最終更新日:2021年12月15日
不正咬合とはどのような状態?その原因と種類について解説

こちらの記事の監修医師
四ツ谷デンタルオフィス
飯田 聡

不正咬合とは噛み合わせなどに異常のある状態のことです。先天的な原因でも、後天的な原因でも不正咬合になります。また、不正咬合は総称であって、さまざまな種類があります。不正咬合はただ上手く噛めないだけではありません。口の中のトラブルに繋がることもあるので注意してください。不正咬合の種類、治療法についてまとめました。
不正咬合とは?

咬合とは簡単にいえば「噛む」という行為であり、不正咬合は噛み合わせや歯並びが良くない状態のことです。つまり、顎(下顎と上顎)の位置がずれていたり、歯並びが悪かったりして、正常に噛み合っていないのが不正咬合になります。
ただし、不正咬合に厳密な定義はなく、どの程度のずれ、乱れがあると不正咬合になるという基準もありません。
不正咬合の原因

不正咬合の原因は生まれつきの先天的なもの、生活での癖などの後天的なものに分けられます。それぞれの具体的な原因について以下で説明していきます。
先天的な原因
不正咬合の先天的な原因は、歯並びや歯の数などへ影響する生まれつきの病気や遺伝です。例えば、上唇小帯(上の前歯の中央にあるひだ)や舌小帯(舌の裏側にあるすじ)の異常、唇顎口蓋裂(唇などに割れ目が残った状態で生まれてくること)などが該当します。
後天的な原因
一方、後天的な原因とは指をしゃぶるなどの癖です。
子どもが小さいうちは、指をしゃぶるという行為を止めさせる必要はありません。ただし、3歳以降は歯や顎へ影響が出ることもあります。
特に幼稚園や保育園に通う4歳、5歳になっても続く場合は注意してください。そのほかには衣類などを噛む癖も不正咬合の原因になります。
また、虫歯によって通常よりも早く乳歯を抜いた場合、本来後ろに生えるはずだった歯の位置にずれが生じて、不正咬合に繋がることもあります。
不正咬合の種類

不正咬合にはいくつかの種類があります。例えば、主な不正咬合には、以下のようなものが挙げられます。
【不正咬合の種類】
・叢生(そうせい)
・上顎前突(じょうがくぜんとつ)
・反対咬合(はんたいこうごう)
・開咬(かいこう)
・空隙歯列(くうげきしれつ)
・過蓋咬合(かがいこうごう)
・交叉咬合(こうさこうごう)
叢生(そうせい)
叢生は歯の生えている向きがバラバラだったり、歯同士が重なったりしている状態のことです。八重歯や乱杭歯などが該当し、顎が小さく、歯が生えてくる十分なスペースがないなど、顎と歯の大きさのバランスで起こります。
上顎前突(じょうがくぜんとつ)
上顎前突とは上の前歯、もしくは上顎骨が前に出ている状態のことです。いわゆる出っ歯が上顎前突に該当しますが、下顎が下がっていることで、上顎が相対的に前に出ているケースもあります。
上顎前突は先天的な要因に加えて、指をしゃぶるなどの癖が原因です。
反対咬合(はんたいこうごう)
通常、上下の歯を噛み合わせると、上の歯が下の歯よりも前に出ます。これが逆になった「下の歯が上の歯よりも前に出ている状態」が反対咬合です。
いわゆる受け口と呼ばれる状態で、場合によって外科手術が必要なこともあります。また、反対咬合は下顎前突とも呼ばれます。
開咬(かいこう)
開咬は噛み合わせたときに、上下の前歯の間に隙間ができる状態のことです。奥歯は上手く噛み合っているものの、前歯にスペースができてしまいます。咀嚼では、前歯で上手く噛めないため、必然的に奥歯にかかる負担が大きくなるほか、滑舌も悪くなりやすいです。
開咬は指をしゃぶるなどの癖が強く影響します。
空隙歯列(くうげきしれつ)
空隙歯列は歯と歯の間に大きく隙間ができた状態のことです。開咬は上下の歯の隙間でしたが、空隙歯列は隣の歯と大きく隙間が空いている状態を指します。
いわゆるすきっ歯のことで、顎と歯の大きさのバランスが悪かったり、歯の本数が少なかったりするのが原因です。
過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合は上下の歯を噛み合わせたときに、上の歯が下の歯を覆ってしまうほど噛み合わせの深い状態です。咀嚼に問題が出るほか、虫歯や歯周病、顎関節症などのトラブルにも繋がります。
交叉咬合(こうさこうごう)
交叉咬合は部分的に上の歯が下の歯の内側に入っている状態のことです。噛み合わせがずれることで、途中で奥歯、もしくは前歯の噛み合わせが上下逆になります。
反対咬合に似ていますが、反対咬合は主に前歯で起きている交叉咬合を指すことが多いです。
交叉咬合は見た目の問題だけでなく、顎にも影響があり、顎関節症などの原因になることもあります。
不正咬合の治療法

不正咬合の主な治療法は矯正装置です。歯に金属やセラミックなどでできたブラケットという装置を付け、そこにワイヤーを通して、歯の並びを矯正していきます。
また、弾力のあるプラスチックでできたアライナーと呼ばれるマウスピースなども使用されます。
不正咬合の状態や年齢などによっても異なるので、まずは専門医に相談しましょう。
不正咬合の治療は手術が必要?
不正咬合は前述した矯正装置による治療が一般的ですが、場合によっては手術も必要です。どのような状態かにもよりますが、顎の骨を削らないといけないケースもあります。矯正治療と同様に専門医とよく相談してください。
不正咬合の治療は保険が適用される?
歯の矯正に関しては「費用が高い」というイメージがありますが、それは、保険適用外となるケースも多いからです。
歯並びの悪さによる見た目の問題については保険が適用されません。ただし、手術が必要となるようなケースにおいては、保険が適用される可能性は高いです。
また、手術だけでなく、その後の矯正も保険適用となる場合もあります。保険が適用されるかは、顎変形症に該当するか、もしくは国の指定する疾患を原因とする不正咬合の場合です。
医療機関によっても異なりますが、対象は日本矯正歯科学会のホームページなどから確認できます。
不正咬合とは歯並び・噛み合わせの悪い状態

不正咬合はさまざまな種類がありますが、歯並びや噛み合わせの悪い状態の総称だと考えて構いません。不正咬合による見た目の悪さを気にする人も多いと思います。歯並びや噛み合わせで問題を抱えているなら、歯科医院で相談してください。
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こちらの記事の監修医師
四ツ谷デンタルオフィス
飯田 聡
〇病院名 :四ツ谷デンタルオフィス
〇医師 :飯田 聡
〇アクセス:東京都新宿区四谷三栄町12番7号 Terrace Site 四谷 1F
〇診療科 :歯科/矯正歯科/小児歯科/歯科口腔外科
《 経歴 》
鶴見大学歯学部 卒業
東京歯科大学病院臨床研修 修了
東京歯科歯科大学病院 勤務
都内歯科医院 分院長
大型医療法人 勤務
四ツ谷デンタルオフィス 開院
《 所属学会 》
日本顎咬合学会
日本口腔インプラント学会
インプラント 臨床研究会
Clear Smile Academy
インビザラインドクター
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