生理が1週間こないときの原因とは？病院へ行くタイミングと妊娠以外の可能性

生理が1週間こない場合に考えられる原因について説明していきます。性行為があったなら妊娠の可能性もありますが、使用するタイミングによっては妊娠検査薬でも正確な結果が出ません。また、妊娠以外では、ホルモンバランスの乱れや病気によって生理が遅れるケースもあります。1週間以上も生理がこないなら、医療機関の受診も検討しましょう。

生理が1週間こないときは妊娠の可能性もある？

生理が1週間こない場合は、性行為があったなら妊娠している可能性もあります。そのため、妊娠の可能性があるときは妊娠検査薬を使用するというのも選択肢のひとつです。ただし、妊娠検査薬を使用するタイミングには注意してください。

使用するタイミングによっては、妊娠しているかを正しく測定できないケースもあります。

妊娠検査薬はいつから使えるか

妊娠検査薬を使用できるのは、生理予定日を1週間以上過ぎてからです。妊娠検査薬は尿に含まれるhCGというホルモンの値を測定しますが、妊娠してすぐは尿内のホルモンの量が少なく、上手く検査できません。

十分な量のhCGが尿に含まれるのは、妊娠4週目〜5週目以降になります。

1週間前後は偽陰性に注意が必要

前述のとおり、妊娠していても妊娠検査薬の結果が正しく出ないこともあります。特に1週間前後は妊娠しているのに陰性という結果が出る「偽陰性」に注意してください。妊娠検査薬を使用するタイミングが早すぎると、妊娠していてもホルモンの分泌量の問題で「陰性」の反応が出ます。

また、「尿の濃度の薄さ」「誤った方法での検査」も偽陰性になる原因です。妊娠検査薬を使用する場合は、使用方法に関する説明をしっかりと読みましょう。

妊娠時に多く見られる症状

妊娠時には次のような症状がよく見られます。

• 吐き気
• 食欲の減退
• だるさ
• 不安感
• いらいら
• ほてり
• 肌荒れ
• おりものの増加

上記のような症状が見られるなら、日にちをあけて再度妊娠検査薬を使用するか、産婦人科を受診することをおすすめします。

おりものなどの症状があるのに生理がこないケースとは？

おりものや腹痛、頭痛などの生理前に見られる症状があるにも関わらず、予定どおりに生理がこないケースもあります。妊娠も原因のひとつですが、妊娠していなくてもホルモンバランスが乱れることで生理は遅れます。

生理が予定日から数日前後するだけなら大きな問題はありません。しかし、大きくずれているなら注意が必要です。病気によってホルモンバランスが乱れていたり、症状を放置することで将来的に妊娠しにくくなったりするリスクもあります。

また、月経前症候群（PMS）や月経困難症の可能性もあるので、症状が続くときは早めに医療機関で相談しましょう。

妊娠以外で考えられる生理が1週間程度こない原因

生理が1週間こないとき、妊娠以外では次のような原因も考えられます。

• ストレスによるホルモンバランスの乱れ
• 過度なダイエットの影響
• 服用している薬の副作用

ストレスによるホルモンバランスの乱れ

ストレスはホルモンバランスを乱す原因のひとつです。過剰なストレスがかかると、ストレスホルモンが分泌されます。ストレスホルモンはGnRHというホルモンの分泌を抑制する効果があり、その結果としてエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンの分泌も減り、生理不順を起こします。

ストレスの原因をすぐに解決するのは難しいですが、ストレスを溜め込まず、適度に発散することが重要です。

過度なダイエットの影響

過度なダイエットが生理不順に繋がることもあります。ダイエットによって十分な栄養が供給されない場合、身体は生命維持を優先します。生命維持に必要な臓器へ優先的にエネルギーを供給し、優先順位の低い卵巣などは後回しになります。

卵巣の機能を正常に保つためにも、過度なダイエットは避け、十分な栄養を摂取するようにしましょう。

また、体重の減少も、ストレスホルモンを増加させる一因になります。過度なダイエットによって生理がこなくなり、ダイエットを止めても正常な状態に戻るまでに時間がかかるケースもあるため注意してください。

