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最終更新日:2021年8月24日

梅毒の症状について解説!梅毒の感染は急増している?梅毒の予防方法や早期発見のポイントもご紹介します

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が原因の性感染症です。

感染すると梅毒第1期から梅毒第4期の経過を辿って全身に症状が出現します。

近年、様々な要因から梅毒の感染が急増しているため、正しい知識を身に付けて予防に当たらなければなりません。

今回の記事では梅毒の予防方法や早期発見のポイントをご紹介します。

梅毒の症状

梅毒の症状は感染部位に潰瘍やしこりができたりリンパ節に腫れが起きたりと実に様々です。

しかも感染のステージによって症状はいっそう多様なものとなります。

各ステージにおける主な症状についてご紹介しましょう。

梅毒第1期(感染~3ケ月)

梅毒第1期には性器や肛門、唇などに初期硬結というしこりができます。しこりの多くは痛くも痒くもありません。

男性の場合は亀頭・陰茎・冠状溝といった性器周辺の皮膚に、女性では膣内・大陰唇・小陰唇周辺の皮膚に多く発生します。

その後、初期硬結部位を中心に軸硬性下疳と呼ばれる潰瘍が発生します。

しこりは痛みや痒みを伴わないため、感染に気が付かないことも少なくありません。

またしこりの存在に気が付いていても、放っておくと自然に消えるので治ったと勘違いしてしまうこともあります。

しかし多くの場合、症状が消えても梅毒が治癒したわけではありません。

梅毒トレポネーマは依然として血液の中に存在しており、症状は梅毒の第2期へと進行していきます。

梅毒第2期(3ケ月~3年)

梅毒第2期は、発熱・倦怠感・頭痛・リンパ腺の腫れ・のどの痛み・筋肉痛といった多くの症状が全身に渡って発生します。

その他、以下のような特徴的な症状も現れます。

梅毒性のバラ発疹

梅毒性脱毛

梅毒性粘膜発疹

扁平コンジローマ

これらの症状も第1期梅毒段階と同じように自然に症状が消える場合がありますが、治ったわけではありません。

梅毒の発見と治療はこの第1期梅毒段階から第2梅毒段階の間に行われることがほとんどです。

治療を行わず放置していた場合、症状は梅毒第3期の段階に進行します。

梅毒第3期(3年~10年)

梅毒第3期の段階に進むと、皮膚だけではなく骨や筋肉など色々な臓器にも硬いしこりとゴム腫ができます。

ゴム腫は組織を破壊する恐ろしい腫瘍です。壊されやすい鼻骨やその周辺にゴム腫が形作られると最悪の場合鼻を失いかねません。

梅毒第4期(10年~)

梅毒第4期の段階に進むと心臓の血管や中枢神経が侵されます。

大動脈瘤・大動脈破裂・神経障害といった恐ろしい症状が引き起こされ、最悪の場合は死に至ります。

治療法が確立される前は、一度梅毒に感染すると完治せずに死亡するとされていました。

現代では早期発見・早期治療を行うことで死亡のリスクを回避できます。

梅毒の原因

この項目では梅毒の原因および感染ルートについて再確認します。

以下で紹介するようなリスクの高い行為を避け、感染ルートにも十分に注意しましょう。

感染しない、感染させないという意識が重要です。

感染の可能性が高い行為

梅毒に感染する可能性が高い行為として性行為(セックス・オーラルセックス・アナルセックス)が挙げられます。

これらの性行為の際、皮膚・粘膜や傷口から梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマが体内に侵入することで感染するのです。

