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最終更新日:2022年7月12日

「舌」はこんなにも優秀だった…「口腔ストレス」と全身の不調との意外な関係【歯科医が解説】

こちらの記事の監修医師
医療法人健幸会安藤歯科クリニック
安藤 正之

(画像はイメージです/PIXTA)

首や肩のこりに悩まされている人のなかには、整体やマッサージに行っても一次的にしか効果を感じられず、またすぐにぶり返してしまうという人もおおいでしょう。実は、首や肩のこりの原因は、口のなかにあると、医療法人健幸会安藤歯科クリニック理事長兼院長の安藤正之氏はいいます。私たちの口のなかではいったいなにが起きているのか……詳しくみていきましょう。

「歯」と「全身」の意外な関連性

近年、虫歯菌や歯周病菌などの「歯垢」と、心臓病や脳溢血、腎臓病などの全身疾患のリスクとの関係が明らかになってきました。また、「歯垢のばい菌は肥満や糖尿病、リューマチなどとも関係がある」との研究も次々に発表されています。

このように、口のなかというのは全身と密接に関係があるものです。虫歯や歯周病の問題は、口のなかの問題のごく一部にすぎません。我々の口のなかでは、さらに恐ろしいことがおこっています。

首や肩のこりは「口腔ストレス」が原因

さて、まずあなたに質問です。あなたは現在、首や肩のこりに悩まされていませんか?

首のこりや肩こりは、今や国民病といっていいほどで、複数の製薬会社の行った調査(※)では、20代から50代の働く女性の60%~70%が悩まされていることが明らかになっています。

※株式会社ツムラ20代~40代の男女1800人実施期間2020年11月インターネット調査
※三共ヘルスケア30代40代の男女50000人実施期間2016年7月インターネット調査

あなたが病院に行き、そのつらさを訴えると、医師はあなたに薬を処方します。しかし、その薬を飲んでも症状が改善しないあなたは、仕方なく整体やマッサージに通います。そこで一時的には良くなっても、またすぐに後戻りしてしまう。あなたはそんな毎日を送っていませんか?

実は、「首・肩のこり・腰痛・偏頭痛・めまい「などの症状は、「不定愁訴」という名称で、ひとくくりにされています。「不定愁訴」とは、「患者さんは訴えるが、病院で検査をしても、原因が分からないもの」の総称です。

この「首のこり」の原因が、口のなか、特に「舌」と「歯」にあるとしたら、あなたはどう思いますか?

原因の多くは、「歯」が原因で引き起こされる「舌・頬粘膜・唇への刺激」と「咬み合わせ不良」の両方だったのです。私はこれらの「歯」による刺激を、「口腔ストレス」と名付けました。以下に、口のなかにある、それぞれの刺激を記します。

あなたにあるかもしれない「4つ」の口腔ストレス

① 舌ストレス
歯が舌に与える刺激で、口のなかのストレスで1番大きい。舌に歯の跡がついているのが舌ストレスの典型例。

② 頬粘膜ストレス
頬の内側を「頬粘膜」といい、奥歯が外に傾斜して、頬の粘膜に与えるストレス。

③ リップストレス
前歯が回転していたり、乱ぐい歯で唇の裏側を刺激したりすることで発生するストレス。また、前歯の長さが原因で、下唇を刺すことによるストレス。

④ 咬み合わせストレス
通常の歯科でいう、“咬み合わせ”。特定の歯だけが当たったり、かぶせものや義歯の高さが合っていなかったりなど、咬み合わせ不良によるストレス。あごの位置がずれることもある。

また、口腔ストレス症候群は、体調不良だけでなく、慢性的ストレスによる自律神経の乱れを引き起こし、交感神経優位となることで、心身的な症状も引き起こします。以下に、口腔ストレス症候群として起こりうる症状を列記します。

