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最終更新日:2022年2月25日

うちの子、もしかして発達障害?…専門医が病院受診をすすめる「3つの言動」

こちらの記事の監修医師
東邦大学医療センター大橋病院/東京都大田区六郷こどもクリニック
大岡 美奈子

※画像はイメージです/PIXTA

厚生労働省は、発達障害を「生まれつきみられる脳の働き方の違いにより、幼児のうちから行動面や情緒面に特徴がある状態」と定義していますが、精神科医の大岡美奈子氏は、この症状は「誰にでも当てはまる可能性がある」といいます。では、わが子が「どのような言動」をとったとき、病院受診を検討すべきでしょうか。具体的な3つの例をみていきましょう。

もしかして発達障害かも…病院受診を検討するタイミング

一般的に発達障害の特性といわれる症状は、「誰にでも当てはまる可能性」があります。また、発達障害は「治療」以外にも色々な解決策があるのですが、わが子の発達障害を疑ったとき、どのようなタイミングで病院受診を検討すべきでしょうか。

1.自分や他人に暴力をふるってしまう

出だしから深刻な内容ですが、避けては通れない大事なお話です。

発達障害を抱えたお子さんや、その傾向のあるお子さんでは、気持ちの切り替えが不得手で、自分の失敗を長く引きずったり、他人から受けた嫌な言動をいつまでも水に流すことができずに悶々としていることがあります。

その結果、他人に言葉や態度を荒げてしまったり、自分を傷つけてしまうような行動を取るお子さんもいらっしゃいます。本人目線で捉えると、あくまでも被害を受けた結果の行動なのですが、他者からみると「暴力」と映ってしまいます。

誰だって負けたら悔しいし、ときには腹立ちが治らずに行動が荒っぽくなることはあるでしょうが、あまりにも怒りの爆発の頻度が多すぎたり程度が大きすぎたりして、本人や家族、周囲の人々の生活に支障が生じている場合は、病院を受診するのも一案です。

発達障害に起因した情動不安や興奮状態を落ち着かせるような効果のあるお薬がいくつかありますので、何度も繰り返して自分も周囲も深く傷つけてしまう前に、一時的にでもそうしたお薬を利用してみることが解決につながる場合もあります。

お薬を使わない場合でも、家庭や学校のなかで話しあってうまくいかないときは、「日常とはちょっと離れた場所」である病院で、医師も交えて現状の整理をし、対処法を話しあうだけでも、いままでとはちょっと違った見方で物事を捉えることができるかもしれません。

2.身の危険を振り返らない衝動行為

いきなり道路に飛び出す、まったく知らない他人にもついていってしまう、というような、事故や事件などに巻き込まれてしまいそうな行動をとることが何度もあるような場合は、受診を考えたほうがいいでしょう。

発達障害のなかでも「注意欠如多動性障害(ADHD)」という疾患を抱えるお子さんで、特に多動性・衝動性の強いタイプに起こり得る行動です。

ADHDのお子さんの多動・衝動性は、未治療でも年齢を重ねていくごとに自然と軽快していくことが知られていますし、療育やサポート教室が奏功して落ち着いてくるお子さんも多くおられますが、命の危険に関わるような危険な行為が一度ならずあるようであれば、服薬治療も視野に入れてよいでしょう。

現在日本で承認されているADHDの薬剤は4種類あります。服薬可能な年齢はいずれも6歳以上となりますが、医師の判断と保護者の了解のもとでもう少し早い年齢から処方する場合もあります。

一般的にADHDの薬は患者さんや親御さんの満足度が高い印象がありますが、お子さんによっては副作用が出る場合もありますので、相談しながら慎重にお薬を決めていきます。

3.不安感、抑うつ気分がある

発達障害を抱えるお子さんは、もともと自分の気持ちや行動をうまく説明するのが苦手なうえ、どちらかというと他者の言動を被害的に捉えがちな傾向もあるので、学校や職場でコミュニケーション・エラーが生じてしまうこともあります。

こうしたことが続くと、次第に自分の行動に自信がもてなくなったり、相手の反応を恐れて他者と関わることを避けたり、普段からなんとなく気分が落ち込んだりすることがあります。発達障害を背景としたコミュニケーション・エラーに起因しての不安感・抑うつ感ですので、「二次障害」と呼ぶこともあります。

大人であれば抗うつ薬や抗不安薬による治療が一般的ですが、少なくとも学童期や10代前半のお子さんに対しては、薬物療法は第1選択ではありません。

特別な事情(宿泊体験、久しぶりの登校など)のときの「お守り」としてとん服(毎日ではなく症状があるときだけ飲むお薬)を処方したりすることはありますが、できる限り環境調整によって、よりストレスのない状況に持っていけないかを、親御さんと一緒に知恵を絞って考えます。

場合によっては、「意見書」として学校の先生にお手紙を差し上げることもあります。本人に気持ちの余裕ができてきたら、困っている状況、うまくいかなかった状況を言葉にして状況を整理し、対処法を考えるお手伝いをすることもあります。

わが子からの「サイン」があれば、一度受診検討を

以上、病院への受診を考えた方がいい場合を3点記しました。

上記の他にも、眠れなかったり、食欲が落ちていたり、爪や髪をむしってしまったり、頭痛や腹痛など身体症状を伴ったりなど(先に内科や小児科への受診をおすすめすることがあります)、ストレス対処がうまくいっていないサインがあれば、受診を検討してもよいかと思います。

「病院に行くとすぐに薬を出されてしまう」とお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。

病院では、再診として確保できる時間が限られているため、いわゆる「カウンセリング」を提供することは難しいのですが、お薬の提案も、お薬以外の解決法も、しっかりと説明して納得いただいたうえで開始して参ります。

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こちらの記事の監修医師

東邦大学医療センター大橋病院/東京都大田区六郷こどもクリニック

大岡 美奈子

精神科専門医/子どものこころ専門医
1972年生まれ。平成8年に武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン科を卒業し、翌年渡米。ニューヨーク大学大学院教育学部に入学し非言語的精神療法のひとつである芸術療法を専攻、平成13年心理学部に編入し平成14年5月に修士取得。同年滋賀医科大学医学部医学科に学士編入学。平成19年4月より東京大学医学部附属病院にて初期研修を開始し、出産/育児を経て、平成25年より東邦大学精神神経科入局、平成30年より同講座助教を務め、現在東邦大学医療センター大橋病院心の診療科医局長、東京都大田区六郷こどもクリニックにて子どものこころ外来を担当。精神科全般に精通しているが、特に児童思春期を専門とし、主にデザインやアートと医療の融合を研究テーマとしている。

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