オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員

最終更新日:2022年4月13日

せきずいくうどうしょう脊髄空洞症

こちらの記事の監修医師
もり脳神経外科クリニック
森 達郎

概要

脊髄空洞症は、脊髄の中に脳脊髄液が貯留し、大きな空洞ができて脊髄を内側から圧迫することで、様々な神経症状や全身症状をきたす病気です。基本的に、脳や脊髄は脳脊髄液の中に浮かんでおり、外部からの衝撃を受けないように守られています。脊髄の中に脳脊髄液が溜まってしまうことで発症するのが脊髄空洞症です。2008年~2009年にかけて実施された調査では、全国の推定患者数は約2500人と報告されているように、脊髄空洞症は指定難病にも登録される希少疾患のひとつです。20〜30歳代の発症例が多いと言われていますが、男女差はなく、あらゆる年齢層に発症する可能性もあります。生まれつき小脳の一部が脊柱管に落ち込んでいるキアリ奇形と呼ばれる病態を伴うことも多く、キアリ奇形は代表的な脊髄空洞症の原因ともいわれています。基本的に遺伝することは無いと考えられていますが、一部には家族性に発病を認めることもあり、詳細は明らかになっていません。

原因

脊髄空洞症の原因には様々なものがあり、脳や脊髄関連の炎症や奇形、腫瘍性疾患や血管性疾患(梗塞や出血など)、脊髄損傷といった外傷などが挙げられます。特に先天性の奇形である「キアリ奇形」では、小脳が頭蓋骨からはみ出てしまい、脊椎の中に落ち込んでしまう状態になるため、脳脊髄液の循環が悪化して、脊髄中に脳脊髄液が大量に貯留してしまうことになります。しかし、奇形が発生する原因などの詳細は明らかになっておらず、根本的な病態のメカニズムは分かっていないのが現状です。遺伝などの影響も未だ明確になっていません。

症状

脊髄空洞症では運動神経系や感覚神経系に障害が発生するため、運動障害や感覚障害などの神経症状が出現します。基本的には片側の腕の感覚障害や脱力感などが初期症状となることが多いのですが、痛みやしびれ、不快感、力が入らないなどの症状を合併する場合もあります。上肢では筋肉の萎縮を伴う筋力低下、下肢では突っ張るような痙性の運動障害が生じます。空洞が出現する部位によっても症状は異なり、症状発現部位に関しても、上肢に症状が出るのか、下肢に症状が出るのかなどの違いが生じます。また、感覚障害は、肩から上肢にかけて両側に知覚の異常が出現し宙づり型とかジャケット型の知覚障害が特徴的です。感覚神経系の障害のなかでも、温度や痛みに関連する神経が傷害されるケースが多く、触られても痛みを感じない、触られても温度を感じないといった症状が出現する可能性もあります。空洞が拡大するに伴って、症状が広範囲に拡大していきます。延髄にまで空洞が拡大してしまうと、脳神経障害が出現するようになります。また、脊髄の自律神経の障害によって発汗の異常や血圧の低下を来すことがあります。

検査・診断

脊髄空洞症の診断を行うためには、頭部MRIやCTなどの画像検査を行う必要があります。画像診断においても、専門的な知識や経験が必要となる疾患であるため、脊髄空洞症を疑った場合には、早期に専門医や専門的な医療機関への紹介受診が必要になります。

治療

脊髄空洞症の原因は明確になっていないため、根治的な治療方法は明らかになっていません。しかし、脊髄空洞症の進行を防止し、空洞の拡大を抑制するための方法や、症状を緩和するための手段はいくつか発見されており、薬物療法や手術療法などが用いられています。手術療法としては「大後頭孔拡大術」と「空洞短絡術」の2種類が存在します。これらの手術によって、脳脊髄液の循環改善と、空洞の縮小効果が期待できると言われています。また、痛みやしびれなどの症状を改善するために、対症療法的に薬物療法やリハビリテーションなどが行われることがあります。

予防/治療後の注意

脊髄空洞症は原因が明らかにされていない疾患であり、指定難病にも登録されている希少疾患です。診断や治療、症状の緩和には専門的な知識や経験が必要となる疾患であるため、脊髄空洞症を疑った際には、より専門的な医療機関での療養が必要となる可能性もあります。

こちらの記事の監修医師

もり脳神経外科クリニック

森 達郎

〇診療科 :脳神経外科・内科・皮膚科・放射線科・小児科

《 経歴 》
平成5年 日本大学医学部卒
平成11年 日本大学大学院卒
平成11年 米国 ハーバード大学医学部 マサチューセッツ総合病院 神経科
平成14年 横須賀市民病院 脳神経外科医長
平成16年 日本大学医学部附属板橋病院 脳神経外科医長
平成20年 日本大学講師
平成21年 日本大学医学部附属板橋病院 脳神経外科科長
平成22年 日本大学駿河台病院 脳神経外科科長
平成23年 社会保険横浜中央病院 脳神経外科部長
平成26年 地域医療推進機構 横浜中央病院 脳神経外科主任部長
平成28年4月 もり脳神経外科クリニック開設
【資格・免許】
日本脳神経外科学会評議員 脳神経外科専門医
日本脳卒中学会会員 脳卒中専門医
日本神経外傷学会学術評議員
日本臨床スポーツ医学会評議員
日本脊髄外科学会会員 脊髄外科認定医
日本脳ドック学会会員
難病指定医 身体障害者福祉法第15条指定医
脳神経外科漢方医学会会員
日本認知症学会会員
介護支援専門員(ケアマネージャー)
日本老年医学会高齢者医療研修会終了

治療に適した診療科目

脳神経外科

脳神経外科のおすすめクリニック