服用している薬の副作用

服用薬がある場合、その薬の影響によって生理に遅れが生じるケースもあります。例えば、精神安定剤（抗不安薬）や降圧剤などです。また、睡眠薬を長期間服用することでも、ホルモンバランスの乱れにより生理が遅れることもあるので、服用薬がある方は医師や薬剤師に相談してください。

生理が1週間こない場合に考えられる主な病気

生理が1週間こない場合、原因が病気である可能性も考えられます。生理に影響する主な病気は以下の3つです。

• 甲状腺の病気
• 早期閉経
• 無月経

甲状腺の病気

甲状腺ホルモンの分泌量が増えすぎたり、反対に減りすぎたりすることも生理が遅れる原因のひとつです。

甲状腺ホルモンは女性ホルモンの分泌に影響があります。そのため、甲状腺の病気によって女性ホルモンの分泌が乱れ、生理の遅れに繋がります。

主な甲状腺の病気は「バセドウ病」「橋本病」「甲状腺炎」「甲状腺機能低下症」などです。これらの病気は生理の遅れだけでなく、不妊などのリスクもあるので注意してください。

甲状腺の病気が疑われるときは、内分泌科・代謝内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。

早期閉経

本来、閉経は50歳以降が多いですが、40歳未満でも閉経を迎えることがあり、これを「早期閉経」と言います。そして、排卵のみがなくなったものは「ゴナドトロピン抵抗性卵巣症候群」、卵子自体がなくなったものは「早発卵巣不全」に分類されます。

早発卵巣不全のはっきりとした原因は分からないことがほとんどです。しかし、放射線や抗がん剤の影響、染色体の異常、自己免疫疾患、代謝性疾患、卵巣の手術などが原因になるケースもあります。

無月経

「無月経」とは妊娠していないにも関わらず、3ヶ月以上、月経のこない状態のことを言います。18歳以上で月経が始まらない場合を「原発性無月経」、それ以外は「続発性無月経」に分けられますが、原発性無月経であるケースは非常に稀です。

続発性無月経の主な原因としては、前述した過度なダイエットやストレスによるホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。

また、女性ホルモンの分泌に関係する箇所の疾患で無月経になることもあり、治療する上では原因を特定することが重要です。

中学生・高校生で生理が1週間以上こないときの注意点

生理が1週間こないときに考えられる原因について説明してきましたが、中学生や高校生の場合にはいくつか注意すべき点があります。

まず、思春期の卵巣の機能はまだ未成熟であり、初経から数年間は生理が不規則になるケースも多いです。思春期のうちは生理が遅れるような原因がないのであれば、1週間程度遅れていても大きな心配はいりません。

思春期はもともとホルモンバランスが不安定で、成長するにつれて徐々に安定していきます。ただし、3ヶ月以上も生理がきていないなら、妊娠の可能性がなくても婦人科を受診するようにしてください。

加えて、中高生の頃の身体はさまざまなことの影響を受けやすいです。周りとの違いに対しても敏感になりやすい年頃ですが、過度なダイエットや急激な体重の減少、ストレスなどには注意しましょう。

生理が1週間以上遅れているときは病院へ行くべき？

生理が1週間こない場合、生理不順である可能性があります。1週間以内であれば通常の変動の範囲内とも考えられますが、10日〜14日程度の遅れがあるなら医療機関の受診も検討してください。

生理不順が長期間にわたって続く場合、妊娠しにくくなったり、更年期障害のような症状が出たりするほか、骨粗しょう症などのリスクも高まります。

また、病気によって生理が遅れている可能性もあるので、早めに医療機関を受診することは原因の早期発見に繋がります。

性行為があったなら生理予定日から1週間経過後に妊娠検査薬を使用した上で、医療機関で診察を受けましょう。

生理が1週間こないのは生理不順｜予定より10日以上遅れているなら婦人科・産婦人科へ

生理が1週間こないのは生理不順だと考えられます。思春期の頃などは生理が不安定なケースも多いです。しかし、思春期を過ぎている場合、予定より10日以上の遅れがあるなら注意してください。

生理不順が続くと不妊などのリスクも高まります。また、生理予定日から1週間未満だと妊娠検査薬を使用できないケースが多いです。妊娠検査薬を使用するときは、説明書の内容をしっかりと確認しましょう。

そして、妊娠していなくても、生理予定日から10日〜14日程度が経過した段階で婦人科・産婦人科の受診を検討してください。