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最終更新日:2021年10月2日

のうしゅよう脳腫瘍

脳腫瘍

まとめ

頭蓋骨の内側にできた腫瘍の総称を脳腫瘍という。頭蓋骨の内部は脳本体である脳実質を中心に、脳実質外の組織である脳を包む膜、脳神経、下垂体などで構成される。これらの頭蓋骨内部の各部位にさまざまな種類の腫瘍が発生する。脳腫瘍は、脳内部に生じる原発性脳腫瘍と、体の他部位に生じたがんが転移した転移性腫瘍がある。原発性脳腫瘍は、150以上に細分類され、良性腫瘍と悪性腫瘍がある。良性腫瘍と悪性腫瘍では発症部位が異なり、良性腫瘍では増殖速度が緩やかである。脳腫瘍の患者は10万人に10~15人程度とされ、全世代に発症する。

この病気の原因

主要な原発性脳腫瘍に、神経膠腫(グリオーマ)、中枢神経系原発悪性リンパ腫、髄膜腫、下垂体腺腫、神経鞘腫、頭蓋咽頭腫などがある。これらの原発性脳腫瘍の原因として、遺伝子の変異が挙げられるが、はっきりとした原因は明らかではない。髄膜種は女性の発症が多く、女性ホルモンとの関連が指摘される。転移性脳腫瘍は、全身にできたがんが脳に転移して発症する。原因となるがんとして最も多いのは肺がんで、次に乳がんが多い。その他、白血病の放射線治療が原因で脳腫瘍を生じることがある。

主な症状

腫瘍の種類に関係なく共通して起こりやすい症状に、頭蓋内圧亢進症状がある。これは腫瘍があるため頭蓋骨内圧が高くなり起こる症状で、頭痛や吐気、視力障害、意識障害などがあり、起床時に症状が強く現れる。急激に痛みを感じることはなく、徐々に感じることが多い。その他、腫瘍の部位により、まひ、言語障害、性格の変化、ホルモンの過剰分泌など、さまざまな局所症状(巣症状)が起こる。成人でけいれん症状があった場合、側頭葉の腫瘍を原因とするてんかん発作が疑われる。

検査/診断の方法

CTやMRI、PET(陽電子放射断層撮影)などの画像検査により、脳腫瘍の位置や大きさを判断する。また、脳に栄養を供給する血管と腫瘍との関係をみるため、造影剤を用いた脳血管造影検査を行うこともある。その他、SPECT(脳血流シンチグラフィー)、腫瘍マーカーなどの検査を行うこともある。ただし原発性脳腫瘍の種類は150以上あり、各症状や特徴はさまざまであるため、最終的な確定診断は、手術中の病理診断により判明することが多い。

主な治療方法

無症状の良性腫瘍では経過観察することもあるが、治療が必要な場合は腫瘍の切除手術を行う。腫瘍の性質や部位により、術後の生活に影響が出ることがあり、脳機能を温存しながら腫瘍を切除する範囲が問題となる。病理診断の結果も考慮しながら、切除範囲を手術中に判断することも多い。全ての腫瘍の切除が不可能な場合や、術後の組織検査により悪性腫瘍と判明した場合には、放射線治療や抗がん剤による化学療法などを行う。放射線治療は、通常の治療のほか、状況によりガンマナイフ、サイバーナイフなどを用いることがある。ガンマナイフやサイバーナイフは、ピンポイントで放射線が照射可能であり、外科的手術が難しい部位にも治療が行える。

治療後に注意すべき点/予防対策

発症原因が特定されていないため、具体的な予防は難しいが、生活習慣病に気をつけるなど、がん予防にも有効とされる健康的な日常生活を心がける。最近では脳ドックを行う医療機関が増加し、検査で脳腫瘍が見つかることがある。起床時に強い頭痛がある、食事との関連性のない吐気を伴わない嘔吐がある、視力の異常、成人後初めてけいれん発作を起こした、などの症状がみられた場合は、脳腫瘍の可能性を調べるため、早めに医療機関を受診する。

治療に適した診療科目

神経内科 脳神経外科

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