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最終更新日:2021年12月19日

「思春期早発症」思春期が2~3年早く始まると何が問題なのか?

こちらの記事の監修医師
高座渋谷つばさクリニック
武井 智昭 

(画像=PIXTA)

思春期とは、子どもが徐々に大人の体に変化していく過程のことです。ハーフ成人式と呼ばれる10歳頃、女の子は10歳頃から、男の子は12歳頃から二次性徴と呼ばれる体の変化が起き、数年かけて大人の体になります。「思春期早発症」は通常の時期よりも早くに(通常2~3年以上早くに)思春期がはじまってしまう病気です。思春期早発症はどんな病気か、どのような治療か、見ていきましょう。

思春期が2~3年程度早く始まる「思春期早発症」

お子さんが成長をしてきて、ハーフ成人式とよばれる10歳ころになると思春期と呼ばれる時期に入ってきます。

この思春期とは、子どもが心身ともに変化が起きて成人になっていく過程です。男の子は男性らしく、女の子は女性らしく体格や外性器が変化し、同時に身長の伸びが強くなる時期となります。この思春期がどのような体のメカニズムでおきるか、そのきっかけはまだ明確にはなっていませんが、大脳などから分泌される性腺(精巣・卵巣)分泌ホルモンの促進がきっかけとなります。

それが、2~3年程度早く始まってしまうのが、「思春期早発症」です。思春期早発症の主な症状としては、以下の通りです。

<女児の場合>

・7歳6カ月までに乳房の発育を認める

・8歳までに腋毛や陰毛の発毛を認める

・10歳6カ月までに月経を認める

<男児の場合>

・9歳までに精巣の発育を認める

・10歳までに陰毛の発毛を認める

・11歳までにわき毛、ひげが生えて、声変わりがみられる

診断基準としては、上記の日本人平均と比べて2年以上早い思春期徴候が2つ以上存在すること、または1つであっても、身長の明らかな伸びや、手のレントゲンを撮影して骨の発育(成熟度の測定)が実年齢と2歳以上進行している場合に診断されます。

なぜ「思春期早発症」は治療が必要なのか

思春期早発症には、上記の二次性徴を促すホルモンが過剰に分泌される場所が異なるため、対応が変わる場合があります。最も多い中枢性思春期早発症とは、脳の中央にある視床下部から下垂体にGnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)の働きが過剰となり、その結果として、このホルモンが働く脳中央にある下垂体の前葉が刺激され、そこから分泌されるLH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)が上昇します。

このホルモンは下流にある男児なら精巣に刺激してテストステロン(男児の二次性徴を促すホルモン)、女児なら卵巣から出るエストロゲン(女児の二次性徴を促すホルモン)にも一様な上昇を認めます。

この中枢性思春期早発症は女児では好発しますが、男児の場合には、脳腫瘍や副腎腫瘍など他の原因が女児よりも多い傾向がありますので、慎重なMRIなどの画像検査が必要となる場合が多いです。

思春期早発症に治療を必要とする理由は下記。

1:早期に身長が伸びるが、その半面、身長の伸びも最終的には早期にストップしてしまい最終的には低身長となる。

2:心の発達がまだ幼いこと、周囲から身体のことでからかわれるなどの精神的な要素への配慮が必要となり、本人や周囲が戸惑う心理社会的問題が発生する。

3:頻度は低いが中枢神経症状(脳腫瘍)などが発見されることがあり、無治療の場合であると思春期早発以外の症状で生活に支障が生じる可能性がある。

その一方で、7歳6カ月未満の乳房発育を認めた女児では、その後の二次性徴の進みがみられないか、緩徐(かんじょ:ゆるやかなこと)であることもあります。前述のホルモンの血液検査ではLH、FSH、エストロゲンなどのなどの上昇もはっきりせず、身長の伸びが明らかではなければ治療を行わず経過観察で対応をするケースがあります。

経験豊富な小児内分泌科での治療が重要に

脳腫瘍などの疾患がない、特発性中枢性思春期早発症では、思春期の進行を緩やかにしてコントロールするLH-RHアナログという注射を4週間に1回、筋肉注射を行います。

この治療により、この下流であるLH・FSHとテストステロン(精巣から分泌)、エストロゲン(卵巣から分泌)の血中濃度を現象することによって、思春期の進行を抑制して、年齢不相応である思春期徴候を抑えて、心理的な安心を促します。同時に、過剰な身長の伸びのスパートを抑えて、最終的な低身長を予防することを目的とします。

LH-RHアナログによる治療は、同じ量を継続的に漫然と4週に1回の投与を継続するとうものではありません。3カ月に1回程度の血液検査(LH、FSH、ホルモンや他の全身機能の状態)、毎月の身長・体重、骨年齢(骨の成熟度)などを総合的に判定して、投与量をコントロールしていきます。このため、経験と実績がある基幹病院や大学病院での小児内分泌科での治療が重要となってきます。

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こちらの記事の監修医師

高座渋谷つばさクリニック

武井 智昭 

小児科医・内科医・アレルギー科医 2002年、慶応義塾大学医学部卒業。多くの病院・クリニックで小児科医・内科としての経験を積み、現在は高座渋谷つばさクリニック院長を務める。
感染症・アレルギー疾患、呼吸器疾患、予防医学などを得意とし、0歳から100歳まで「1世紀を診療する医師」として地域医療に貢献している。

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