口腔ストレス症候群が引き起こす可能性のある、首・肩のこり以外の症状

アゴの関節が痛い、アゴの関節が鳴る、口が開きにくい、偏頭痛、口・頬のコリ、腰痛、背中の痛み、手足のしびれ、歯ぎしり、食いしばり、めまい、耳鳴り、胃腸が弱い、下痢、生理痛、無気力、冷え性、体がだるい……

つまり、「口腔ストレス症候群」は、どんな症状をも引き起こす可能性がある、「万病のもと」ともいえるのです。

しかし、そもそもなぜ現代人に、舌ストレスをはじめとする「口腔ストレス」が出ているのか? その答えは「軟食」です。

「軟食」が生んだ現代人のアゴの退化


この50年で、ヒトは初めて軟食というものを経験しました。これは人類20万年の歴史のなかで初めてのことです。

ある歯科の先生が、年代別に食事を再現し、学生さんに噛んでもらって、咀嚼回数を測定した実験では、現代人は、卑弥呼の時代の7分の1しか噛んでいないことがわかりました。

斎藤 滋(1995)噛むことと健康,噛む-口腔衛生と食生活.GAP,東京,PP.16-30


「軟食」のため、噛む回数が減ってしまった結果、現代人の「アゴ」と「歯並び」は小さくなり、それが子供に遺伝し、小さいアゴの設計図に書き換えられています。さらに、幼少期に噛まないことにより、アゴはさらに小さくなる。
これを、すでに何世代も繰り返しているのです。

また、咬まないことで、歯は摩耗をせず、刃物のように尖っていて、より舌を傷つける結果を生んでいます。
その結果、慢性的に舌が傷つくことが原因で、堀ちえみさんも苦しんだ「舌ガン」の数は、ここ20年で3倍に増えているのです。


しかし増えたとはいえ、1年にかかる舌がんの数は、まだ5,148人(国立がんセンター2018年)にとどまっています。
それは、我々の舌が非常に優秀で、歯から必死で逃げてくれ、癌にならないようにしてくれているからです。

しかし、舌ガンにはならないが、その大きな代償として、首・肩のこりや偏頭痛、めまいなどを引き起こしているのです。


また、滑舌の悪さや声質の低下なども、同じ理由で、主に「舌ストレス」が引き起こしています。

もし、あなたがいろいろな治療法を試していても首や肩のこりが一向に改善しないならば、舌ストレスを含む、口腔ストレス症候群を疑ってみたほうが良いでしょう。

医療法人健幸会安藤歯科クリニック 理事長・院長

こちらの記事の監修医師

医療法人健幸会安藤歯科クリニック

安藤 正之

1987年東京歯科大学卒業。
1989年安藤歯科クリニックを東中野に開院。
1990年「咬み合わせと全身の関係」の研究を始め、整体・気功・オーリングテストなどを学び、様々な治療法を研究に没頭。
1996年歯学のみならず医学の視点から「咬み合わせと全身の関係」を追究するため、東京歯科大学の専攻生・社会人大学院生として、微生物・生理学・解剖学・生化学などを学びなおす。
1997年医療法人社団健幸会設立。
2007年千葉工業大学・大川茂樹教授とともに、「歯と音声の研究会」を立ち上げる。
2009年9月17日日本音響学会において、「咬み合わせ治療の発声への影響」のタイトルで日本音響学会に研究発表。(2018年11月現在、5回の発表実績)
2018年「舌ストレス・頬粘膜ストレス・リップストレス」及び「口腔ストレス症候群」という名称を確立。
2022年9月日本病巣疾患研究会の学会において、10日口腔ストレス症候群についての特別講演、11日は舌ストレスについてのシンポジウムにて座長を務める予定。
肩こり・首のこりを無くすため、医師・歯科医師だけでなく、患者さんサイドにも、舌ストレスを中心とした、口腔ストレス症候群の概念を広めている。

医療法人健幸会安藤歯科クリニック理事長・院長
厚生労働省研修指導歯科医
全身咬合学会会員
日本音声学会会員
日本音響学会会員
現在、東京歯科大学生理学講座専攻生として在籍中

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