最終更新日:2022年5月16日
うつ病になると仰向けで眠れない? うつ病の主な症状と改善法
こちらの記事の監修医師
かわむらクリニック
川村 明
ストレスなどによって起こるとされるうつ病の症状は、抑うつ気分(気分のおちこみ)、集中力の低下や不眠、食欲や体重の低下、興味や喜びの喪失、首、肩のこりや痛み、頭痛などです。気分が落ち込み、栄養状態の悪化が続くと、眠るときに上を向いて、仰向けになって眠ることが難しくなります。今回は、なぜ、うつ病の時に仰向けに眠れないのかを説明しながら、改善方法を解説します。
うつ病になると、仰向けで眠れない理由
うつ病になると、気分が落ち込むので、運動不足になり、食欲も低下します。栄養状態も悪化し体力や筋肉量も低下します。背中を伸ばして胸を開きにくくなり、この状態が長くなると背中を丸くし、うつむき姿勢が楽な姿勢になります。
上半身の前の筋肉は後ろの筋肉より強いので運動不足や栄養状態の悪化に伴う筋肉量の低下により、胸の前側の筋肉、主に大胸筋が縮まり、硬くなり、巻き肩や猫背になります。そして、顎を前に突き出して背中や腰が、曲がってくるのです。
この姿勢では、胸を大きく開く深呼吸がしにくくなり、浅く早い呼吸になります。
また、気分が落ち込むと胸を開いて背中を伸ばすのを長くできなくなります。なぜなら、胸を開く姿勢をとることに不安を感じるのと、体力が落ち、背中を伸ばすのに必要な体幹の力や下半身の筋力が低下するからです。
こうして、眠る時に胸を開いて仰向けで眠れなくなるのです。
身体にあらわれるうつ病の症状とは
頭痛、肩こりや痛み、自律神経の乱れ(不眠、息苦しさなど)
浅い呼吸や運動不足や姿勢が悪くなるので、首や肩や肩甲骨周りの筋肉が緊張して、硬くなり、血液やリンパの流れも悪くなるからです。
食欲低下、胃腸の不調
深呼吸がしにくくなり、浅い呼吸になると呼吸筋の力が弱くなってきます。呼吸筋の中でも最大の筋肉は横隔膜です。横隔膜の働きも弱くなります。横隔膜は呼吸に関係しますが、体幹の重要なの部分でもあり、弱くなれば体幹の働きも弱まります。
腹圧も弱くなり、便秘や下痢、食欲低下などの胃腸の不調の原因になります。
腰痛、足の痺れ
姿勢が悪くなると上半身の重さを腰が支えきれなくなり、腰の筋肉の緊張や疲労が強くなって腰が痛くなります。体幹の力やバランスが悪く血液やリンパの流れが悪いので、腰痛の回復も遅くなり、足の痺れなどの神経症状も起こってきます。
うつ病を併発する疾患
①パーキンソン病
パーキンソン病は、脳の神経伝達物質ドーパミンが減少することによって起こる病気で、安静時の振戦(手や足の震え)、動きが少なくなるか、動けなくなる、筋肉が硬くなる、などの症状があります。うつ病を併発することも知られています。
ただし、うつだけではなく、抑うつ、不安の面が強いようです。また、頑固な便秘で悩むことも多いです。
治療法として薬物療法やリハビリなどの運動療法があります。
②糖尿病
糖尿病とうつ病は、両方の疾患を合併することが多いと言われています。
その理由としては、糖尿病になると、仕事や生活する時に感じるストレスに加え、血糖のコントロールに伴う精神的なストレスがあることと、さらに、うつ病になると血糖値を上昇させるホルモンも増えるからだと考えられています。糖尿病とうつ病とは、深い関係があります。
治療法としては、食事療法、運動療法、薬物療法などです。
③脊柱管狭窄症や脊椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛、ガンの痛み
脊柱管狭窄症や脊椎椎間板ヘルニア、坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛、ガンの痛み、などが長くなるとうつ病になることもあります。
うつ病の治療法
うつ病は治療しないと悪化して治りにくくなりますので、早期に治療を開始することが大切です。休養、環境調整、薬物療法、精神療法などが主な治療法ですが、最近は、運動療法が注目されています。
運動療法は、薬物治療と組み合わせて、心臓に負担にならない程度の有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、サイクリングなど)をしますが、私はヨガをお勧めしています。
私は34歳の時、腰椎椎間板ヘルニアの手術を受けましたが、その後の腰痛に長く悩まされて、うつ病になりました。55歳でヨガに出会い、半年で腰痛は改善し、うつ病も改善しました。この経験から、ヨガのインストラクターの資格をを取得し、患者様と一緒にできるAKヨガを創設しました。
患者様の中には、うつ病を併発されたパーキンソン病や糖尿病などの方もいらっしゃいます。一緒にヨガをしながら、身体の柔軟性のアップや猫背などの姿勢改善をしています。
自分の状態を知りましょう
仰向けに眠れますか?
仰向けに眠れない方はうつ病かも。
また、頭痛、胃腸の不調、肩こりや痛み、呼吸が浅い、集中力が低下、不眠、食欲低下、腰痛 などありませんか?
うつ病の初期かも。
運動をしましょう。猫背など姿勢が悪い方は、姿勢を改善するようにしましょう。
胸を、開くと心も開きます!
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こちらの記事の監修医師
かわむらクリニック
川村 明
かわむらクリニック院長・医学博士
外科・漢方内科
昭和56年 徳島大学医学部卒業
昭和61年 山口大学医学部大学院修了 医学博士
昭和62年 阿知須共立病院 外科部長
平成元年 山口大学医学部第2外科助手
平成2年 日本東洋医学会専門医
平成3年 かわむらクリニック開院
平成24年 鍼灸室併設、かわむら式 アンチエイジングヨガ(AKヨガ)設立
平成27年 ヨガインストラクター、日医健康スポーツ医
平成28年 日本障がい者スポーツ医
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