱の粘膜を覆っている細胞の機能障害や免疫系の異常ではないかと考える医者が多いです。

出血性膀胱炎

出血性膀胱炎は排尿時に出血がある膀胱炎です。

ウイルス・細菌・放射線・薬剤などが原因で膀胱が炎症を起こすことで発症します。

原因薬剤としては抗がん薬・免疫抑制薬・抗アレルギー薬・抗菌薬・漢方薬などで発症することもあるため注意が必要です。

・排尿時に血尿がみられる

・排尿時に痛みが伴う

・排尿回数の増加

上記の症状がある場合には、必ず医師に相談しましょう。

複雑性膀胱炎

複雑性膀胱炎は、基礎疾患が原因で慢性的に尿に膿や細菌が混入した状態が続く膀胱炎です。

原因の基礎疾患には「前立腺肥大症」「神経因性膀胱」「膀胱結石」などがあります。

上記基礎疾患がある場合、カテーテルの使用で排尿効率が悪くなったり、尿による膀胱の洗浄ができなくなったりします。

糖尿病やステロイド剤の長期服用によって体の感染防御機能が低下することも感染の原因です。

複雑性膀胱炎の場合、自覚症状がないこともあるため十分に注意しましょう。

女性に膀胱炎が多い理由

一般的な膀胱炎である急性膀胱炎は、男性よりも女性の方が多くかかりやすい病気です。

女性の20代から40代の女性に多く発症しますが、閉経後の女性ホルモン低下時にも発症しやすく、50代や70代でも多く見られます。

女性に膀胱炎が多い理由について、以下の項目を参考に確認しましょう。

体の構造

女性に膀胱炎が多い理由には、体の構造が関係しています。

膀胱炎の原因となっている腸内細菌は大腸や直腸に存在する菌なので、肛門やその周りには必ず存在しています。

女性は尿道口のそばに膣や肛門があるため、男性と比べると細菌が尿道に入りやすい体の構造といえるでしょう。

さらに女性の尿道は男性の1/4ほどの長さしかないため、細菌が膀胱に入り込みやすくなっています。

また性交によって細菌が膣内に入りやすく、膣内で繁殖した菌が尿道口から膀胱へと入り込むことも原因の1つです。

体の機能

女性に膀胱炎が多い理由は、女性の体の機能とも関係性が高いです。

女性の体の代表的な機能として「生理」があげられます。

生理中は尿道口の周辺に経血がついているため雑菌が繁殖しやすく、尿道を通って膀胱に菌が入り込みやすい環境です。

また生理中は免疫力が低下しているので、菌の感染から身を守る力も低下し、膀胱炎に感染しやすくなります。

「妊娠」も女性に膀胱炎が多い理由といえるでしょう。

女性は妊娠することでも免疫力が低下したり、おりものが増えたりします。

その結果細菌が繁殖しやすくなり、膀胱に菌が入り込むことで膀胱炎を引き起こすのです。

生活習慣

女性に膀胱炎が多い理由は生活習慣も関係しているといえるでしょう。

普段から水分をあまり取らない人や、排尿を我慢しすぎる人は膀胱炎を引き起こしやすいです。

上記以外にも下痢や便秘・性行為・体の冷えなどが原因で膀胱炎となる人もいます。

女性は男性に比べて体質的に膀胱炎を起こしやすいため、生活習慣には十分な注意が必要です。

下痢や便秘は肛門付近に菌が繁殖しやすいことから、膀胱炎につながる可能性が高まります。

性行為も膣に菌が繁殖し膀胱炎の原因となるため、膣内が清潔に保たれるよう気をつけましょう。

過度なダイエットをしている人はホルモンバランスの乱れによる免疫力の低下から、膀胱炎に感染することもあります。

トイレのウォシュレット使用にも注意が必要です。

ウォシュレットの使いすぎから膣の自浄作用が低下し、膀胱炎を引き起こす場合もあります。

膀胱炎になりやすい人の特徴

膀胱炎になりやすい人にはいくつかの特徴があります。

・尿意を我慢する傾向がある

・1日の水分摂取量が少ない

・体が冷えやすい

・おりものの量が多く、匂いも強い

上記にあてはまる人は膀胱炎を引き起こす可能性が高い人です。

特におりものに異常がある人は膀胱炎だけでなく細菌性膣炎の可能性もあるので注意が必要です。

膀胱炎の治療をして治ったとしても、膣内のおりものに細菌が付着したままであれば膀胱炎の再発につながります。

上記の特徴に当てはまる人は、膀胱炎を引き起こさないよう予防を心がけましょう。

膀胱炎の主な治療法

膀胱炎は種類によって治療方法も様々です。

膀胱炎の種類別に治療法について確認しましょう。

急性膀胱炎

急性膀胱炎の場合は抗生物質を服用することで3日から1週間で症状が治まります。

初期段階の症状であれば、水分補給や腹部を温めることで自然治癒することもあるでしょう。

膀胱炎は膀胱内に細菌が繁殖することで発症するため、細菌を死滅させることができる抗生物質はとても効果の高い治療方法です。

抗生物質を服用することで症状はすぐに改善されますが、症状がなくても医師の処方どおりに薬を服用しましょう。

少しでも菌が残っていると再発の恐れもあるため、処方された薬を最後まで飲み切ることが大切です。

最近では多剤耐性菌の問題から治療が長引くこともあるので、生活習慣の改善や膀胱炎予防も心がけましょう。

