最終更新日:2022年12月11日
新生児の目やにができる原因は?取り方や病気の症状を解説

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝

新生児は、もともと目やにが出やすい時期です。しかし目やにが多かったり、ねばねばした黄色い目やにが出たりする場合は注意が必要です。目の構造や感染症が原因で目やにが出ることもあります。放置すると症状が悪化するケースもあるため、早めに病院を受診しましょう。この記事では、新生児に目やにができやすい原因や対処法を解説します。
新生児に目やにができやすい原因
大人に比べて新生児や乳幼児に目やにがでやすい原因は、鼻涙管が狭いため涙が鼻へ抜けにくいからです。鼻涙管とは涙を鼻腔内へと排出するための管です。
涙腺から出た涙の多くは涙点と呼ばれる目の外側にある小さな穴に吸収されて、鼻涙管を通り鼻腔内に排出されます。鼻涙管が狭いと、目に溜まった涙が排出されにくい状態になります。それにより目に涙が溜まって、目やにの量が増えるのです。目やにを見つけたら、優しくふき取ってあげましょう。
新生児にできた目やにのとり方
新生児にできた目やには、清潔で水で濡らしたガーゼやハンカチ、清浄綿で優しくふき取るとよいでしょう。
ふき取る際は上下のまぶたを広げるようにして、眼頭に近い位置にある目やには眼頭に向けてふき取ってください。一方で目やにが目じりに近い場合は、目じりに向けてふき取るときれいにふき取れます。乾燥して目やにが固くなり取れづらい場合は、入浴中にふき取るとよいでしょう。
新生児の目に付着する目やにが多い場合は、病気の可能性もあります。自己判断で市販薬を使うことは避けて、病院を受診することをおすすめします。
新生児の目やにが多い場合に考えられる病気
ここでは新生児の目やにが多い場合に考えられる病気を解説します。
結膜炎
結膜炎とは白目とまぶたの裏側を覆う結膜と呼ばれる半透明の膜が炎症を起こした状態です。結膜炎は細菌やウイルスなどの感染が原因で起こる場合と、アレルギーが原因で起こる場合があります。結膜炎になると、白目が赤く充血して、ねばねばした黄色っぽい目やにがたくさん出ます。
先天性鼻涙管閉塞症
先天性鼻涙管閉塞症とは、生まれつき鼻涙管が閉じてしまい、涙が鼻へと排出されなくなった状態です。生まれつきの鼻涙管閉塞以外にも、生後に発症した鼻炎や重度の結膜炎が原因で鼻涙管閉塞症になることもあります。
先天性の場合は、鼻涙管閉塞症の90%が1歳ごろまでに自然に治るといわれています。自然治癒しない場合は、小児眼科で鼻涙管を開通させる処置が施されます。
睫毛内反(逆さまつ毛)
睫毛内反(逆さまつ毛)とは、下まつげが内側に巻いて眼球を刺激している状態です。眼球が刺激されることで、涙が出やすくなり目やにがたまります。
まつ毛は本来、外側に向いて眼球に触れない構造になっています。しかし生まれつき下のまぶたが内側に巻いたり、まつ毛自体が内側に巻いたりして、まつ毛が眼球に触れてしまうことがあるのです。
多くの場合、成長と共に下まぶたが下方へ引っ張られて、逆さまつげの状態も解消されます。3歳を過ぎても逆さまつ毛が治癒しない場合は、手術が検討されます。
新生児の目やにに対する病院の対処法
新生児の目やにに対する病院の対処法について、結膜炎や先天性鼻涙管閉塞症、逆さまつ毛に分けて解説します。
結膜炎の場合
ここではウイルス性や細菌性、アレルギー性の結膜炎への対処法について解説します。
ウイルス性結膜炎
ウイルス性の結膜炎への対処法は、体内で抗体が作られて症状が落ち着くのを待つことが基本です。症状を抑えるために「非ステロイド性抗炎症薬」や「ステロイド薬」の点眼が処方されます。また、細菌感染の合併を防ぐための「抗菌薬」の点眼が処方される場合もあります。
細菌性結膜炎
