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最終更新日:2022年4月14日

まもうしょう/くさびじょうけっそん磨耗症/くさび状欠損

こちらの記事の監修医師
三好歯科 自由が丘
三好 健太郎

概要

歯と歯同士の接触以外によって、歯の表面がすり減ってしまう症状を「摩耗症」といいます。特に歯の生え際にあるエナメル質が削られると、象牙質が露出した部分でくさび状に見えるので「くさび状欠損(WSD)」と呼ばれます。欠損面はえぐられた様になりますが、表面は滑沢であることが多いです。くさび状欠損は、主に犬歯の唇側や小臼歯の頬側に見られますが人によっては大臼歯や前歯にも見られます。咬合による「くさび状欠(WSD)」は一種の加齢変化でもあるため年齢とともに増加し、発生部位はその方の歯並びや咬合、生活習慣により様々です。原因の多くは、「アブフラクション」と呼ばれる無意識下、及び意識下での食いしばり、歯ぎしりなどいわゆる咬合による歯牙の欠損が原因となることが多いです。また、一昔前では繰り返される不適切な歯磨きなども理由にあげられ、爪をかむ習慣や、職業性や習慣的動作に起因する場合もあります。症状は歯が削れていくため、冷たいものやお湯が歯にしみるなどで痛みが生じる、いわゆる知覚過敏症状が出ることが多いですが無症状なことも多いです。治療は知覚過敏症状があって、生活に支障が出る場合はすり減った部分に薬剤を塗布したり、削れた部分を接着性のレジンやセメントなどの詰め物で修復します。痛みがかなり強くなってしまった場合や欠損が大きい場合は最悪、根管治療と呼ばれる神経の治療になることもあります。過度なブラッシング等が原因になっている場合はマウスピースなど歯と歯が強い力で接触するのを避ける装置を作成し使用していただくことも多いです。

原因

摩耗症の原因としてよく昔に言われていたことは「過度な力による不適切な歯磨き」というものがあります。例えば、固い歯ブラシを長期に使う・強い力でブラッシング(歯ブラシをグー持ちするのは良くない)・過度の横磨き・荒い研磨剤入りの歯磨き剤(タバコのヤニや着色を落とす歯磨き粉)の使用などです。少し前から柔らかい歯ブラシで、ペンを握るように優しい力で、毛先が曲がらないような力で磨くことが推奨されています。また、上記の概要にもあるように、「くさび状欠損(WSD)」一番の原因は「アブフラクション」と呼ばれる無意識下(ブラキシズム)、及び意識下での食いしばり(TCH)、歯ぎしりなどいわゆる咬合と呼ばれるものです。他にも入れ歯のばねが当たる・爪咬み・パイプをくわえる習慣が原因のこともあります。さらには、職業性の場合もあり、吹奏楽器の演奏者・釘や針をくわえる大工や家具職人などの場合、くわえた物で摩耗して歯が削れていきます。習慣的に酸性飲料を過度に摂取している、糖分の多い飲料や間食が多い、嘔吐を習慣的に行っているなど基本的にかみ合わせを含めて個人ごとにかなりの差があります。

症状

摩耗症になると、歯がすり減って形が変わります。くさび状欠損は、何本かの歯に連続して起こることがあります。歯のエナメル質が削られると、内部の象牙質が露出してきます。摩耗が軽いと自覚症状はありません。進行すると、歯の中にある神経に痛み刺激や温度が伝わりやすくなり、冷たいものやお湯が歯にしみたり、痛みを生じる「象牙質知覚過敏」を起こすこともあります。時には、風が当たるだけでもしみることもあります。摩耗症が慢性化すると、痛みは少なくなり、象牙質が黄色味を帯びてきます。また、象牙質部分はエナメル質に比べ虫歯になりやすく、歯髄炎を合併すると、強い痛みを起こしてしまい神経の処置へ移行することになります。欠損が大きければ虫歯にならなくても歯髄炎へ移行することもあります。

検査・診断

摩耗症やくさび状欠損は、歯科での視診で基本的に診断できることが多いです。特別な検査はありませんが見た目では判断がつかない軽度な「くさび状欠損(WSD)」でも知覚過敏等の症状が出る方もいます。その場合は、摩耗症やくさび状欠損を起こす原因を突き止めることが、予防・再発防止のために重要です。日頃の歯磨きの仕方や、ライフスタイル、咬合など様々な習慣をチェックします。

治療

摩耗症の知覚過敏に対して必要があれば、すり減った部分に薬剤を塗布したり、歯の表面に膜を張るといった方法で治療します。削れた部分を接着性のレジンやセメントなどの詰め物で修復することも状況に応じて必要となります。また、プラスチック材料で覆うコンポジットレンジ治療などもあり、削れている欠損が大きくが神経に近い場合や歯髄炎と呼ばれる強い症状が起きている場合は根管治療が必要になることもあります。 根本的な咬合へのアプローチとしてマウスピースは比較的多く行われる処置ですが、状況に応じて被せものなどの歯科治療や矯正治療の介入が必要となる場合もあります。

予防/治療後の注意

摩耗症やくさび状欠損は人により原因や程度が様々で、原因が多岐にわたることもあり根本的な治療が難しいことも多い疾患です。歯ブラシや生活習慣が原因となっていれば、それを改善すればよいですが、まずは歯科を受診して「何が原因となっているのか」「治療の介入の必要があるのか」「介入方法とその予後は患者さんにとって利益があるのか」などを総合的に診断し、相談を行うことが大切です。全く症状が無い方も居れば、酷い場合は複数本神経の処置を行わなくてはならなくなることもあります。歯がしみる、歯の根元がえぐれているような自覚症状があれば一度かかりつけ医へ相談してみましょう。

用語

【アブフラクション】
歯牙同士の接触により歯が欠損を起こす事、WSDの主な原因と考えられる。
【TCH】
意識下における歯と歯を接触させる習慣、本来人間の歯は安静時にはぶつかっておらず、2から3ミリ程度上と下の歯は離れている。
【ブラキシズム】
主に睡眠時に歯同士を接触させ、食いしばりや噛みしめたり、歯ぎしりを行ったりなど、人間なら程度に差はありますが必ず行っている現象の呼称

こちらの記事の監修医師

三好歯科 自由が丘

三好 健太郎

〇診療科 :歯科

《 経歴 》
日本歯科大学 卒業 
徳島大学病院、板東歯科医院 南昭和オフィスにて研修
神奈川県内の医療法人にて勤務、院長・理事に就任
都内の医療法人にて勤務
三好歯科 自由が丘 開業  現在に至る

《 資格 》
日本歯周病学会 所属
日本口腔インプラント学会 所属
AFD basic training of postgraduate course of periodontics
Fujimoto occlusion&prosthodontics course(Dr Atsushi Nishigori, Dr Junpei Fujimoto)
Fujimoto perio&implant course(Dr Kohei Fujimoto)
novel biocare implant system certificate
straumann implant system certificate
Astratech implant system advanced course
石井歯内療法研修会セミナー (Dr Hiroshi Ishii)

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