間質性膀胱炎

間質性膀胱炎は細菌による膀胱炎ではないため、抗生物質を服用しても治りません。

原因不明で効果的治療法がまだ開発されておらず、症状を緩和することを目的とした治療が行われています。

ただ、間質性膀胱炎の中でもハンナ型の膀胱炎は、内視鏡によってハンナ病変を電気で焼くことで症状が緩和されます。

2015年には重症のハンナ型間質性膀胱炎が難病に指定され、医療費助成を受けることができるようになりました。

また間質性膀胱炎の治療では膀胱の中に薬を投入する方法や、鎮痛剤・神経の興奮を抑える薬・抗うつ薬を使用する治療方法もあります。

薬で効果が得られないときは、膀胱の中に水を注入することで水圧によって膀胱を広げる手術も可能です。

膀胱内にヘパリン・DMSO(ジメチルスルホシド)・ステロイドなどの薬物を注入する治療では、多くの方に症状の改善がみられます。

ただ半年から1年ほど経つと再発することが多いため、経過観察をしながら根気よく治療することが大切です。

出血性膀胱炎

出血性膀胱炎はウイルス・細菌・放射線・薬剤などが原因です。

そのためウイルス・細菌が原因である場合には、抗生物質を服用することで治ることが多いです。

とくに持病がなく尿に血が混じっているときは軽症のケースが多いので、薬の服用により3日から1週間ほどで治ります。

薬剤が原因の場合には、薬や治療方法を見直すことで自然に治ることが多いです。

しかし出血がひどい場合は内視鏡を使って、膀胱の血が出でいる部分を焼いて止血をすることもあります。

子どもの尿に血が混じっているときはアデノウイルスが原因で抗生物質が効かないこともあるで、早めに医師の診察を受けましょう。

複雑性膀胱炎

複雑性膀胱炎は、基礎疾患が原因で排尿しづらくなることが原因です。

そのため基礎疾患を治すことが複雑性膀胱炎の治療につながります。

また複数の細菌による複雑性膀胱炎の場合には「経口ニューキノロン系抗菌薬」や「セフェム系抗生剤」といった薬を使います。

1週間から2週間ほど服用して効果を見ながら治療することが一般的です。

基礎疾患が原因の場合は、かかりつけの医師に相談しながら治療をしましょう。

膀胱炎を予防する方法

急性膀胱炎は膀胱内の細菌が繁殖しないようにすることで予防できます。

膀胱炎を予防方法について確認しましょう。

膀胱内に菌を入れない

膀胱炎を予防するためには、膀胱内の炎症の原因となる菌の侵入を防ぐことが大切です。

尿道付近に菌が付着しないよう気をつけましょう。

日々の入浴や下着交換を徹底し、常に尿道付近を清潔に保つ事が大切です。

生理中のナプキンやおりものシートの交換はなるべく3時間以内に行うようにしましょう。

また便秘予防として、普段から水分補給を十分に行うようにしてください。

排便時には肛門から尿道口にむけて拭くのではなく尿道口から肛門へ、前から後ろへ拭くように心がけることも大切です。

膀胱内で菌を増やさない

膀胱内で菌を増やさないようにするためには、普段から水分をこまめに摂るようにして、トイレに行く回数を増やすことが大切です。

水分といっても過度のアルコールや炭酸飲料は膀胱炎に悪影響なので控えましょう。

また排尿をがまんすると尿が膀胱に長時間とどまることになり、菌が繁殖しやすくなります。

そのため尿意をがまんしないようにすることも大切です。

外出をする前に排尿を済ませる習慣もつけましょう。

体の抵抗力を落とさない

膀胱炎は過労やストレス、過度のダイエットにより免疫力が下がることでも発症しやすくなります。

そのため普段から充分な栄養を摂り、ストレスを溜めないことが大切です。

また体が冷えることでも免疫力は低下しますので、常に体を冷やさない努力をしましょう。

症状がひどい場合は直ちに病院へ

急性膀胱炎は女性には多い病気で、すぐに治るものがほとんどです。

しかし発熱や腰痛などを伴う場合は腎臓の腎盂にまで感染が広がる腎盂腎炎になっている可能性もあります。

尿に血が混じり、出血がなかなか治まらない場合には膀胱がんの可能性も疑いましょう。

そのため下腹部の不快感や強い痛みがある場合は、直ちに病院を受診することが必要です。

まとめ

急性膀胱炎は排尿時の痛みや頻尿など、日常生活に支障をきたすこともあります。

女性によくある病気ですが、繰り返さないためには早期発見と早期治療が大切です。

またそのほかの膀胱炎についても早めに症状に気づくことで、正しい処置を開始することができます。

膀胱炎になりにくくするには、まず生活習慣を整えることを意識しましょう。

膀胱炎の種類や症状をしっかりと把握して、適切な処置ができるようにすることも大切です。

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こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

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