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最終更新日:2022年4月14日

きょうかくでぐちしょうこうぐん胸郭出口症候群

こちらの記事の監修医師
立川病院|国家公務員共済組合連合会
小倉 洋二

概要

胸郭出口症候群とは、何らかの原因によって、首と胸の間に存在する胸郭出口とよばれる通路部分を通る神経が圧迫されることで、肩や腕、手のしびれや痛みなどの症状が出現する疾患です。肩こりや肩こりに伴う頭痛や眼精疲労、首のこりなどの症状として出現することもあれば、手や指先が動かしにくくなるなどの症状が出現する可能性もあります。 主な神経の圧迫箇所としては、首の横の筋肉である斜角筋の間、肋骨と鎖骨の間、脇の下などが挙げられ、神経の圧迫部位によって出現する症状が異なります。頸椎椎間板ヘルニア、手根管症候群、肘部管症候群などでも、肩や腕、指先などにしびれや痛みが発現するため、これらの疾患との鑑別が重要になります。 画像検査などの精密な検査を行っても、明らかな神経の圧迫が確認されない場合もあり、原因の特定が困難なことも少なくありません。胸郭出口症候群は、「なで肩」の姿勢の人に多く、女性に発症しやすい疾患でもあります。また上半身や腕の筋肉を鍛えている人も神経の圧迫が起こりやすく、胸郭出口症候群の症状を発症するリスクが高まります。

原因

胸郭出口症候群は、首と胸の間の胸郭出口と呼ばれる部分を通る神経が、何らかの原因によって圧迫を受け、神経の影響が及ぶ肩や腕、手などに痛みやしびれなどの症状が出現する疾患です。姿勢や骨、筋肉などの影響を受けて神経が圧迫される場合が多く、一般的にはゆっくりとした経過で症状が進行していきます。慢性的な肩こりや首こり、手のしびれなどの症状によって発見されることが多いです。 特に、毎日姿勢(立ち姿勢や座り姿勢など)は発症の原因となりやすく、症状の改善や予防には姿勢の改善が必須となる場合があります。また、重いものを運んだり、無理な姿勢を長時間続けることで、 胸郭出口症候群を発症する場合もあります。

症状

胸郭出口症候群の主な症状は、肩こりや首こり、手や指先のしびれなどです。特に慢性的な肩こりとして自覚されることが多く、他の原因による肩こりなどと鑑別することは難しいです。 症状が悪化することで、次第にしびれや痛みは強くなるため、手の握力が低下したり、指先を思うように動かせなくなったりなどの症状が出現する可能性があります。姿勢によって神経の圧迫度に差が出るため、特定の姿勢の時にのみ痛みやしびれが発現するというケースも少なくありません。 特に前かがみになったり、肩を落とす姿勢によって症状が強くなるという場合が多いです。さらに、神経だけではなく血流の障害も発生するため、手の冷えや手の血行不良、感覚障害などが出現する可能性もあります。頸椎疾患と症状が似ているため鑑別が必要となります。

検査・診断

胸郭出口症候群を診断するためには、病歴や生活習慣などの詳細をしっかりと問診することが重要です。肩こりや首こりなどの一般的な症状がメインとなるため、症状だけで他の疾患と鑑別を行うことは非常に難しいです。骨や筋肉など明らかな原因を除外していくことで、診断に至ることがあります。必要に応じてレントゲン検査やMRI 検査などを行います。

治療

痛みやしびれに対しては鎮痛薬や湿布薬などを用いて対症療法を行います。根本的な解決を行うためには、胸郭出口症候群の原因を探り、姿勢や筋肉を正していくということが重要になります。必要に応じてストレッチや筋肉トレーニングなどの運動療法を行います。対症療法によって痛みを取り除きながら運動を行うことで、よりスムーズな動作が可能となるため、無理をして痛みを我慢せず、しっかりと痛みを取り除きながら根本的な解決を目指すということも大切になります。重症な場合であれば、神経が圧迫されている部位に対して、痛みを和らげるための神経ブロック注射や手術などで通路を広げる処置などが検討されることもあります。

予防/治療後の注意

胸郭出口症候群を予防し治療するためには、姿勢を正し、ある程度の筋肉をつけ、関節の可動域を大きくするなどの対策が必要になります。そのため、時間をかけて毎日コツコツと行うリハビリテーションが重要になります。軽症例では、普通の肩こりや首こりなどと見過ごされてしまう場合も多く、慢性的な痛みに繋がってしまう可能性があります。毎日の姿勢や運動習慣などを見直すことが大切です。

こちらの記事の監修医師

立川病院|国家公務員共済組合連合会

小倉 洋二

〇診療科 :整形外科

【資格】
日本整形外科学会 専門医
日本整形外科学会 認定脊椎脊髄病医

治療に適した診療科目

整形外科

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