疥癬

最終更新日:2021年10月5日

かいせん疥癬

疥癬

まとめ

疥癬は、ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生し皮膚疾患が起こる。ヒゼンダニは非常に小さなダニで直接目に見えず、虫眼鏡などで拡大すると見える大きさのダニである。3~4日で卵から生まれ、成虫になると4~6週間は毎日2~3個の卵を産卵する。疥癬は人から人へ感染するが皮膚でのみ発症し、他臓器や骨への影響はなく、命に関わる疾患ではない。直接感染のほか、衣類、ベッドや布団などの寝具を介した間接的接触でも感染する。疥癬には通常疥癬と角化型疥癬がある。

この病気の原因

ヒゼンダニという小さなダニの皮膚への寄生が発症原因となる。ヒゼンダニは小さく目には見えず、人の体温がヒゼンダニにとっての適温で、人肌から離れると長く生きられない。高熱や乾燥に弱く、50℃以上に10分以上さらされると死滅する。メスの成虫は卵を産むため、手首や手の平、指間や指の側面、肘、脇の下、足首や足裏、男性の外陰部などに疥癬トンネルと呼ばれる横穴を掘り卵を産みつける。この疥癬トンネルと赤いブツブツが通常疥癬の特徴である。赤いブツブツは強い痒みを伴い、お腹や胸、脚や腕にできやすい。通常疥癬で原因となるヒゼンダニは数十匹以下で、免疫力が低下していなくても感染するが、感染力は弱い。

主な症状

通常疥癬では、皮膚に寄生したヒゼンダニは発症者の約半数で5匹以下とされる。メスが卵を産みつけるために作った疥癬トンネルと赤いブツブツが特徴で、赤いブツブツはお腹や胸、脚や腕などに多く発生し、夜間はかゆみが強くなる傾向がある。男性の外陰部に数ミリ程度のしこりがみられることがある。角化型疥癬では、皮膚に寄生したヒゼンダニは約100万~200万匹で、感染力が強い。患者の免疫力は低下していることが多い。症状は灰色から黄白色のザラザラした厚く蓄積した垢が、手足、お尻、肘、膝、爪に生じる。手の平や足のみなど一部分のみに症状が出ることもある。患者によってかゆみの程度は異なり、全くかゆみのないこともある。

検査/診断の方法

顕微鏡やダーモスコピー検査で皮膚にヒゼンダニの虫体や卵が見つかれば確定診断となる。顕微鏡検査では、症状が現われた皮膚の一部をピンセットやハサミで採取し、顕微鏡で観察する。ダーモスコピー検査では、ダーモスコープという特殊な皮膚拡大鏡を用いて、直接皮膚を観察してヒゼンダニを確認する。血液検査では疥癬の診断はできない。皮膚科専門医でもヒゼンダニの発見は難しいことがあり、疥癬患者との接触、皮膚の状態、ヒゼンダニによる疥癬トンネルの有無などで総合的に診断する。

主な治療方法

ヒゼンダニを駆除する効果のある内服薬や塗り薬にて治療する。抗生剤のイベルメクチンは通常1回を空腹時に水のみで服用する。角化型疥癬ではイベルメクチン1回目を服用後、1~2週間以内に効果を確認のうえ、2回目の投与を検討する。多くは1回もしくは2回の服用で治療効果がみられる。塗り薬にはフェノトリンローション、イオウ剤、クロタミトンクリーム、安息香酸ベンジルなどがある。安息香酸ベンジルは特殊製剤であり、処方には患者あるいは代理人の同意が必要である。かゆみ症状に対しては抗ヒスタミン薬の内服にて治療することが多い。塗り薬は症状のない箇所も含め、首から下の全身にくまなく塗る必要がある。自分で手が届かない場合は人に手伝ってもらいながら塗り残しのないようにする。

治療後に注意すべき点/予防対策

疥癬は適切な治療を行うと2週間で症状が落ち着き、通常疥癬では約1ヵ月、角化型疥癬では約2ヵ月で快方へ向かう。家族に疥癬患者がいるときは、感染予防のため手をしっかり洗う。感染力が強い角化型疥癬では、患者に触れる際は手袋や感染予防用の服を着る。また、患者の洗濯物は50℃以上のお湯に10分以上浸した後、洗濯する、乾燥機で乾かすなどの対策を行う。患者はできるだけ個室で療養し、掃除の際はモップや粘着シートなどで落屑した皮膚を回収した後、掃除機で吸い取るなど丁寧に行う。感染力の弱い通常疥癬では過剰な対応を取らないように気を付ける。

初診に適した診療科目

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