最終更新日:2021年12月25日
狭心症の症状をチェックしよう!狭心症の前兆も紹介

こちらの記事の監修医師
クリスタル医科歯科クリニック
中島 由美
狭心症は生活習慣病の1つであり、名前を聞いたことのある人も多いでしょう。しかし、具体的にどのような症状があるか知らないのではないでしょうか。そこで今回は、狭心症の症状について詳しく解説します。狭心症の症状やチェックリスト、治療法も紹介しているのでぜひ参考にしてください。
狭心症とは?

狭心症は心臓を取り巻く血管・冠動脈が細くなって血液が流れにくくなった状態です。
動脈硬化などを起こした冠動脈に沈殿物などが沈着し、血管が狭くなり血液の流れが悪くなると、心筋が血液不足となり、一時的に酸素不足の状態となってしまい、胸の痛みなどの症状が現れます。とくに胸骨の後ろの部分に不快感や圧迫感がみられ、運動時に発生し安静にすると回復することが多いです。
狭心症の主なタイプには4種類あります。
・労作性狭心症:激しい運動をしたときに起こる
・安静時狭心症:夜寝ている時や安静にしているときに起こる
・安定狭心症:粥腫を覆っている膜が厚く心筋梗塞には移行しない
・不安定狭心症:粥腫を覆っている膜が薄く心筋梗塞に移行する危険性がある
初期症状はほとんどなく、冠動脈の内腔が75%まで覆われたとき、胸の痛みや動悸、息苦しさなどの症状が初めて見られます。また、狭心症は心筋梗塞に移行しやすいので、恐ろしい病気とも言われており、再発・心筋梗塞を防ぐためにも発症した段階できちんと対処しておくことが大切です。
狭心症の症状チェックリスト
自分が狭心症ではないか疑っている人は、下記の症状があるかチェックしてみましょう。
- 胸が痛い
- 背中などに放散痛がある
- 倦怠感がある
- 呼吸が苦しい
- 皮膚が変色している
- 冷や汗が出る
- 胸が締め付けられる感じがする
当てはまる症状が多ければ多いほど、狭心症である可能性が高いです。とくに胸が締め付けられる感じは狭心症で多く見られる症状なので、頻繁に起こる場合は病院で診断を受けるといいでしょう。
ここでは狭心症の症状チェックリストを紹介します。
胸が痛い
狭心症で最も見られる症状が胸の痛みです。
たとえば早歩きや階段の上り降りなど、労作をしたときに胸の痛みを感じても、5分から15分ほど安静にしていれば治る一過性のものならば狭心症を疑いましょう。また、睡眠中や安静にしているときに胸が痛い場合も狭心症の可能性があります。
背中などに放散痛がある
放散痛とは関連痛とも呼ばれ、心臓から離れた背中や奥歯、のど、肩、腕、みぞおちなどに痛みが生じるものです。もし放散痛が生じる場合は、狭心症の可能性を疑いましょう。
この痛みは、主に体の上半身に症状が起こり、体の左側に多いのが特徴です。放散痛は神経の勘違いによって起こると考えられており、狭心症が起こって、心臓から刺激が脊髄に伝わるとき、別の神経にも刺激がうつり痛みを感じます。
倦怠感がある
狭心症になると血液の流れが悪くなり、心臓の筋肉に必要な酸素や栄養が行き渡らなくなることで倦怠感も出てきます。
倦怠感だけでは狭心症かどうかわかりませんが、胸や背中などの痛みがある場合は疑った方がいいかもしれません。
なお、倦怠感は心筋梗塞でも見られる兆候なので心臓に関する病気の可能性もあるので注意が必要です。
呼吸が苦しい
狭心症になると坂や階段を上り降りしたときや少し早歩きをしたときなど、通常より運動量が多いときに呼吸が苦しくなります。ただし長時間続くものではなく、少し安静にすれば元通りになるため気にしない人もいるかもしれません。
締め付けられる胸の痛みを伴う場合は狭心症を疑い、病院で検査を受けるといいでしょう。
皮膚が変色している
狭心症になると十分な酸素や栄養が身体に送られず、唇や耳などの皮膚が紫色に変色することもあります。
チアノーゼの状態なので決して安全な状況とは言えないので、もし皮膚の変色が見られたらすぐに病院へ行きましょう。
皮膚の変色はその他の病気の可能性もありますが、胸の痛みなどと併発する場合は狭心症を疑っていいかもしれません。
冷や汗がでる
胸を締め付けるような痛みが冷や汗と共に見られる場合は狭心症の疑いが高いです。それも初期段階ではなく、だいぶ重症といってもいいかもしれません。
この場合は狭心症から心筋梗塞になっている可能性もあるので、早急に病院に行ってください。
胸が締め付けられる感じがする
胸が締め付けられる感じは、狭心症と考えられる最も大きな症状です。
発作時間は個人差がありますが、数分から10分程度で治るため、一過性のものと気にしないかもしれませんが、運動後などに毎回痛くなる時は狭心症になっているかもしれません。
治療をせずに放置したままだと心筋梗塞になるリスクもあるので、胸が締め付けられる感じがする時は病院で診断を受けてください。
狭心症に初期症状や前兆はない?
