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最終更新日:2021年10月13日

貧血と吐き気の関係とは?貧血の症状や主な原因、対処法を解説

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝

貧血と吐き気の関係とは?貧血の症状や主な原因、対処法を解説
目の痙攣の症状や原因、医療機関を受診するべきケースとは(画像=polkadot/stock.adobe.com)

特に女性に多く見られる貧血。貧血を起こすと同時に吐き気を催すケースも少なくありません。「満員電車で貧血を起こして気持ち悪くなった」「生理中に貧血になり吐き気がおさまらない」という経験をして困ったことがある人もいるでしょう。
本記事では、グローバルヘルスケアクリニックの水野 泰孝先生が貧血と吐き気の関係を詳しく解説します。対処法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. ■貧血に伴って吐き気が起こるのはなぜ?
    1. ◇貧血の主な原因
    2. ◇貧血時に吐き気が起こる理由
  2. ■貧血による吐き気の治し方・対処法
    1. ◇対処法1:足を高くして横になり安静にする
    2. ◇対処法2:常温の飲み物を少しずつ飲む
    3. ◇対処法3:体を締めつけるベルトなどは緩める
    4. ◇対処法4:十分な睡眠時間を確保する
    5. ◇対処法5:サプリなどで栄養を補う
  3. ■吐き気以外の貧血の症状とは?
  4. ■男性の貧血には深刻な病気が潜んでいることも
  5. ■貧血の症状が改善しない場合は何科を受診するべき?
  6. ■まとめ:貧血で吐き気が起こったらまずは無理せず安静に

■貧血に伴って吐き気が起こるのはなぜ?

貧血とは血液中の赤血球の数や、赤血球の中で酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンというタンパク質が少なくなり、体中の組織に十分な酸素を届けられなくなった状態を指します。

貧血を起こすと吐き気が伴うことも珍しくありませんが、貧血と吐き気にはどのような関係があるのでしょうか。ここでは、貧血の主な原因と貧血時に吐き気が起こる理由について詳しく解説していきます。

◇貧血の主な原因

「貧血」と聞くと「鉄分が不足している」というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実際にはそれ以外にもさまざまな原因があります。たとえば、次の4つのような原因が考えられます。

栄養不足
生理・妊娠・出産・更年期の影響
過剰な出血
病気の影響

では、それぞれの項目についてさらに詳しく見ていきましょう。

▼原因1:栄養不足
血液を作るために必要な栄養素や、鉄の吸収を助ける栄養素の不足が原因で貧血を起こすケースは少なくありません。

主に鉄や亜鉛、葉酸、ビタミンB2、B6、B12、ビタミンC、タンパク質などの栄養素が不足していると、造血や鉄の吸収に悪影響が出る可能性があります。

無理なダイエットをしている人や、食べ物の好き嫌いが多い人は栄養不足に陥りやすいため、特に注意が必要です。

▼原因2:生理・妊娠・出産・更年期の影響
貧血は特に女性に多い傾向があり、その原因としては生理や妊娠、出産、更年期の影響などが考えられます。

頻発月経や過多月経の症状がある人は、生理によって失う血液が特に多いため、生理中や生理後に鉄欠乏性貧血を起こしやすいと言えます。

また、妊娠中はお腹の赤ちゃんに多くの血液や栄養が送られるため貧血を起こしやすい傾向があり、出産時の出血や産後の栄養不足で貧血を起こすケースも珍しくありません。

閉経が近づいてくる更年期時期の女性は、子宮筋腫や子宮腺筋症による過多月経などの影響で貧血を起こしやすくなる場合もあります。

▼原因3:過剰な出血
鼻血やケガなどによって過剰に出血すると、新しく産生される赤血球よりも失われる赤血球が多くなり、貧血を起こすことがあります。

血液が急激に失われたとき、私たちの体は血管を液体で満たそうと血管の外側にある組織から水分を取り込むため、体内の血液に対する赤血球の割合が減少します。

血管破裂などによる急激な失血で貧血が生じると、体内の酸素供給量の急激な低下や血圧低下により命にかかわることもあるため、注意が必要です。

▼原因4:病気の影響
血を作る機能を低下させる病気や、病気による出血が原因で貧血を起こしてしまうケースもあります。貧血を起こす原因として考えられる病気は、主に次のようなものが挙げられます。

