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アキレス腱断裂【イシャチョク】

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最終更新日:2022年2月22日

あきれすけんだんれつアキレス腱断裂

こちらの記事の監修医師
田園調布長田整形外科
長田 夏哉 

概要

アキレス腱断裂は、アキレス腱と呼ばれる足のふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)が急激に伸縮し、筋繊維がその負荷に耐えきれずに断裂することで発生します。ふくらはぎの筋肉を突発的に使用するような動作によって生じやすく、ジャンプやダッシュなどの運動によって起こりやすいことが知られています。経年的な老化や日常的な運動不足などによって、筋肉の可動域が狭くなってくる30歳代後半から40歳代が好発年齢であるといわれています。断裂後には、ふくらはぎの痛みや足に力が入らない(入りにくい)といった症状が発生しますが、歩けなくなるということは稀です。

原因

アキレス腱断裂の直接的な原因の大半は、運動時の踏み込みやダッシュ、ジャンプなどの突発的な動作です。ストレッチなどのゆったりとした動きで起こるというよりも、ふくらはぎの筋肉が急激な伸縮するような動作時に断裂のリスクが高くなります。特に、30歳代から40歳代の運動愛好家に多く発生することが知られています。日常的に運動を行っている人であっても、不意にダッシュやジャンプなどで筋肉を伸縮することによって断裂が引き起こされる可能性があるため注意が必要です。一方、アキレス腱断裂は10代の若年層にも発生する場合があり、スポーツ活動や体育の授業中などにアキレス腱を断裂したというケースも少なくありません。

症状

アキレス腱断裂直後は立ち上がることができなくなり、その場にうずくまってしまう(倒れ込んでしまう)場合が多いです。その際に頭部を強打するなどの二次的な受傷の危険性もあります。アキレス腱断裂時には、ふくらはぎに強い衝撃を受けたように感じる人が多く、断裂時の音(破裂音)を自覚することもあります。衝撃とともに痛みが出現し、その場で座り込んでしまうというケースが多数です。一方、アキレス腱断裂後であっても歩行が可能である場合が多く、足に圧痛を感じたり、力が入りにくいということはあっても、歩行ができなくなるという症例は稀です。

検査・診断

アキレス腱断裂時には、アキレス腱の断裂部分を触診することで、凹みを確認することができます。凹みの部分(断裂部)を押した際に圧痛がある場合が多いです。また、うつ伏せで膝を直角に曲げた状態にして、ふくらはぎを強くつまむThompson テストと呼ばれる診断方法があります。Thompson テストを行うと、アキレス腱が正常な場合、足首や足関節が底屈しますが、アキレス腱が断裂している場合、この動きが認められなくなります。基本的には、アキレス腱断裂は骨折を伴わないため、通常のレントゲン検査(X線検査)では異常を認めません。

治療

アキレス腱断裂の治療方法は2つに大別することが可能です。ギプスや装具を用いて治療する保存治療、そして、手術によって断裂したアキレス腱を直接縫合する手術治療です。どちらの場合もギプスによる固定をおこない、固定中は松葉杖を使用して移動することになります。どちらの治療方法も長期的な治療成績は良好ですが、手術を選択した場合、ギブスの固定期間は短くなり、仕事やスポーツなどへの復帰が早くなることが多いです。一方、手術をするということ自体にリスク(感染症などの合併症)があるだけではなく、治療のコストも高くなります。保存治療を選択した場合、数カ月間のギブス固定・装具装着期間があり、その後歩行訓練などのリハビリテーションなどが開始されます。数カ月間の松葉杖生活によって筋肉が衰えてしまうため、筋肉を元の状態に戻すためには、半年以上のリハビリテーションが必要になる場合も少なくありません。仕事やスポーツ、学業などへの影響を考慮しながら、患者さんのライフスタイルに応じた治療方法を選択していくことになります。

予防/治療後の注意

アキレス腱断裂後には時間をかけてリハビリテーションを行い、元の状態にまで筋肉を回復させることが重要です。保存治療の場合でも、手術治療の場合でも、再断裂率には差がないことが報告されていますが、それぞれの治療スケジュールやリハビリテーション期間をしっかりと守って治療することが大切です。運動に早く復帰したい、筋肉を早く取り戻したいと焦るあまり、無理をして早期から高負荷のトレーニングをしてしまうと、再断裂などのリスクが高くなるため注意が必要です。復帰後もアキレス腱や足首のサポーターなどを使用しながら徐々に筋肉と体を慣らしていくことが勧められます。

こちらの記事の監修医師

田園調布長田整形外科

長田 夏哉 

《経歴》
日本医科大学卒業後、慶應義塾大学整形外科学教室に入局し整形外科専門医の研鑽を積む。
主流医学に没頭する中、自然な流れで全体性の視点を育みボデイ・マインド・スピリット視点のトータルヘルスケアについても研鑽を深める。
平成17年田園調布長田整形外科を開院、独自の直観医療で多くの方が「生き方」のアドバイスに訪れる。
日本整形外科学会専門医。
日本スポーツ協会公認スポーツドクター。
日本スポーツビジョン協会理事長。
「人生が変わる不思議な診察室」サンマーク出版など著書多数。

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