梅毒トレポネーマは梅毒感染者の血液や精液、膣分泌液などにも存在しており、決して病変部だけにいるわけではありません。

唾液に梅毒トレポネーマが含まれている場合もあり、口に病変がなくてもキスをしただけで感染することがあります。

感染ルート

梅毒の感染ルートは血液感染・性行為感染・母子感染という3つのルートに大別できます。

血液感染は梅毒感染者から臓器提供・輸血を受けた時や、傷と傷が接触した時に感染するものです。

セックス・オーラルセックス・アナルセックスなどによる性行為感染が最も感染リスクが高いことにはすでに触れました。

母子感染で赤ちゃんが発症する梅毒は先天梅毒と呼ばれます。

この先天梅毒は妊婦健診によって防ぐことが可能です。妊婦の方は必ず妊婦健診を受けましょう。

梅毒の感染は急増している

梅毒感染者の数は近年急増しています

背景にあるのは国際化の進展による諸外国との往来の増加です。

海外からの渡航者が日本国内で風俗店に足を運ぶことは梅毒感染の大きな要因の1つとして無視できません。

またSNSを利用する人が増えたことも梅毒の感染を助長しているといわれます。

面識のない者同士や知り合って間もない者同士で性行為に及ぶことは梅毒に感染するリスクが非常に高いといえます。

梅毒の検査と診断

身体に症状が現れて梅毒の感染を疑ったら病院を受診します。

そこでは具体的にどのような検査を受け、診断を下されることになるのでしょうか。

この項目では梅毒の検査を受けることができる医療施設やそこでの検査方法についてご紹介します。

検査と受け入れる場所

総合病院や専門病院に来院する前にまず当該病院施設のWebサイトを確認し、Web問診があれば利用しましょう。

Web問診を受けておくことによって診察がよりスムーズになります。

来院して直に症状を伝え診察を受けることが一番ですが、場合によってはオンライン診療で対応することもあります。

男性の場合は皮膚科・性病科・泌尿器科、女性の場合は皮膚科・性病科・婦人科を受診してください。

どのような検査をするのか

梅毒には感染の機会から1ヶ月程度、たとえ感染していても検査で陰性となる可能性が高い期間「ウインドウピリオド」があります。

正確な検査結果を得るためには少なくとも3~4週間程度の猶予を置かなくてはなりません。

その後可能となる梅毒の検査方法にはTP抗体検査とRPR抗体定量検査の二つがあります。

TP抗体検査は梅毒に感染した時期から2ヶ月以上経つと可能になる検査です。

約2mlの血液を採取して調べ、結果が判明するまでに15分程度待たなければなりません。

RPR抗体定量検査は梅毒の精密検査です。陰性・陽性という検査結果だけではなく、数値による詳細な検査結果が得られます。

およそ6mlの血液を採取することになり、検査の結果が判明するのは翌日以降となります。

感染直後は検査に反映されていないので注意

梅毒トレポネーマには感染後3~6週間程度の潜伏期間があるため、感染直後は検査結果に反映されません。

しかもその間に臨床症状が快方に向かう場合があるため、治療開始が遅れてしまう場合があります。

正しい検査結果を得るためにはこの「ウインドウピリオド」と呼ばれる期間が過ぎてから検査を行う必要があります。

また一時的に症状が回復したとしても梅毒感染の疑いを捨てず、入念に検査を行いましょう。

梅毒の治療

梅毒の抗体検査をして陽性が出た人には2週間から3ヶ月間にわたってペニシリン系の抗生物質を処方します。

服用期間は検査結果や体質を考慮して医師が判断します。

梅毒感染者がペニシリン・アレルギーだった時は一般的なペニシリン系の抗生物質を処方することができません。

その場合は他の薬を処方することになります。

梅毒の予防方法と治療後の注意

梅毒の感染を防ぐために重要なのはコンドームを正しく使うことです。

一度のセックスで梅毒に感染する割合は20%程度ですが、これは決して低い数値ではありません。

オーラルセックスやアナルセックスの場合もリスクの高さは同じです。必要に応じた適切なコンドームの使用を心がけましょう。

当然のことながら、不特定多数の相手と性行為におよぶことも避けた方が賢明です。

また一度梅毒に感染し、服薬で治癒したとしても、パートナーに感染させてしまうリスクが0ではないことは忘れないでください。

梅毒の早期発見のポイント

潜伏期間がある梅毒への感染を早期に発見し、治療を始めるにはどのようにすれば良いのでしょうか。

この項目では梅毒の早期発見のポイントについてご紹介します。

梅毒は感染初期の症状が乏しい

梅毒の原因菌である梅毒トレポネーマは感染すると3~6週間程度の潜伏期間に入ります。

この間は症状に乏しく、何か症状が発現したとしても2〜3週間で消えてしまうことが少なくありません。

これを自然治癒と勘違いすると感染の発見が遅れ、さらなる病状の悪化を招く危険があります。

梅毒の諸症状をよく理解して自分の身体に現れた症状と比較し、疑わしい場合は感染の可能性を念頭に置いて行動してください。

感染から3週間ほど経つと、感染した身体の箇所に小豆くらいのサイズのしこりができます。これが梅毒感染のサインです。

その後しばらく経つとしこりの中心部が硬く盛り上がります。また痛みを伴わないリンパ節の腫れも起こります。

こうしたサインを発見したらただちに医療機関を受診しましょう。

リスクのある出来事があったら検査を受けることが大事

潜伏期間のこともあり、梅毒は医師による正確な診断が難しい性病・性感染症の1つです。

そのためリスクの高い出来事があったら自分から進んで検査を受ける姿勢が大事です。

またそうした感染リスクの高い行為に進んで及ばないこと、性行為の際は必ずコンドームを利用することも忘れないでください。

セックスをしないことが一番安全で確実ですが、難しい場合はセックスの相手を限定することで感染のリスクを減らせます。

梅毒への感染は恥ずかしいことではありません。受診をためらっているうちに症状を悪化させないよう気を付けましょう。

まとめ

社会のグローバル化が国家間の人の行き来を盛んにした結果、梅毒をはじめとする性病・性感染症にかかる人は急増しています。

梅毒への感染は特に若い女性の間で広まっており、これは危機感と正しい情報の迅速な共有が求められる大きな社会問題です。

何度か触れた通り、梅毒には感染の機会から1ヶ月程度の潜伏期間があります。

正しい検査結果はそれからでなければ得られません。

もしもリスクが高い出来事があった時は、1ヶ月以上経過してから医療機関を受診してください。

またその間も自分の身体に起きる変化を注視し、梅毒感染のサインを見逃さないようにしてください。

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こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。

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