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最終更新日:2022年2月17日

きょうはくしょう{きょうはくせいしょうがい}強迫症(強迫性障害)

こちらの記事の監修医師
つきじ心のクリニック
榊原 聡 院長

概要

強迫症とは、なにか特定のことに対して、「強迫観念」と呼ばれるきわめて強い不安をもち、それを打ち消すための行為(強迫行為)を繰り返すようになる疾患です。「鍵をしっかりと締めたか不安になって何度も鍵を確認してしまう」、「ガスの火を止めたどうか不安になって何度も戻って確認する」、「手に細菌がついているのではと不安になって何度も繰り返し手を洗う」など、患者さんによって様々な強迫行為が存在します。強迫性障害では、自分でも不合理だとわかっていてもその考えが頭から離れず、不合理だとわかっていながら何度も同じ行動などを繰り返してしまうため、他人に説得されてもなかなか強迫行為を止めることができません。人間誰でも「戸締まりしたかな?」というような不安を感じることはありますが、それによって日常生活に問題が起こっている場合には、強迫症としての治療が必要になります。

原因

強迫症のメカニズムとして、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの影響が示唆されています。セロトニンの働きに異常が生じることで、不安や心配などの感情のコントロールが難しくなっている可能性があります。しかし、明確な原因は明らかになっていません。責任感が強く、まじめな性格の人が発症しやすい疾患であり、特に、完璧主義で仕事をテキパキとこなすような人に起こりやすいです。また、生活や仕事上の変化があったり、大きな失敗をしてしまったことなどがトラウマとなり、強迫観念や強迫行為が出現する場合もあります。その他、人間関係のトラブルや仕事のストレス、いじめなどが原因となる例も少なくありません。

症状

強迫症の代表的な症状には様々なものがあり、「汚れや細菌汚染の恐怖から過剰に手洗いを繰り返し、ドアノブや手すりなどが触れなくなる」、「誰かに危害を加えたかもしれない、自分は事件の加害者かもしれないという不安がこころを離れなくなり、何も手につかなくなる」、「戸締まり、ガス栓、電気器具のスイッチを過剰に、何度も確認しないと気がすまなくなる」、「自分の決めた手順やルールでものごとを行わないと、大変なことになってしまうという不安を感じる」などです。その他には、占いや縁起物(おみくじ)などに過剰に反応してしまうこともあります。これらの症状は、人間誰しもが感じる“普通の”不安ですが、強迫症を発症している場合、過剰に不安を感じることで、仕事に行けない、不安で何も手につかないなど、日常生活に大きな影響が及びます。

検査・診断

患者の性格や環境、精神疾患の既往歴や服薬歴、家族の精神疾患の既往歴などについて総合的な問診を行い、いつから症状が発現しているのか、どんな時に不安を感じるのか、など病状と発症の原因を調査します。脳炎やてんかんなどの疾患が影響している場合もあるため、必要に応じて頭部CT検査やMRI検査などの検査が実施されることがあります。問診時には、本人だけではなく、家族や本人に近い人などの話を聞くことも重要になります。

こちらの記事の監修医師

つきじ心のクリニック

榊原 聡 院長

【経歴】
茨城県に生まれ育つ。千葉県出身。
旭川医科大学医学部卒業(1994年)
北海道大学附属病院精神科勤務(1994-95年、1998-2002年)
北海道大学大学院医学研究科卒業(2002年)
北海道立向陽ヶ丘病院(網走)(1995-97年)
札幌花園病院(1997-98年)
国立十勝療養所(2002-03年)
国立国際医療センター精神科(2003-04年)
国境なき医師団(2004年:パレスチナ自治区、新潟中越地震にて活動)
札幌トロイカ病院精神科副院長(2004-11年)
東京都立松沢病院精神科医長(2011-17年)
つきじ心のクリニック院長(2017年)
鑑定経験は計61件(起訴前鑑定27件、公判鑑定17件、簡易鑑定13件、医療観察法鑑定4件)(2021年5月現在)

【資格・所属学会】
精神保健指定医
精神科専門医・指導医
医学博士
日本医師会認定産業医
学会認定精神鑑定医
国境なき医師団海外派遣医師
日本精神神経学会
日本睡眠学会
日本司法精神医学会

治療に適した診療科目

精神科 心療内科

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