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最終更新日:2023年2月25日

そくていけんまくえん足底腱膜炎

こちらの記事の監修医師
新宿ホームクリニック
名倉 義人

概要

人間の足底には、踵の骨から足の指の付け根にかけて、強靱な線維状の組織である腱が膜のように広がっており、これを足底腱膜といいます。足底腱膜は、アーチ状になっている足の土踏まずを支えて、足への衝撃を和らげるクッションとしての働きを担っています。さらに、足にかかる衝撃を吸収するだけでなく、吸収した衝撃を利用して、蹴り出すエネルギーとして活用する役割も担っています。しかし、足底腱膜に過剰なストレスが加わることで、足底腱膜と骨の付着部で炎症が起こることがあります。このように足底腱膜が炎症を起こした状態を足底腱膜炎といいます。

原因

足底腱膜炎の原因として、強い衝撃が加わるスポーツなどが挙げられます。陸上競技や球技などのスポーツなどにより、繰り返し衝撃を足裏に与えることで、足底筋膜や筋肉が固くなり、足底腱膜炎を引き起こします。また、靴が自分の足に合っておらず、踵が固定されていなかったりクッション性がなかったりすると、足底腱膜に負担がかかり、痛みが出やすくなります。また、ハイアーチや扁平足の人は、足底に不均等なストレスがかかっているため、足底腱膜に負担がかかりやすい状態です。足裏にタコが出来ている人も注意が必要です。また、ふくらはぎやアキレス腱などの筋肉が硬いと、足の踏み返しの際に足底腱膜に負担が出やすくなります。また、疲労の蓄積や、加齢も原因となりえます。また、アスファルトなど地面が硬い場所での運動は、常に強い衝撃が足底に加わるため、足底腱膜が硬くなり炎症を起こしやすくなります。

症状

足底腱膜炎を起こすと、足底腱膜の起始部である踵の前方や、中央部(土踏まず)、足趾の付け根などに痛みが出現します。朝起きてから初めて歩く際、長時間座った状態から急に歩いたとき、また運動後や運動翌日などに痛みを感じます。歩行時間や距離が長いと痛みが増強します。階段やつま先立ち、足の裏の圧迫によっても痛みを感じます。慢性化すると、踵の骨に骨棘というトゲのような突起ができて、さらに痛みが増すことがあります。

検査・診断

足底腱膜炎の検査では、触診や、レントゲン検査やMRI検査などの画像診断、超音波検査などが行われます。触診では足底の圧痛や、腫れや痛みの部位などを確認します。レントゲン検査は、骨の変形や他の疾患との鑑別をするために必要な検査です。骨には異常がないことが多いですが、踵骨棘が出来ていることもあります。超音波検査では、足底腱膜の腫れや肥厚、炎症などの有無を確認します。MRI検査は、より精密に炎症の程度や範囲、腱の損傷程度などを確認するために行います。

治療

足底腱膜炎の治療は保存的療法が基本であり、ストレッチや筋力トレーニングを行う理学療法、電気刺激などを利用した物理療法、薬や湿布などの薬物療法、インソールなどの装具療法を行います。痛みが強い場合は、スポーツは一時的に中止します。靴を柔らかいクッション性のあるものにすると痛みが軽減することが多いです。痛みに対しては非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などによる薬物療法を使用することもあります。保存療法を行っても痛みの改善が見られない場合は、手術の検討も必要となる可能性があります。

予防/治療後の注意

足底腱膜炎の予防のために、ふくらはぎや足底のストレッチ、足趾のトレーニングなどが有効です。また自分に合ったシューズを履き、適宜インソールやパッドを使用して、足底アーチへの負担を減らし、体重を支えやすい環境を作ります。スポーツは練習量などをコントロールして無理のない範囲で行い、症状が出た場合は無理をせず休養するようにしましょう。

こちらの記事の監修医師

新宿ホームクリニック

名倉 義人

《診療科》
内科・整形外科

《経歴》
平成21年 名古屋市立大学医学部卒業後、研修先の春日井市民病院で救急医療に従事
平成23年 東京女子医科大学病院 救急救命センターにて4年間専門医として勤務
平成27年 東戸塚記念病院で整形外科として勤務
令和元年 新宿ホームクリニック開院

《資格》
救急救命専門医

《所属学会》
日本救急医学会
日本整形外科学会

治療に適した診療科目

整形外科

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