再生不良性貧血
骨髄異形成症候群
重度の腎臓病
関節リウマチ
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
白血病
がん

◇貧血時に吐き気が起こる理由

貧血を起こす主な原因がわかったところで、ここからは貧血時に吐き気が起こる理由について具体的に解説していきます。主な理由は次の3つです。

消化器系の働きが低下している
ストレスにより自律神経が乱れている
生理やつわりの影響を受けている

では、それぞれの項目について1つずつ見ていきましょう。

▼理由1:消化器系の働きが低下している
暴飲暴食や風邪などの影響で消化器系の働きが低下していると、うまく鉄を吸収できなくなってしまうため、吐き気を伴う貧血を起こすことがあります。

つまり、貧血が吐き気の直接的な原因というより、吐き気の原因となっている消化器系の働きの低下が貧血の原因にもなっているというケースです。

この場合、症状は一過性であることがほとんどですが、長く続くときには消化器疾患が潜んでいる可能性もあるため、医療機関を受診することをおすすめします。

▼理由2:ストレスにより自律神経が乱れている
極度のストレスは、消化器系の働きの低下や自律神経の乱れを引き起こすことがあります。前述した通り、消化器系の働きの低下は、吐き気を伴う貧血につながることも少なくありません。

また、脳の血液量が一時的に減少し酸欠状態になる脳貧血(一過性脳虚血)は、自律神経の乱れが原因で引き起こされるケースがあります。脳貧血(一過性脳虚血)を起こすと、吐き気や立ちくらみ、冷や汗、顔面蒼白などの症状が現れます。

▼理由3:生理やつわりの影響を受けている
女性の場合、貧血と同時に生理やつわりの影響による吐き気が起こっているケースも考えられます。

たとえば、生理前に分泌量が増える黄体ホルモンの影響などで体調が悪くなるPMS(月経前症候群)の症状には、胸のムカつきや吐き気などがあります。

また、生理中は子宮を収縮させ、経血を体の外に排出させる役割を持つプロスタグランジンという物質が分泌されますが、分泌が多すぎると吐き気や腹痛の原因になりかねません。

妊婦の場合は、お腹の中の赤ちゃんに栄養や血液を大量に送っているため貧血になりやすく、特に妊娠初期の場合はつわりで吐き気も併発しやすい傾向があります。

▼理由4:鉄剤や市販薬の副作用
すでに病院などで貧血を指摘され鉄剤や市販薬を服用している人は、薬の副作用によって吐き気が起こっている可能性もあります。

もし薬の副作用が疑われる場合は、速やかに主治医に相談しましょう。点滴や注射など、あなたに合った方法に変更してもらえるはずです。

ただし、鉄剤の服用によって吐き気や嘔吐、腹痛、食欲不振などの症状が現れる人は、全体の5%程度と決して多くはないため、過度に心配する必要はありません。

■貧血による吐き気の治し方・対処法

ここからは貧血による吐き気の治し方や、簡単に取り組める対処法を5つ紹介していきます。「貧血で起こる吐き気に悩まされている」「すぐに治したい」という人は、ぜひ参考にしてください。