細菌性の場合は抗菌点眼薬が処方されます。点眼を続けると3日~1週間で症状が治まります。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性の場合は、抗アレルギー点眼薬が処方されます。アレルギーによる炎症が起こる原因は、ヒスタミンが分泌されるからです。抗アレルギー点眼薬にはヒスタミンの放出を抑えたり、ヒスタミンの作用を抑えたりする効果があります。
先天性鼻涙管閉塞症の場合
先天性鼻涙管閉塞症で病院を受診した場合、病院により治療方針は異なりますが、まずは自宅でのマッサージを指導されることがあります。保護者が新生児の目頭を圧迫して鼻涙管の閉塞が自然と開通するように働きかけるようなマッサージです。生後6カ月~12カ月くらいの乳幼児にマッサージを試すと、鼻涙管の閉塞が解消される場合もあります。
マッサージで鼻涙管が開通しない場合は、ブジーと呼ばれる針金を使って鼻涙管を開通させる手術が施されます。
睫毛内反(逆さまつ毛)の場合
新生児の逆さまつ毛は自然と解消される可能性が高いため、多くの場合はなにもせずに様子を見ます。成長しても逆さまつ毛が解消されない場合や角膜炎などの深刻なトラブルが発生している場合は、手術が施されます。
一般的に逆さまつ毛の手術が検討されるのは、局所麻酔ができる10歳以上の年齢になるころです。稀に角膜炎などのトラブルにより、2~3歳くらいで手術が行われる場合もあります。
目やにの予防法や注意点
ここでは目やにの予防法や、新生児の目を守るための注意点を解説します。
目を冷やす
子どもが目をかゆがる場合は、目を冷やして炎症を抑えるとかゆみが軽くなることがあります。目をかいてしまうと、炎症が悪化して目やにもでやすくなるため注意しましょう。
目を清潔に保つ
目やにが出た場合は、お湯で湿らせたガーゼで優しくふき取るとよいでしょう。また新生児の手は清潔に保ち、目に触れてもばい菌が入らないようにすることをおすすめします。親が新生児の目に手で触れる際も、アルコール消毒をして清潔な状態で触れるようにしましょう。
爪をきる
新生児や幼児の爪が伸びていると、目をかいた際に傷つける可能性があります。傷口から感染して目やにがでやすくなるため注意してください。新生児や幼児の爪の状態をこまめにチェックして、常に整えるように心がけましょう。
タオルを別にする
ウイルスや細菌による結膜炎が原因で目やにが出ている場合は、タオルを共有すると家族間で感染が広がる恐れがあります。家族の誰かが感染性の結膜炎にかかったらタオルを別にするようにしましょう。
新生児の目やにが気になる場合は医師に相談しよう
新生児は大人に比べて、鼻涙管が狭いため目やにがたまりやすい状態です。しかし異常に目やにが多く出たり、ねばねばした黄色い目やにが出る場合は、放っておくと悪化する恐れがあります。自己判断で市販薬を購入せずに、医師に相談するようにしましょう。
また目やにを予防するためにも、目の周辺や手を清潔に保つことをおすすめします。とくに子どもの場合、かゆみがあると手で目に触れたり、擦ったりします。手の爪を日頃から整えて、目を傷つけないように心がけるとよいでしょう。
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こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝
日本小児科学会認定小児科専門医 /アレルギー専門医 /感染症専門医
国際協力機構(JICA)顧問医として7年間勤務。大学病院やナショナルセンターを基盤に小児科および感染症内科、特に熱帯感染症の臨床と研究、海外渡航者の健康管理などに長年携わる。
2020年6月にプライマリケアを行う診療所「グローバルヘルスケアクリニック」を開設。感染症に関するTV・ラジオ出演は2020-2021年だけで1000件近い。
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