最終更新日:2022年5月25日
デンタルフロスが臭いのはなぜ?毎日ケアしても臭いが取れない原因とは?

こちらの記事の監修医師
昭和大学臨床薬理研究所 昭和大学統括研究推進センター
龍 家圭(りゅう かけい)

使用後のデンタルフロスが臭い場合、どのような原因が考えられるのでしょうか?歯垢の磨き残しも理由として考えられますが、虫歯や歯周病などの病気にも注意が必要です。いくらデンタルフロスを使っても口の中の病気は治りません。症状が悪化する前に歯科医院で診てもらいましょう。デンタルフロスが臭う原因についてまとめました。
デンタルフロスが臭いなら口臭にも注意が必要

使ったあとのデンタルフロスが臭いときは口臭にも注意が必要です。自分では口臭が分からない場合もありますが、口からもデンタルフロスと同じニオイがしていると考えてください。
デンタルフロスは通常のブラッシングでは難しい歯と歯の隙間の汚れも落とし、口臭ケアに有効です。しかし、デンタルフロスから嫌な臭いがするなら、口腔内に何かしらの異常が生じている可能性もあります。
詳しくは後述しますが、例えば、歯周病は口臭の原因のひとつです。デンタルフロス使用後のニオイの原因が病気であれば、自宅でのケアだけでなく歯科医院での治療も必要になります。
デンタルフロスが臭い理由

デンタルフロスが臭い理由として次の3つが考えられます。
【デンタルフロスが臭い理由】
- 磨き残した歯垢(プラーク)
- 虫歯
- 歯周病
磨き残した歯垢(プラーク)
デンタルフロスが臭い理由の1つ目は磨き残した「歯垢(プラーク)」です。歯垢は口に中にいる細菌の塊です。歯ブラシだけでは、すべての歯垢を完全に取り除くことは難く、歯と歯の間に取りきれなかった歯垢が溜まっていることもあります。
溜まった歯垢に触れたデンタルフロスが臭うようになります。加えて、歯垢はさまざまな口内トラブルの原因です。次に説明する虫歯や歯周病の原因にもなりやすいため注意しましょう。
虫歯
デンタルフロスが臭い理由の2つ目は「虫歯」です。磨き残した歯垢があると虫歯のリスクは高まります。またあまりにも虫歯が進行すると、歯の根っこにまで虫歯菌が侵入し、繁殖・化膿することがあります。その膿からは非常に強いニオイがするため、デンタルフロスもニオイいますし、必ず治療が必要になります。
また、虫歯によって歯にできた穴には、食べ物が詰まりやすく、歯垢も溜まりやすくなります。虫歯でできた穴の食べ物や歯垢は通常の歯磨きでは取りにくく、何日も残ってしまうケースもあります。取り除けなかった食べ物は徐々に腐っていきますので、口臭の原因になります。
歯周病
デンタルフロスが臭い理由の3つ目は「歯周病」です。歯周病の細菌は口臭の原因になるガスを作り出します。そのため、歯周病菌が多くいる歯茎にデンタルフロスを使用した際にも同じニオイがすることになります。
歯周病菌が発するガスは「メチルメルカプタン」というもので、生ゴミのようなニオイです。加えて、歯周病が進行して、いわゆる歯槽膿漏の状態になると、歯茎からの出血や膿も見られるので注意してください。ここまで歯周病の症状が悪化すると、口臭もより強くなります。
毎日デンタルフロスをしてもニオイが取れない原因
中には「毎日デンタルフロスをしているのにニオイが取れない」と感じている人もいますが、その原因は虫歯や歯周病の可能性が高いです。
磨き残した歯垢が原因であれば、デンタルフロスによって取り除くことで徐々に口臭も改善されていくことが期待できます。しかし、虫歯や歯周病が原因の口臭だと、病気を治療しなければ口臭も改善されません。
デンタルフロスをすることで虫歯や歯周病の予防はできても、すでにある虫歯や歯周病を治すことはできないので注意しましょう。虫歯や歯周病が疑われるときは、早めに歯科医院を受診してください。
口臭ケアのためにデンタルフロスを使用するときのポイント

口臭ケアのためにデンタルフロスを使うときには、以下の3つのポイントがあります。
【デンタルフロス使用時のポイント】
- 継続的な使用でニオイが取れる場合もある
- 定期的なケアが重要になる
- 出血があるときは注意が必要
継続的な使用でニオイが取れる場合もある
口臭をケアするという観点では、デンタルフロスの定期的な使用が重要になります。歯ブラシだけでは取れない歯垢はどうしてもあるので、たまに使うだけではあまり意味がありません。
特に歯垢で口臭が強くなっているなら、毎日使う方が口臭ケアには効果的です。
デンタルフロスを一度使っただけでは、口臭が取れないことも多いですが、1日1回の使用を目安に、できれば毎日継続してデンタルフロスでケアしましょう。
定期的なケアが重要になる
毎日継続してデンタルフロスを使用することで、歯垢が溜まらないようにすれば、虫歯や歯周病のリスクは減ります。また、磨き残した歯垢は3日前後で石灰化していき、歯石に変わります。
歯石は、歯周病の原因にもなり、通常の歯磨きで取り除くことはできないので、その前にデンタルフロスなどを使って、歯石にしないようにすることが大切です。すでに歯石になってしまっているなら、歯科医院で相談しましょう。
出血があるときは注意が必要
デンタルフロスを使った際に、フロスに血がついたり、フロスが切れたりしたら要注意です。頻繁に出血するのであれば、すでに歯周病になっている可能性があります。歯周病の初期段階は歯肉炎と呼ばれ、歯茎からの出血や歯茎の赤い腫れなどが主な症状です。
デンタルフロスの使い始めは出血しやすいですが、「使用する度に血が出る」「痛みがある」というときは歯周病を疑ってください。
また、虫歯があったり、詰め物や被せ物が浮いていたりするとデンタルフロスの糸は切れやすくなります。デンタルフロスがよく切れるという方は、このような口内でのトラブルが起こっていないか歯科医院で確認しましょう。
デンタルフロスを継続して使うことは、歯周病や虫歯などの異常を早期に発見するきっかけにもなります。
デンタルフロスは口臭ケアに有効|同じところが臭いなら虫歯・歯周病にも注意

磨き残しや溜まった歯垢が原因で、口臭や使用後のデンタルフロスが臭いことがありますが、継続的にデンタルフロスでケアをすれば、口臭の改善が期待できます。ただし、使用後のデンタルフロスが常に臭い場合、毎日ケアしても臭いが変わらない場合は注意してください。
口内に虫歯や歯周病があり、それらによって口臭が発生している可能性も高いです。病気が口臭の原因であれば、デンタルフロスだけでは改善されません。早めに歯科医院で診てもらい、適切な治療を受けるようにしましょう。
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こちらの記事の監修医師
昭和大学臨床薬理研究所 昭和大学統括研究推進センター
龍 家圭(りゅう かけい)
〇診療科 :歯科
【経歴】
2021/09 - 現在 カロリンスカ研究所 臨床科学・介入・技術部門 バクスターノバム部門 研究員
2018/09 - 現在 昭和大学 臨床薬理研究所 講師
2014/04 - 2018/08 昭和大学 臨床薬理研究所 助教
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