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最終更新日:2023年3月5日

新生児のしゃっくりが多い原因は?対処法と考えられる病気

こちらの記事の監修医師
にじいろこどもクリニック
髙畠 和章

(画像=stock adobe.com)

しゃっくりは大人にも子どもにもよく起こります。しかし、新生児が頻繁にしゃっくりをし
ていると「ほっといても大丈夫?」「苦しくないのかな?」と心配になってしまいますよね
。そこで今回は新生児のしゃっくりが多い原因と止め方、考えられる病気などについて解説
します。

新生児のしゃっくりが多い原因

しゃっくりは医学用語では「吃逆(きつぎゃく)」と呼ばれ、肺とお腹を隔てる横隔膜が何らかの刺激によってけいれんすることで起こる症状です。横隔膜のけいれんに伴い声帯が急激に閉じることで「ヒック」という甲高い音が生じます。

新生児は臓器や神経の発達が未熟なため、大人に比べてしゃっくりが出やすい傾向がありますが、成長とともに頻度は減っていきます。

そのほか、新生児にしゃっくりが多い原因は以下のとおりです。

授乳によって横隔膜が刺激されるから

新生児は授乳後にしゃっくりが出やすくなります。これは新生児が母乳やミルクを飲むと食道や胃が活発に活動します。これが横隔膜への刺激となり、けいれんを起こす原因となります。

もし、授乳中にしゃっくりが出たら、赤ちゃんが落ち着くまで一旦待ちましょう。しゃっくりが止まったら授乳を再開してください。

授乳中に空気も一緒に吸い込んでしまうから

新生児は飲む量を自分でうまく調整できないため、母乳やミルクと一緒に空気も吸い込んでしまいます。その結果胃が大きく膨らんで横隔膜を刺激し、けいれんを起こしてしゃっくりが出ます。

体温調整がうまくいかないから

新生児は自律神経が未発達なので体温調整がうまくいかず、温度変化の影響を受けやすくなっています。そのため、オムツが濡れると体全体が冷えて横隔膜の刺激につながり、しゃっくりが出やすくなります。

しゃっくりを引き起こす病気

新生児はしゃっくりが出やすいですが、多くの場合は自然に止まり心配ありません。しかし、ときには横隔膜を刺激する病気によってしゃっくりが引き起こされているケースもあります。新生児のしゃっくりを引き起こす原因となる病気は以下のような例が挙げられます。

肺炎

肺炎は細菌やウイルス感染による炎症が肺にまで波及してしまう病気です。新生児は免疫力が未熟なため、風邪を悪化させて肺炎を引き起こしてしまうことも珍しくありません。

新生児が肺炎を発症すると横隔膜が刺激されてしゃっくりが出るほか、発熱や体温低下、咳、息切れなどの症状が出ることがあります。新生児の肺炎は、周産期に関連した病原体が原因となっているケースが多いのが特徴です。

呑気症(どんきしょう)

呑気症(どんきしょう)とは空気を大量に飲み込んで胃や腸が膨満してしまう病気です。新生児は母乳やミルクを飲んだり泣きすぎたりして空気を大量に飲み込むため、呑気症になってしまうことがあります。

胃が膨らむと横隔膜が刺激されてしゃっくりがよく出ますが、そのほかにげっぷや嘔吐などを伴うのが特徴です。

髄膜炎(ずいまくえん)・脳炎

細菌やウイルス、真菌などの感染によって髄膜や脳に炎症が生じ、髄膜炎や脳炎を起こすことがあります。新生児は中耳炎や風邪にかかった後に髄膜炎や脳炎を発症することもあり、その結果、しゃっくりや嘔吐、傾眠傾向、けいれんなどの症状を引き起こすことがあります。

新生児は免疫機能が未熟なため、髄膜炎や脳炎を発症すると危険な状態になることもあります。

そのため、しゃっくりのほかに以下のような症状があれば早急に医療機関を受診してください。

  • 嘔吐
  • 発熱
  • ぐったりしている
  • 呼びかけに反応しない
  • 目が合わない
  • 抱っこしても落ち着かず、激しく泣く

てんかん

てんかんとは脳の神経細胞の一部が一時的に過剰に興奮することでけいれんや意識消失などの発作を繰り返す病気です。乳幼児から高齢者まで誰もが発病する可能性があり、新生児ではけいれん発作としてしゃっくりが出ることがあります。

新生児によく見られるてんかんの症状は以下のようなものがあります。

  • 新生児が寝入ったと思ったらピクピク震えている
  • 両手を開いてあわあわしている

ただ、初期はてんかん発作の症状が軽いため、しゃっくりと勘違いして気づかないケースもあるので注意が必要です。

しゃっくりをほっとくのは大丈夫?

臓器の発達が未熟な新生児にとって、しゃっくりが出るのはよくあることです。そのため、新生児がしゃっくりをしても、元気そうであれば何もせずしばらく見守っていても大丈夫です。

新生児を寝かせたままでいいの?

