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最終更新日:2023年1月22日

舌の裏にできた突起物は何?口内炎や血豆、粘液嚢胞、舌がんについて解説

こちらの記事の監修医師
医療法人社団徳昌会 パラシオン歯科医院
小山 安徳

(画像=stock adobe.com)

舌の裏に突起物ができた場合、口内炎や血豆、粘液嚢胞、舌がんのいずれかの可能性が考えられます。口内炎や血豆であれば数日で改善する可能性が高いですが、粘液嚢胞や舌がんの場合は医療機関の受診が必要です。それぞれの症状について、症状や原因、治療法などを解説します。

舌の裏にできた痛い突起物は何?

舌の裏にできた痛い突起物は口内炎や血豆の可能性があります。

赤い場合は口内炎

舌の裏にできた突起物が赤く腫れて痛みがある場合は、口内炎の可能性があります。初期のころは赤く腫れますが、悪化したり時間が経過したりすると、膿んで黄色くなる場合もあります。

口内炎は口の中で炎症が起きている状態です。原因としては、ビタミンの欠乏や鉄分不足、感染などが考えられます。ストレスや女性の性周期が関係しているとも言われています。

口内炎であれば、通常は数日で改善するでしょう。痛みが強い場合は、市販の鎮痛剤で抑えるのも1つの手段です。

赤から黒く変化する場合は血豆

舌の裏に血豆ができた場合は、赤色から黒色へと変化することがあります。血豆は口の中で内出血が発生した状態です。

何らかの原因で口の中を傷つけた際、内出血により粘膜内に血が溜まることがあります。たとえば、食事中に口の中を噛んだ場合や歯ブラシが粘膜にあたったときなどです。

またアレルギーの原因となる食品を食べたときにも血豆ができることがあります。口の中にできた血豆は、多くの場合は自然に治癒します。

舌の裏にできた痛みのない突起物「粘液嚢胞」かも?

舌の裏にできた痛みのない突起物は、粘液嚢胞の可能性があります。粘液嚢胞について症状や原因、治療法を解説します。

粘液嚢胞の症状

粘液嚢胞の主な症状は、1.5mm程度の水泡ができることです。主に下唇や頬の粘膜、舌の裏側などに見られます。

舌の裏側にできた場合はブランダンヌーン嚢胞と呼ばれ、さらに口の底にできた場合は粘液貯留嚢胞と呼ばれることもあります。

直径5mmほどの大きさになることもありますが、硬くなることはなく、粘膜と同じような軟らかさが特徴です。また粘膜が傷ついていない場合は、痛みがありません。

嚢胞が潰れると中から粘り気のある唾液が出てきて、一旦は小さくなります。しかし唾液が溜まると嚢胞が大きくなり、再発します。そのため口内炎とは異なり、自然治癒しづらい点も特徴です。

粘液嚢胞の原因

粘液嚢胞は、粘膜を噛んだり歯の先端や矯正器具が粘膜に当たったりして口の中が傷つくことで発生します。また口内炎が原因で、粘液嚢胞になることもあります。粘膜が治る過程で、唾液を出す管が詰まることが粘液嚢胞になる直接の原因です。

そのため、粘液の詰まりが解消されない限り、繰り返し発生する可能性が高くなります。自然治癒しないことも多いため、早めに医療機関で治療した方がいいでしょう。

粘液嚢胞の治療法

粘液嚢胞の主な治療法は、嚢胞の摘出手術です。場合により、原因となる小唾液腺も一緒に取り除くこともあります。摘出後は傷口を縫合して完了で、通常は麻酔から摘出までは約15分です。

他にもレーザーを利用した治療も行われます。レーザーで治療を受ける場合は、出血や痛みが少なく、縫合の必要もありません。

舌の裏にできた突起物が大きくなる場合は舌がんの可能性も

舌の裏にできた突起物が大きくなる場合は、舌がんの可能性があります。舌がんと口内炎の違いや舌がんの症状、なりやすい人について解説します。

舌がんと口内炎の違い

舌の口内炎と舌がんの違いは、次の点です。

● 舌がんはしこりがあり触ると硬いが、口内炎は軟らかい
● 舌がんは口内炎とは異なり、舌の粘膜に白や赤などの色の変化が現れる
● 口内炎は数日で自然治癒することが多いが、舌がんの場合はただれの症状が2週間以上続く

以上の他にも、口内炎による突起物は比較的小さくても痛みを感じますが、舌がんの場合は大きくなってから感じることが多い点が異なります。

舌がんの症状

口内炎との違いで紹介した症状以外にも、舌がんが進行すると次のような症状が現れます。

● 舌のしびれや麻痺を感じる
● 味覚障害が発生することがある
● 舌を動かしにくくなる
● がんが成長すると少しの刺激でも痛むことがある

これらのうちひとつでも症状が見られた場合は、舌がんの疑いもあります。原因を特定するためにも、すぐに医療機関を受診しましょう。

舌がんになりやすい人

舌がんは男性に起こりやすい病気で、好発年齢は50~70歳代と言われています。しかし20~30代でも発生することがあります。

また飲酒や喫煙による舌への刺激も、がんの発生に関係していると考えられています。その他にも、歯並びが悪く常に歯が舌に接触している、入れ歯が適していないなどのような場合も、舌がんにつながる可能性があります。

舌の裏に突起物ができたら病院の何科を受診?

舌の裏にできた突起物が気になる場合、耳鼻咽喉科や歯科を受診しましょう。長期間経過してもよくならない場合は、粘液嚢胞や舌がんの可能性も考えられます。

早期発見・早期治療は、その分早い回復が見込めるため、症状が進行する前に医療機関に相談した方がよいでしょう。

舌の裏にできた突起物が治らない場合は病院を受診しよう

舌の裏にできた突起物は、口内炎や血豆、粘液嚢胞、舌がんのいずれかの可能性があります。口内炎や血豆であれば、数日で改善します。

その反面、粘液嚢胞や舌がんであった場合は、自然治癒しない可能性が高いだけでなく、大きな問題になることもあります。長引いてよくならない舌の裏の突起物が気になる場合は、早めに医療機関を受診して治療を受けることをおすすめします。まずは耳鼻咽喉科や歯科医院に相談しましょう。

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こちらの記事の監修医師

医療法人社団徳昌会 パラシオン歯科医院

小山 安徳

〇診療医長(歯学博士)

〇経歴
昭和58年 獨協埼玉高校卒業
平成1年 東京歯科大学卒業
        歯科医師国家試験合格
平成10年 介護支援専門員
平成21年 東京歯科大学衛生学歯学博士号取得
令和1年    医療法人社団 徳昌会 理事
令和1年    東京歯科大学非常勤講師
令和1年    太陽歯科衛生士専門学校非常勤講師
令和3年    介護認定審査員
令和4年    茨城歯科専門学校講師(兼任教員)

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