bool(false) bool(false)
下垂体腺腫【イシャチョク】

オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2021年10月8日

かすいたいせんしゅ下垂体腺腫

下垂体腺腫

まとめ

下垂体は頭蓋骨内部にある内分泌器官で、さまざまなホルモンを分泌し、体の状態を制御している。下垂体腺腫は下垂体にできる良性腫瘍で、ホルモンを過剰分泌する「機能性下垂体腺腫」とホルモンを分泌しない「非機能性腺腫」に大別される。機能性下垂体腺腫は、過剰分泌されるホルモンの種類により、症状が異なる。下垂体腺腫の発症率の内訳は、非機能性腺腫は約40%、機能性下垂体腺腫のプロラクチン産生腺腫は約30%、成長ホルモン産生腺腫は約20%、副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫は約5%、甲状腺刺激ホルモン産生腺腫は約1%、その他は約4%である。

この病気の原因

下垂体腺腫は下垂体の一部の細胞が腫瘍化し、その多くは良性腫瘍である。腫瘍ができる原因は不明だが、食事などの生活習慣や行動が腫瘍発生に影響せず、遺伝的要素もみられないとされる。妊娠、出産、ホルモン療法などの内分泌学的な環境の変化が、発症に多少の影響を与えている可能性が考えられている。

主な症状

腫瘍が視神経を圧迫して視力・視野障害が生じ、脳脊髄液の流れが障害され水頭症をきたすことがある。非機能性線種ではホルモンの減少により下垂体機能低下症が生じ、女性では月経不順、無月経、男性では性欲低下や勃起不全などの症状がみられる。腫瘍内で出血があり、突然の頭痛、視力・視野障害などがみられることがある。機能性下垂体腺腫では、過剰分泌されるホルモンの種類によりそれぞれ症状は異なる。プロラクチン産生腺腫では、女性は月経不順や無月経、男性は性欲低下や勃起不全の症状がみられ、成長ホルモン産生腺腫では巨人症、先端巨大症の症状がみられる。副腎皮質刺激ホルモン産生腺腫では高血圧症や糖尿病のほか、顔が丸くなり手足に比べ胸や腹部が太る中心性肥満となるクッシング病を発症することがある。

検査/診断の方法

頭部エックス線撮影、CT・MRI検査にて腫瘍の大きさや増大などを確認し、周囲の動脈や視神経との位置を把握する。機能性下垂体腺腫を疑う場合は、血液検査や尿検査にて血液や尿に含まれるホルモンの値などを調べる。ホルモン分泌・刺激する物質を投与し、一定時間ごとに採血を行う内分泌学的検査にて分泌されたホルモンを調べ、その変化をみる検査を行う。また、視力、視野、眼底の精密検査も必要である。経鼻手術を行う場合は、鼻や副鼻腔に炎症や異常がないか確認する。

主な治療方法

一般的に経鼻手術を行うが、腫瘍の位置・大きさ・増大の程度によって開頭手術を行う場合もある。視力・視野障害は手術直後から回復していく。また、手術で切除しきれない腫瘍がある場合は、薬物治療や放射線治療を行う。プロラクチン産生腺腫、成長ホルモン産生腺腫、甲状腺刺激ホルモン産生腺腫では薬物治療を行うこともある。薬物治療は腫瘍の増殖を抑えるが、腫瘍を消滅させる効果はないため、長期間の通院が必要である。手術後も定期的に通院してホルモン検査を行い、年に1度はMRI、あるいはCT検査を行う。検査の結果に応じホルモンを補充療法を行う。健康的な社会生活、家庭生活を維持するためには、根気よく検査、治療を続ける必要がある。

治療後に注意すべき点/予防対策

治療に適した診療科目

脳・神経内科 脳神経内科 脳神経外科 腫瘍外科

脳・神経内科、脳神経内科、脳神経外科、腫瘍外科のおすすめクリニック