骨折

最終更新日:2021年10月2日

こっせつ骨折

骨折

まとめ

外力により骨の連続性が断たれた状態が「骨折」です。骨折はあらゆる部位に生じ、完全に折れると、骨片同士が曲がり、捻れ、潰れるといった“ずれ”が生じます。この“ずれ”を「転位」といいます。転位のない骨折は「ひび」または「不全骨折」といわれます。骨折を原因別に分類すると、外傷性骨折、病的骨折、疲労骨折となります。骨折を形態別に分類すると、横骨折、斜骨折、らせん骨折、粉砕骨折となります。「粉砕骨折」は、骨片が3つ以上に分かれた骨折で、骨がバラバラになった状態です。軟部組織(皮膚・筋肉)損傷度により、開放骨折と閉鎖骨折(または皮下骨折)に分かれます。開放骨折は傷があり骨折した骨が外に飛び出した状態で、皮膚壊死、感染、癒合不全などの合併症が多く難しい治療となります。骨折の部位、程度、原因、形態、軟部組織の損傷により、治療法は異なります。

この病気の原因

外傷性骨折は、交通事故や転落・転倒などで大きな外力が骨に加わり起こります。病的骨折は、骨粗鬆症や骨腫瘍により骨強度が弱くなり、小さな外力で起こります。小さな外力とは、立った状態からの転倒や、それより小さな力が加わることを指します。骨粗鬆症による病的骨折は、「脆弱性骨折」といいます。骨腫瘍による病的骨折は、腫瘍により骨が溶け弱くなり骨折に至ります。疲労骨折は、通常では骨折しない程度の外力を長期間繰り返し受け、徐々に骨が損傷します。スポーツ選手の下腿や足部の骨に起こりやすいです。また、高齢者では日常生活で繰り返し発生する小さな外力により脆弱性骨折となることがあります。

主な症状

骨折の症状は、腫脹、皮下出血、疼痛、圧痛、変形、異常可動性、機能障害です。骨の周囲は神経や血管が豊富なため、骨折すると強い痛みと腫れを生じます。骨折部とその周囲の出血が皮下に広がるとあざができて変色します。皮下出血は骨折部位から離れた場所まで広がり、数週間は広範囲にあざができることがあります。転位のない骨折でもその部位を圧迫すると痛みがあります。転位のある骨折では、外見から変形や骨折部での異常な動きが確認され、歩行・可動不能といった機能障害が起こります。幼児や高齢者など、骨折の経緯や症状をうまく伝えられないときは、骨折に気付くことが遅れる場合があります。骨折は、神経損傷、コンパートメント症候群、脂肪塞栓症などを合併することがあります。

検査/診断の方法

骨折の経緯や症状、病歴などを問診にて確認し、身体診察を行い、打撲や捻挫・脱臼との鑑別のため、レントゲン撮影を行います。レントゲンではわかりにくい骨折を疑う症例、関節周囲の骨折は、必要に応じてCT・MRI検査を行います。また、子どもの骨は成長による変化や個人差が大きく診断が難しいため、受傷側・健常側の両方をレントゲン撮影して比較することもあります。

主な治療方法

「整復」と「固定」による治療を行います。「整復」とは、骨折による転位部分を可能なかぎり元通りの状態に戻すことで、患肢を引っ張ったり、曲げて行います。完全に元通りの形態にできなくても許容範囲内であれば問題ありません。骨折部が再び転位しないよう、キャスト(ギプス)やスプリント(シーネ)などで「固定」します。骨癒合が進行し、再転位を生じなくなるまで固定状態にします。「整復」と「固定」にてうまく治療できない場合は、手術を行います。皮膚を切開し、金属製の針金(ワイヤー)、板(プレート)、棒(ネイル)で整復した骨折部を固定します。開放骨折では、感染リスクを下げ、汚染組織や壊死組織の切除の必要があるので、手術を行います。これをデブリドマンといいます。また、コンパートメント症候群を生じた場合は、骨折治療とは別に筋膜切開術を行います。多発外傷や多発骨折により出血性ショックがあるときは、救急科と連携して治療を行います。

治療後に注意すべき点/予防対策

安全な日常生活を心がけることが骨折予防となります。自動車は必ずシートベルトを着用し安全運転を心がける、スポーツは十分な準備体操をした上で行う、お酒の飲み過ぎに注意して転倒を予防する、などです。高齢者の骨折は、転倒による脆弱性骨折が圧倒的に多く、骨粗しょう症の治療と転倒予防が重要です。骨粗しょう症の検査や治療だけでなく、室内の手すりの設置、滑りにくい靴下の着用、バリアフリーの施設の利用など日頃から注意しましょう。

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