最終更新日:2022年4月21日
「若かりし日のパーマ、カラー」は無関係?…薄毛に関する「ウソ・ホント」

こちらの記事の監修医師
東京メモリアルクリニック 院長
栁澤 正之

男性薄毛の9割以上を占める男性型脱毛症(AGA)ですが、ストレスや睡眠不足などの生活習慣をはじめ、食生活、栄養不足、血流不足などはまったく関係ありません。また過度なマッサージは薄毛治療に逆効果など、「薄毛治療の迷信」が世間で浸透してしまっています。本記事では、東京メモリアルクリニックの栁澤正之院長が、勘違いされがちな「髪の毛の真実」について解説します。
毛穴のアブラは取りすぎてはいけない
薄毛の原因が毛穴のアブラ、詰まりだと思って、強力なシャンプーや複数回のシャンプーをしている方もいらっしゃるかもしれませんが、毛穴のアブラは薄毛に直接影響しません。
むしろ毛穴のアブラは頭皮のバリアーでもあるので、アブラを取りすぎることで、頭皮・毛根細胞の乾燥ダメージになってしまうこともあります。
そもそも、江戸時代には米ぬかで髪を洗ったという記録はありますが、少なくとも毎日洗髪という文化はなかったと思います。明治~大正時代の「洗髪は週に1回」と書いてある石鹸メーカーのポスターもインターネットで見つけたことがあります。
ですが、江戸時代、明治時代の老若男女全員に頭皮アブラがたまって薄毛になっていたかというとそんなことはなく、薄毛になる人はなるし、ならない人はならない、という現代と同じ状況だと推測されます。
また、毛穴のアブラを取りすぎると汗腺(アブラ、汗を出す組織)がより多くのアブラを出して保護しようとします。現代人の多くはほぼ毎日シャンプーをする習慣になっていますので、それだけでも余計なアブラを出している状態だと言えます。
ですが、臭いや清潔感といった現代社会のマナーもありますので「1日1回のシャンプーはとくに問題ない」と思っていただいて大丈夫です。1日2回以上のシャンプー、頭皮の乾燥、洗いすぎによる頭皮のべたつきなど思い当たる方は、今一度髪の毛の正しい情報を確認していただくとよいでしょう。
パーマやカラーリング、整髪剤は薄毛と関係ナシ
「若い頃にパーマ、カラーリング、脱色をしたから薄毛になった」とか「整髪剤が毛根にダメージを与えた」というのも、間違った情報です。一般的に市販されている製品や、美容室などで使われているものも含めて、髪の毛関連の薬剤が薄毛の原因になるということはほとんどありません。
もちろん「パーマ、脱色剤で頭皮がヒリヒリする、赤くなる」など頭皮トラブルを起こすことで薄毛の原因になる可能性はありますので、肌が敏感な方はご注意ください。ですが、市販されているもの、一般的なもの、については安全性試験も行われているでしょうし、頭皮トラブルから薄毛の原因になることも少ないと思われます。
仮に薄毛の原因になり、ひいては使用者の大半が薄毛になるという製品があったとしたら、とっくに薬害問題、社会問題になって販売中止になるはずです(過去に一部の化粧品でそういう物もありました)。
一般的に市販されている物については、ご自身の肌との相性さえ悪くなければ問題なく使って大丈夫です。少なくとも、将来的に薄毛になるというデータは今のところありません。
ヘルメットや帽子も薄毛とは無関係
仕事などで長時間ヘルメットをかぶる必要があり、薄毛が心配という方から相談を受けることも多くあります。ですが、ヘルメットや帽子がAGAの原因になることはありません。先ほど説明したように、毛穴のアブラや汗などがAGAの原因になりませんので、ヘルメットや帽子を長時間かぶって蒸れたり汗をかいたりしても心配いりません。
もちろん、皮膚の弱い方が蒸れによる頭皮トラブル(湿疹、かゆみ)などを起こすと脱毛の原因になる可能性は考えられますので、心配な方はたまにヘルメット、帽子を外して風通しをするなど工夫するとよいでしょう。
もうひとつ注意が必要なのは、ヘルメットの頭皮に当たるクッション部分です。頭皮への繰り返しの強い刺激(たたく、こするなど)が薄毛の原因になることはよく知られています。ひと昔前に頭皮をブラシでたたく方がいたようですが、頭皮、毛根のダメージにしかならず、わざと薄毛になっているようなものです。
ヘルメットについているクッションパッドもかぶり方やサイズの問題で強く当たっていたりこすれたりすると、その部分だけ薄毛になってしまうことがあります。ヘルメットに強い衝撃を繰り返し受けるアメフトの選手が、ヘルメットのクッションパッド部分だけ薄毛になっている、というのも拝見したことがあります。
柔らかいクッションとはいえ、頭皮に強く当たっていたりこすれたりする刺激を繰り返すことで薄毛の原因になりますので、かぶり方を工夫したりさらに柔らかいタオルをはさむなどしてもよいかもしれません。
男性薄毛の9割以上を占めるAGA(男性型脱毛症)の原因は男性ホルモンから作られるDHTというホルモンです。(男性ホルモン自体が悪さするわけでもありません)
男性薄毛の9割以上はAGAと言われていますので、薄毛を気にされている男性のほとんどはそのDHTが原因となり、その人個人の体質として薄毛になってしまっているのであって、生活習慣や日々の行動を気を付けたといって薄毛が治るわけではありません。
薄毛治療の「間違った情報」には注意が必要
現代はインターネットなどで多くの情報が得られる一方、間違った情報も多く流布されており、どういうわけだか多くの間違った髪の毛情報が世間で信じられている現状です。
間違った知識を元に、間違った治療を行っても髪の毛とお金を失うだけです。髪の毛に限らず、正しい情報を取捨選択するようにしてください。
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こちらの記事の監修医師
東京メモリアルクリニック 院長
栁澤 正之
東京メモリアルクリニック 院長
医学博士
日本形成外科学会 認定専門医
第27回日本臨床毛髪学会 学会長
日本で初めてAGAに対するフィナステリド治療を開始した東京メモリアルクリニックの3代目院長を務め、30年間に渡るAGA・薄毛治療理念を継承。日本臨床毛髪学会の学会長を歴代最年少で任された、次世代AGA・薄毛治療の旗手。
最近ではオンラインAGA診療「Oops-Hair」の診療担当を務め、日本全国の薄毛で悩む患者に対して、スマートフォンで手軽に適切なAGA診療を提供している。
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