授乳後にしゃっくりが出ている場合はしばらく縦に抱いてあげましょう。なかなか止まらずに寝かせても、ほとんどは自然に止まるので心配ありません。

苦しそう!新生児のしゃっくりを止める方法

新生児はしゃっくりがよく出ますが、5分くらいで止まることもあれば30分以上止まらないこともあります。ただ、合間にしっかり呼吸ができていれば苦しくはないので無理に止める必要はありません。長く続いて気になる場合は以下の方法を試してみましょう。

げっぷをさせる

しゃっくりが長く続いている場合は新生児を縦に抱っこし、前屈姿勢にさせて背中を優しくトントンと叩きましょう。げっぷをさせて胃のふくらみが和らいだら、しゃっくりがとまることがあります。

しゃっくりが出たからといって驚かせたり、うつぶせに寝かせたりする行為は新生児にとって危険なのでやめましょう。

体をあたためる

体が冷えると横隔膜が刺激されてしゃっくりが出やすくなります。オムツが濡れていると体温が奪われるため、濡れた場合はすぐに交換しましょう。

また、温かいタオルで新生児の体を包んだり、体やみぞおちの周辺を手で優しくさすって温めたりすることで、しゃっくりが止まることもあります。

病院を受診すべきケース

新生児のしゃっくりは日常的によくみられる症状なので、基本的には様子をみて大丈夫です。しかし、以下のような場合は思わぬ病気が隠れていることがあるので、病院を受診しましょう。

しゃっくりが長い・ずっと止まらない

新生児のしゃっくりが数日間止まらない場合は逆流性食道炎などの病気が隠れている場合があります。不安な場合は医療機関を受診しましょう。

吐く・食欲がない・ぐったりしている

授乳後にしゃっくりだけでなく嘔吐していたり、呼吸時に「ゼーゼー」という音が聞こえたりする場合には胃食道逆流症の可能性もあります。そのほか、以下のような症状があれば早めに小児科に相談しましょう。

  • いつもより元気がない
  • 吐く回数や量がだんだん増えてきた
  • おしっこの量が少ない
  • 体重が増えない

また、呼吸困難や意識消失など危険な症状が見られる場合はすぐに受診が必要です。全身症状が現れている場合は休日・夜間に関わらず救急外来を受診しましょう。医師に相談する際は、「いつからしゃっくりが出始めたのか」「しゃっくりはどのくらいの時間続くのか」など、できるだけ詳細な症状を説明することが重要です。

新生児のしゃっくりを予防する方法

ここでは、新生児のしゃっくりを予防する方法について紹介します。

食事は適量を与える

新生児は満腹中枢が未発達のため、母乳やミルクを摂取しすぎてしまうことがあります。母乳やミルクを飲みすぎて胃が膨らむと横隔膜が刺激されるので、しゃっくりが出やすくなります。

そのため、しゃっくりが頻繁にみられる場合には、授乳は時間を決めてダラダラと続けないようにし、ミルクはしっかり計測して適量を与えることが大切です。

授乳時に空気を飲み込みすぎないよう工夫する

新生児が授乳時に空気を大量に飲み込むとしゃっくりが出やすいため、できるだけ空気を飲み込ないように工夫してあげましょう。

  • 新生児の口の形や大きさに合う哺乳瓶の乳首を使用する
  • 新生児の口と乳首の間に隙間ができないようにする
  • 哺乳瓶の角度を45度程度傾けて空気が入りにくくする

母乳やミルクはゆっくり与える

新生児が母乳やミルクを一気に飲み込むと、横隔膜が刺激されてしゃっくりが出やすくなります。そのため、飲むペースをできるだけゆっくりになるように工夫しましょう。

  • 母乳の場合:一気にたくさん与えず、適度に休憩を挟んで時間をかけて授乳する
  • ミルクの場合:哺乳瓶の形状や乳首の固さを変えてミルクの出方を調整する

急激な温度変化を避ける

新生児は体温調整がうまくできず呼吸機能も未熟なため、急激な温度変化を感じると横隔膜がけいれんしてしゃっくりが出やすくなります。

そのため、室内では冷房や暖房を微調整して適温を維持するように心がけ、外出時は気温に適した服装で室内と外気の気温差が大きくならないように注意しましょう。

季節ごとの具体的な対策法は以下のとおりです。

【夏の対策】

  • 電灯の真下にベッドを置かない
  • 扇風機は首振りにして2m程度離す
  • 冷房を使用する際は外気温との差が4~5℃以内になるようにする
  • 冷房の風が直接当たらないようにする

【冬の対策】

  • こまめに換気する
  • 暖房の風が直接当たらないようにする
  • 室温20~25℃、湿度50~60%を目安にする
  • 入浴時は入浴前に浴室を暖めておく

新生児はしゃっくりがよく出るもの

新生児は体が未発達でデリケートなので、少しの刺激で横隔膜が刺激されてしゃっくりが出やすくなります。生まれて1~2ヶ月は特にしゃっくりが出やすいですが、多くの場合は2~3ヶ月を過ぎればほとんど出なくなります。

しゃっくりが出るだけなら苦しいこともなく、自然におさまるので基本的には心配ありません。しかし、いつまでもしゃっくりが止まらない、「ぐったりしている」「食欲がない」「吐く」などほかの症状が現れている場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。

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こちらの記事の監修医師

にじいろこどもクリニック

髙畠 和章

【経歴】
2006年3月 岡山大学医学部卒業
東京都立府中病院 小児科 シニアレジデント
東京都立小児総合医療センター 総合診療科、循環器科
町田市民病院 新生児科
公立福生病院 小児科
稲城市立病院 小児科
【資格・所属学会】
日本小児科学会 専門医・指導医
日本小児循環器学会

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