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最終更新日:2022年6月1日

世間が抱く「薄毛治療薬」への誤解…専門医が教える「本当の効果」

こちらの記事の監修医師
東京メモリアルクリニック
栁澤 正之

※画像はイメージです/PIXTA

「フィナステリド(薄毛治療薬)は薄毛進行を止めるだけ」……インターネット上だけでなく、クリニックであってもこのような情報が出回っています。しかし実際には、「フィナステリドは進行を止めるだけではなく、明確に薄毛を改善させる効果が証明されている」と東京メモリアルクリニックの栁澤正之院長はいいます。今回は、AGA治療薬の実際と、治るまでの仕組みについて解説します。

フィナステリドが「進行予防薬」になってしまった経緯

フィナステリドは世界中でAGA改善薬として20年以上使われています。ですが、日本のフィナステリドの添付文書(薬の説明書き)には「効果・効能:男性型脱毛症の進行遅延」と書いてあります。つまり、世界では「AGAが改善する薬」として使われているにも関わらず、日本では「進行予防」として承認されてしまっているのです。

フィナステリドは1997年にアメリカでAGA治療薬として認可され、その後日本でも2006年にプロペシア(万有製薬、現MSD社、薬剤名フィナステリド)として承認、処方開始されました。

日本でAGA治療薬として承認されるにあたり、命にかかわらない髪の毛の自費治療薬ということで厚生労働省も消極的な対応だったと、当時の関係者からも聞いています。

海外ではすでにAGA治療薬として承認され改善効果も認められていましたが、いずれにしても、2006年にプロペシアが承認される際には「AGAの進行予防薬」として承認されてしまったわけです。

添付文書の改訂は、細かな副作用などの追記が行われることはあっても、主軸である効果の改定が行われることはまずありません。そのため、承認から15年以上経過したいま現在でもフィナステリドの添付文書には承認当時のまま「効果・効能:男性型脱毛症の進行遅延」と書いてあるのです。

2016年に承認されたデュタステリドの添付文書には「効果・効能:男性型脱毛症」とだけ書いてあり、「進行遅延」という言葉は無くなりました。

「予防効果だけではない」という意図は含めつつ、効果の個人差も大きい自費治療であることから「明確な改善」とも書かない、実に慎ましやかな日本らしい表現になったわけです。

こういった経緯から、添付文書にも書いてある通り「AGA治療薬=進行予防効果」という認識が広まってしまったものと思われます。

フィナステリドには明確な「薄毛改善効果」

日本での認識とは異なり、世界的にフィナステリドは「AGAを改善させる効果のある治療薬」として認識されており、20年以上にわたり多くの研究で「改善効果」が示されています。

日本人に対する10年間のフィナステリド治療研究も行われており、「99.1%で進行予防効果、91.5%で明確な改善効果を認めた」という結果が示されています。

実はこの研究は筆者が発表したもので、国際学会でも表彰されるなど評価を受けていますが、前述の通りこのような実績を積み重ねてもすぐに添付文書が改定されることは無く、また世間のイメージがすぐに変わるわけでもありません。

AGAが治る「仕組み」

フィナステリドによって、AGAが「改善する」というデータを羅列しましたが、次はAGAが治る仕組みについて簡単に説明していきます。

AGAは直接原因であるDHT(ジヒドロテストステロン)が毛根細胞に作用することで毛の寿命が短くなり、毛が細く短く、薄毛になっていきます。

フィナステリド、デュタステリド(内服薬)を内服することでDHTを作らなくさせ、薄毛を治します。

ちなみに、フィナステリド、デュタステリドはDHT産生を抑制するだけですので、男性ホルモンが下がる作用は一切ありません。内服治療によりDHTがなくなると、毛根細胞への悪影響がなくなり毛根細胞もゆっくり回復していきます。そうして細く短くなった毛も、太く長くゆっくり治っていくわけです。

AGA治療は早めの治療が効果的

薄毛はなり始めであれば、つまり毛根細胞のダメージが短期間であれば回復も早く、「20歳の状態」に限りなく近づけることも十分できますので、AGA治療は早めの治療が効果的です。薄毛を自覚する前に、予防的に治療を始めるのもいいでしょう。

逆に長期間ダメージを受け続けた毛根細胞は回復も遅く、完全に太い長い状態まで治らないこともあります。

しかし、どれだけ進行していてもそれなりの改善効果や進行予防効果などはありますので、悲観せずに治療を考えてみてください。

AGA治療効果は「年単位」…写真で確認を

髪の毛の治療効果はゆっくりと年単位で現れます。治療を始めて1~2ヵ月ですぐよくなるということはほとんどありません。

平均的なフィナステリド、デュタステリドの効果としては、6ヵ月目に産毛が増え始めて、1年目からやっと外見上で改善しはじめ、その後5年、10年とよくなり続けます。

このように、「しっかりと改善する治療」とはいっても経過がゆっくりですので、鏡で見ただけではなかなか改善効果を自覚することができません。

高い薬を買っているのに、1~2ヵ月で効かないとやめてしまう方や、半年~1年続けていても改善効果を自覚できない方がいることで、「効かない」「止めるだけ」という風評になっているのかもしれません。

そこで、筆者のクリニックでは必ず写真を撮影し、効果を確認しています。治療開始(初診)の写真と現在の写真を比べたり、最長20年以上前の写真と比較することができますので、クリニックを受診される方はほぼみなさんが改善効果を自覚できているはずです。

オンライン診療などでも、必ずご自身で写真を撮って定期的に比べてもらうように勧めています。

写真で比較しないと髪の毛の改善効果を自覚することはまずできませんので、治療効果を自覚できていない方はぜひ写真撮影をしてみてください。

フィナステリド、デュタステリドは適切な治療と写真評価を行えば、まず間違いなく改善効果を自覚できる治療です。適切な治療だけでなく、適切な評価についてもいま一度考えてみてください。

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こちらの記事の監修医師

東京メモリアルクリニック

栁澤 正之

医学博士/日本形成外科学会 認定専門医/第27回日本臨床毛髪学会 学会長

日本で初めてAGAに対するフィナステリド治療を開始した東京メモリアルクリニックの3代目院長を務め、30年間に渡るAGA・薄毛治療理念を継承。日本臨床毛髪学会の学会長を歴代最年少で任された、次世代AGA・薄毛治療の旗手。
最近ではオンラインAGA診療「Oops-Hair」の診療担当を務め、日本全国の薄毛で悩む患者に対して、スマートフォンで手軽に適切なAGA診療を提供している。

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