最終更新日:2022年12月9日
病気が疑われる体重減少量の目安は何キロ?原因となる病気についても解説

こちらの記事の監修医師
不登校/こどもと大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニック
飯島 慶郎

食べているのに体重が減ると、病気ではないかと心配になることはありませんか?急激に体重が減少する場合は、病気の可能性もあります。気にしすぎと思わずに病院を受診した方がよいでしょう。この記事では、病気が疑われる体重減少量の目安や体重減少の原因を解説しますので、参考にしてください。
病気が疑われる体重減少の目安量とは
病気が疑われる体重減少の目安とリスクについて解説します。
6~12か月で体重5%減少は注意が必要
医学的な体重減少に該当する場合、病気を患っている可能性があります。医学的な体重減少とはダイエットをしていないのに急激に体重が落ちている状態です。
医学的な体重減少の目安は6~12か月で4.5kgの減少、もしくは5%以上の減少です。体重減少が気になる場合、まずは自宅の体重計で計ってみるとよいでしょう。
体重を測る習慣がない場合は、着衣の緩み具合で医学的な体重減少をチェックできます。もしダイエットに取り組んでいない人が、急にベルトや服が緩くなったら体重減少に該当する可能性があるため、病院を受診することをおすすめします。
体重減少のリスク
急激な体重減少は、さまざまなリスクを被る可能性があるため注意しましょう。たとえば免疫低下による感染症や筋肉量の低下が原因で起こる転倒、骨密度の低下によって起こる骨折などのリスクが増します。
とくに高齢者の場合、急激な体重減少が病気やケガにつながるケースが報告されています。たとえば歩けなくなったり、寝たきりになったりすることもあるため注意しましょう。高齢者以外でも、年齢にかかわらず急激な体重減少は病気の可能性もあるため、まずは医療機関の受診をおすすめします。
体重減少で疑われる病気
ここでは、体重減少で疑われる病気について解説します。
がん
体重が急激に減少した場合、すい臓がんや胃がん、大腸がん、胆道がんなどの病気にかかっている可能性があります。がんで体重が減少する理由はがん細胞が作り出すサイトカインと呼ばれる物質が、代謝異常をおこし筋肉量や脂肪量が低下して体重が減少します。こうした状態はがんによる悪液質と呼ばれます。
バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
バセドウ病とは甲状腺と呼ばれる器官が活発に活動し、甲状腺ホルモンが多く分泌される病気です。過剰な甲状腺ホルモンの左様で、過度に代謝が亢進します。甲状腺機能亢進症とも呼ばれ、体重減少以外にも、熱がりや過剰な発汗、食欲亢進などの症状が現れます。
糖尿病
糖尿病が進行すると体重が減少する場合もあります。その理由は、なんらかの原因で膵臓から分泌されるインスリンが低下して血中のブドウ糖を利用できなくなるためです。
インスリンの働きは、細胞に作用して血液中のブドウ糖を取り込み、エネルギーとして利用することです。糖尿病によりインスリンが低下すると、利用可能なエネルギーが枯渇します。
枯渇したエネルギーを補うために、タンパク質や脂肪を分解してブドウ糖を作ろうとするのです。結果的に脂肪量や筋肉量が減って、体重減少につながります。
うつ病
うつ病などの心の状態が食事行動に影響を与えると、体重が減少する場合もあります。うつ病になり食事量が減ると、食欲を感じなくなり体重が減少するのです。しかし一方で、逆に食事量が増して体重が増加するタイプのうつ病もあります。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍
ピロリ菌の感染や薬の影響により粘膜に潰瘍ができると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を発症します。潰瘍による内臓の痛みや胃腸の機能低下で食欲がなくなると、体重が減少する可能性があります。
逆流性食道炎
逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流して発症します。胃酸が逆流すると、胃もたれや胸やけで食欲がなくなり体重が減少することがあります。食欲不振による体重減少以外に現れる症状は、ゲップやのどの違和感、声がれ、長引く咳などです。
慢性膵炎
慢性膵炎が進行すると、分泌される消化酵素の減少により消化機能が低下します。その結果、栄養を取り込めなくなり体重が減少する可能性があります。体重減少の他にも、下痢や脂肪便なども見られる点も特徴です。脂肪便とは便器に脂が浮くような便を指します。
病気以外で考えられる体重減少の原因
病気以外で考えられる体重が減少する原因を解説します。
食事量の減少
食事量が減少して体内に取り込むエネルギー量が低下すると体重が減少します。また栄養の偏りにより、必要な栄養素を摂取していない場合も体重が減少します。
病気以外に考えられる食事量が減少する原因は、ストレスなどによる食欲不振や、物を飲み込む力が低下して起こる嚥下障害などです。
加齢
高齢者は加齢にともない筋肉や脂肪が減少して、自然と体重が減少することがあります。緩やかな体重減少は問題ありませんが、半年で体重の5%以上が減少するような急激な体重減少は病気の可能性があります。病気の早期発見につなげるためにも、早めに医療機関を受診した方がよいでしょう。
加齢による体重減少を防ぐためには、たんぱく質を適度に摂取して筋肉量を維持することも大切です。
運動量の増加
食事量が変わらずに運動量が増加した場合、体重が減少することがあります。ダイエットで計画的に体重を落としている場合は問題ありませんが、過度な運動による体重減少には注意が必要です。
とくに有酸素運動をやり過ぎると、筋肉が分解されてエネルギーとして消費される場合もあります。筋肉量の低下につながりますので、有酸素運動と筋肉トレーニングのバランスを考えて、適度に体を動かすことが大切です。
体重が急激に減少する場合は医師に相談しよう
6~12ヶ月で元の体重から5%減少した場合は、病気の可能性があるため注意が必要です。急激に体重が減少した場合、がんやバセドウ病、うつ病などのさまざまな病気を患っている可能性があります。体重減少が気になる場合は、まずは医療機関を受診することをおすすめします。
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こちらの記事の監修医師
不登校/こどもと大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニック
飯島 慶郎
〇病院名 :不登校/こどもと大人の漢方・心療内科 出雲いいじまクリニック
〇医師 :飯島 慶郎
〇アクセス:島根県出雲市大社町杵築東454
〇診療科 :心療内科学,臨床心理学,東洋医学,総合診療学
《経歴》
平成14年3月 島根医科大学医学部医学科 卒業
平成14年5月~ 島根医科大学医学部附属病院 第三内科 研修医
平成16年6月~ 三重大学医学部付属病院 総合診療科 専攻医
平成21年4月~現在 浜田市国保健康保険(大麻、弥栄、波佐、あさひ)診療所 浜田市嘱託医師(H23~大麻診療所長)
平成24年1月~現在 浜田市消防本部 嘱託産業医
平成30年1月~現在 統合医療 出雲いいじまクリニック 院長(浜田市嘱託医と兼任)
平成30年5月~現在 みずほ証券松江支店 嘱託産業医
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