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最終更新日:2021年10月2日

ようついぶんりしょう腰椎分離症

腰椎分離症

まとめ

腰椎は脊椎の下から5つの椎骨を指すが、最下部の第5腰椎に発症しやすい疲労骨折を、腰椎分離症という。椎骨は、前方の円柱状部分を椎体、その後ろから出るアーチ状の部分を椎弓という。椎弓の斜め後方部分は細く衝撃に弱いため、スポーツなど激しい運動を繰り返すと疲労骨折により亀裂が入り、進行すると椎体と椎弓が分離する。これが腰椎分離症である。第5腰椎に発症しやすい理由は、脊椎の傾斜が大きく、負担がかかりやすいためである。椎弓の左右両側が分離すると、腰椎が前にずれる腰椎分離すべり症が進行することもある。

この病気の原因

骨が未発達な成長期に、野球、サッカー、バレーボール、バスケットボール、ラグビー、柔道などのスポーツで、身体の前後屈や腰のひねり、ジャンプからの着地動作を繰り返し過度に行うことが発症原因として多い。10~15歳の男児に多く、一般人の約5%、スポーツ選手の発症率は30~40%とされる。過度な練習で必ずしも発症せず、発症には体質的な要因が関係するととされている。まれに先天的な要因の発症もみられる。

主な症状

主症状は腰痛であるが、臀部や太ももに痛みが起こることがある。腰を後ろに反らす、腰をひねると痛みを感じる。安静時は痛みがない場合があり、発症に気づかないことも多い。2週間以上痛みが継続すると、腰椎分離症の可能性が高い。発症に気づかず放置し、高齢になり痛みが起こることがある。分離部分の神経が圧迫されると、座骨神経痛により腰から下肢にかけて痛み、しびれがある。進行して腰椎分離すべり症を発症すると、慢性的な腰痛や下肢のしびれなどがある。

検査/診断の方法

レントゲン検査で斜めに撮影し、腰椎の分離の有無と程度を調べる。「スコッチテリアの首輪」という、犬の首輪に似た骨折線を特徴とするが、発症初期ではレントゲンで確認できないことが多いため、CT検査、MRI検査を行う。画像診断により椎弓にひびが入った初期、分離が進行する進行期、完全に分離した終末期(偽関節型)に分類される。初期および進行期は、保存的治療にて骨癒合の可能性があるが、終末期では骨癒合は不可で、その判断はCT検査、MRI検査により行う。

主な治療方法

スポーツ活動を中止して保存的治療を行う。骨癒合の可能性がある場合は、患部に負担がかからないようコルセットを装着し、数ヵ月間安静を保ち骨の癒合を待つ。痛みには消炎鎮痛剤の服用、湿布の貼布、神経ブロック、けん引、低周波療法、温熱療法などを行う。腰痛は2~3週間で軽快することが多い。保存的治療の効果がなく、長期間痛みが継続し、神経圧迫とみられる症状がある場合や、分離した腰椎がすべり症に進行した場合は、手術治療を検討する。手術は除圧術と固定術がある。除圧術は神経を圧迫している骨などを切除する手術で、固定術は腰椎の状態が不安定な場合、本人の骨盤などから骨を移植したり、金具を入れて腰椎を固定する手術である。手術は固定術が選択されることが多い。

治療後に注意すべき点/予防対策

治療にて骨癒合した場合は、再発予防にストレッチなどの運動を行う。腰椎の負担を軽減するため、腹筋と背筋を鍛えるとよい。股関節が固いと身体をひねったときの腰への負荷が大きいため、太ももの筋肉も含めた股関節周辺のストレッチが有効とされる。骨癒合できなかった場合は、慢性的腰痛となることが多いが、定期的に診察を受け、痛みをコントロールしながらスポーツ活動を行うことは可能である。

治療に適した診療科目

整形外科 リハビリテーション科

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