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最終更新日:2022年3月8日

だいたいこつけいぶこっせつ大腿骨頸部骨折

こちらの記事の監修医師
橋間診療所
橋間 誠

概要

大腿骨とは、太ももの骨のことを言います。足の付け根部分の大腿骨、いわゆる股関節には大腿骨頭があり、続いて膝の方に向かって頸部、転子部、転子下と部位が分かれています。大腿骨頸部骨折は、大腿骨の頸部で起こる骨折で、股関節を包む膜(関節包)の中で生じます。そのため、出血は少なく股関節や大腿部の腫れは少ないですが、股関節に強い痛みを生じます。ほとんどの場合、立つことや歩行が困難となります。高齢者が転倒し、立ち上がれなくなった場合は、原因として大腿骨頸部骨折が考えられます。

原因

大腿骨は人間骨格の中で一番長い骨であり、体重を支えるために頑丈にできていますが、大腿骨頸部には湾曲があるため、転倒や転落などで外力がかかりやすい部分でもあります。 多くは高齢者によく見られる怪我であり、軽い転倒やひねりなど些細なことで生じています。高齢になると運動能力が低下したり、視力障害により転倒しやすくなること、骨粗鬆症により骨が弱くなることが要因として挙げられます。また骨粗鬆症は女性に多いため、高齢の女性に多く見られます。

症状

股関節に強い痛みを感じ、歩くことや立つことが困難となります。長い間動けない状態が続くと、筋力の低下により、床ずれ、肺炎、深部静脈血栓などの合併症を起こしやすくなります。また、認知症の発症や悪化を引き起こしやすくなります。

検査・診断

高齢者が転倒し、立つことや歩行が困難となったら、まず大腿骨頸部骨折を疑い、エックス線(レントゲン)診断を行います。ひび(亀裂骨折)の場合、エックス線では判りにくいことが多く、その場合はMRI検査をすることもあります。

治療

寝たきりによる床ずれや肺炎等の合併症が生じやすいため、早期の手術治療が推奨されています。関節包内の骨折となるため、骨癒合しづらく、骨折部のずれが小さい場合でも、チタン性のスクリュウを用いた金属などで固定する骨接合術を行います。骨折部が大きくずれていたり、外れてしまっている場合は、大腿骨頭に血液を供給する動脈が損傷され、骨頭壊死を起こす可能性が高いため、人工骨頭挿入術や人工股関節置換術を行います。人工骨頭挿入術は、大腿骨の股関節部分を切り取り、金属やセラミックでできた人工骨頭と交換する手術です。 人工股関節置換術は、痛んだ股関節内の骨や軟骨を削り取り、股関節の受け皿となるソケット、骨頭部分のボール、大腿骨に挿入したステムといった金属やセラミック等でできた人工の股関節と交換する手術です。骨折前に歩行していた等、活動性の高い方には人工股関節置換術、活動性が低い場合には人工骨頭挿入術が推奨されています。合併症などで全身状態が悪い場合や骨折前が寝たきり、車椅子移動などの場合は、保存療法が選択されることもあります。

予防/治療後の注意

適切な治療を行っても、全ての方が骨折前と同じ日常活動レベルに復帰できるわけではないのが現状です。そのため治療後は、できる限り早期にリハビリテーションを開始します。 通常、術後の翌日から数日でベット上での座位訓練が行われます。そして歩行能力の回復には、骨折前の歩行能力と年齢が大きく影響すると言われています。また、半年から1年後に元通りに歩行能力が回復するのは全体の約50%程度であり、本人の努力と家族のサポートや励ましが大切になります。予防としては、大腿骨頸部骨折では生命予後が悪化するとも言われているため、骨折をしないことが重要となります。大腿骨頸部骨折の原因として骨粗鬆症が挙げられるため、骨粗鬆症に対する薬物治療、食事、運動療法が骨折の予防に有効であると言われています。また転倒予防、骨粗鬆症予防のために、運動療法が有効であると検証されています。

こちらの記事の監修医師

橋間診療所

橋間 誠

〇アクセス: 南海本線 春木駅 徒歩15分
       阪和線 久米田駅 徒歩15分
〇診療科 : 整形外科、内科、皮膚科、リハビリテーション科

【資格】
日本整形外科学会認定医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本医師会健康スポーツ医
産業医
学校医
ネバダ州立大学 マット&マシン ピラティスインストラクター
NY ピラティスアカデミー インターナショナル マットインストラクター
FHA 認定シューフィッター
JNWA 公認ノルディックウォーキングインストラクター

治療に適した診療科目

整形外科

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