◇対処法1:足を高くして横になり安静にする

貧血による吐き気を催したときには、まずは足を高くして横になり、目を閉じてしばらく安静にしましょう。自律神経が安定し、徐々に吐き気が治まってくるはずです。

ふくらはぎから足首の下あたりに丸めたブランケットやバスタオルなどを置いて寝ると、足を高い位置に固定できます。

◇対処法2:常温の飲み物を少しずつ飲む

水分が不足すると吐き気やめまいなどの症状がひどくなる場合があるので、常温の飲み物を少しずつ飲むようにしましょう。

冷たい飲み物やカフェインが入っている飲み物などはなるべく避け、水や湯冷まし、経口補水液などを選ぶのがおすすめです。

◇対処法3:体を締めつけるベルトなどは緩める

ウエストの締めつけは腸を圧迫し、消化器系の働きを妨げる可能性があるため、吐き気を感じたときにはベルトを緩めるなどして、なるべく楽な姿勢を取りましょう。

ネクタイやブラジャーなども、締めつけが強いと感じる場合は緩めておくのがベストです。

◇対処法4:十分な睡眠時間を確保する

睡眠不足が続くと鉄の吸収が妨げられ、貧血を起こしやすくなる場合があります。そのため、貧血による吐き気を起こしやすい人は、十分な睡眠時間を確保することが大切です。

◇対処法5:サプリなどで栄養を補う

貧血による吐き気を防ぐためには、バランスの取れた食事を心がけることが大切です。

特にヘモグロビンや赤血球の材料となる鉄、葉酸、ビタミンB12、タンパク質が含まれる肉や魚介類、大豆、乳製品、海藻、野菜などは積極的にとるようにしましょう。

忙しくて食生活が乱れがちな人や偏食気味の人は、市販のサプリメントなどで必要な栄養素を手軽に補うのもおすすめです。

■吐き気以外の貧血の症状とは?

貧血が起こると、吐き気以外にも次のような症状が現れる場合があります。

めまい・立ちくらみ・動悸・息切れ
頭痛・片頭痛・顔面蒼白・耳鳴り
腹痛・下痢・便秘・食欲不振・疲れやすい
冷や汗・寒気・倦怠感・眠気・生あくび
手足のしびれ・下肢のむくみなど

上記の項目に複数当てはまる人は貧血の可能性があります。貧血を放置していると、爪が脆く欠けやすくなったり、生理不順や嚥下障害を生じたりすることもあるため注意しましょう。

■男性の貧血には深刻な病気が潜んでいることも

男性と女性を比べたとき、生理や出産などで血液を失うことの多い女性の方が貧血になりやすい傾向があります。

ただし、男性の貧血にはがんなどの命にかかわる深刻な病気が潜んでいるケースも少なくないため、女性以上に注意が必要です。

気になる症状が続いている場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。

■貧血の症状が改善しない場合は何科を受診するべき?

対処法を取り入れても貧血の症状がなかなか改善しない場合は、まずは一般内科を受診するのがおすすめです。

貧血は血液内科が専門ですが、必要性があると判断されたときに一般内科から紹介されるケースが多くなります。

また、頻発月経や過多月経など、明らかな月経異常が原因とみられる場合は婦人科に、消化器系の働きの低下が原因とみられる場合は消化器科に相談すると良いでしょう。

■まとめ:貧血で吐き気が起こったらまずは無理せず安静に

今回は貧血と吐き気の関係や、対処法について詳しく解説しました。

会社や電車内などで急に貧血や吐き気に見舞われるとつらいものです。できるだけ横になって安静にすることをおすすめしますが、すぐに横になれない場合はイスに座ってベルトなどの締め付けを緩め、楽な姿勢を取りましょう。

また、貧血による吐き気を予防するためには、十分な睡眠やバランスのとれた食生活が大切です。ぜひ日頃から対策をして、健康的な体を目指しましょう。

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こちらの記事の監修医師

グローバルヘルスケアクリニック

水野 泰孝

日本小児科学会認定小児科専門医 /アレルギー専門医 /感染症専門医
国際協力機構(JICA)顧問医として7年間勤務。大学病院やナショナルセンターを基盤に小児科および感染症内科、特に熱帯感染症の臨床と研究、海外渡航者の健康管理などに長年携わる。
2020年6月にプライマリケアを行う診療所「グローバルヘルスケアクリニック」を開設。感染症に関するTV・ラジオ出演は2020-2021年だけで1000件近い。

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