狭心症の前兆の代表は、締め付けられるような胸の痛みがすることです。
圧迫されるような痛みが、通常は数分から10分ほど続き、とくに運動した時や興奮した時に起こりやすく、少し休めば心臓の状態が回復します。
この場合、すでに狭心症になっている可能性もあるので同じ症状が何度も出る場合は病院に行くといいでしょう。
また胸の痛み以外にも、のどや奥歯、腕、背中、みぞおちなどが痛む放散痛がある時も狭心症の可能性があります。
さらに以前は問題のなかった軽い運動時や安静時の発作や痛みが長時間続く場合は、狭心症の中でも短期間で心筋梗塞へ進行する可能性の高い「不安定狭心症」かもしれないため放置は非常に危険です。
狭心症は、高血圧や肥満、糖尿病、喫煙者が発症するリスクが高いため、もしこれらに該当する人はとくに注意しましょう。
狭心症の治し方
狭心症を治すには、以下2つの方法があります。
- 生活習慣の改善
- 薬の服用
とくに生活習慣の改善は、狭心症治療の基本です。まだ狭心症を発症していない人も生活習慣が悪ければ、いつ発症してもおかしくありません。
そのため「まだ大丈夫」と安心せず、今すぐ生活習慣の改善をおすすめします。
ここでは狭心症の治し方を見てみましょう。
生活習慣の改善
生活習慣の改善は狭心症を治すだけでなく、防止にもつながります。
狭心症は血管が詰まることで発症するので、動脈硬化が悪化しないように高血圧の人は、減塩した食生活を心がけましょう。
また、肥満や糖尿病がある人は摂取エネルギーを抑える食生活に変更し、適度に身体を動かしてください。
心臓に病気があると運動を控えるべきと誤解している人も多いですが、ウォーキングなどの軽い運動は血流をよくする、血管をしなやかにするなど、身体にメリットがあります。
ただし、どの程度の運動がいいかは人によって違うので、心臓に病気がある場合は医師に相談して運動メニューを決めるといいでしょう。
また、喫煙は心臓や血管に悪影響を及ぼす原因となるため禁煙をおすすめします。
さらに副流煙は周りにいる人たちにも悪い影響を与えるため、喫煙習慣を断ち切ってください。
そして発作の引き金となるストレスも溜めすぎないように注意が必要です。完璧主義者の人には難しいかもしれませんが、うまくストレスをかわす工夫をしてください。
薬の服用
狭心症と診断されると生活習慣の改善だけでなく、薬による治療も必要です。薬は大きく4種類に分けられ、狭心症のタイプなどにより使い分けます。
発作時の症状を鎮める場合はニトログリセリンを使ってください。応急処置として飲む舌下錠で、舌の下に入れて溶かすとすぐに体内に吸収されて、1~2分で発作を抑えます。
これは、一時的に血管を拡張させる作用のある薬であり、持続性のない救急用の薬です。なお、狭心症には効きますが、心筋梗塞にはあまり効果がないので、似たような症状だからと服用しても効かないので注意が必要です。
症状を予防する場合は、心拍数を抑えて心臓の負担を減らすβ遮断薬や、血管を広げる効果のあるカルシウム拮抗薬や硝酸薬を服用するといいでしょう。
動脈硬化を改善する薬はスタチンです。これはコレステロール値を下げたり、動脈硬化でできたプラークを安定させる効果が期待できます。
そして血栓を防ぐ代表的な抗血小板薬は、アスピリンです。血液が固まるのを防ぐことで冠動脈の血流を良くし、血を固める作用のある血小板の働きを抑え、血を固まりにくくします。
なお生活習慣の改善と薬の服用でも状況がよくならない場合や、心筋梗塞を起こしやすい狭心症の場合はカテーテル治療やバイパス手術を検討してください。
近年は生活習慣の改善と薬の服用による治療を重視しており、大きな問題がない限り、狭心症での手術には慎重です。
狭心症での亡くなる確率とは?
狭心症で亡くなることはありませんが、冠動脈を狭くするため心筋梗塞に移行して亡くなることはあります。
胸の痛みが狭心症では症状の持続は1〜5分程度ですが、心筋梗塞の場合は冷や汗を伴う痛みが30分以上続き、意識を失うこともあり、ニトログリセリンでも治りません。
心筋梗塞を起こすと急死することもあり、その死亡率は30%〜40%といわれています。狭心症は心筋梗塞の初期症状でもあるので、早い段階で生活習慣を改善し、薬による治療を行うといいでしょう。
まとめ
狭心症の症状について解説しました。坂道や階段の上り下りなど心臓に負担をかける運動をすると、胸が締め付けられる痛みを感じる場合は狭心症を疑うといいでしょう。
もし狭心症を防ぎたいならば、肥満にならないための食生活や身体に悪影響を及ぼす喫煙をやめるなど、生活習慣の改善を行ってください。
狭心症で死亡することはありませんが、心筋梗塞になって死に至ることは考えられますので、少し安静にすれば胸の痛みが無くなると安心せず、病院で診断を受けて薬の服用を含む治療を行いましょう。
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こちらの記事の監修医師
クリスタル医科歯科クリニック
中島 由美
〇病院名 :クリスタル医科歯科クリニック
〇医師 :中島 由美
〇アクセス:福岡県福岡市中央区天神4丁目6−7 天神クリスタルビル 2F
〇診療科 :内科,美容皮膚科,アレルギー科,アンチエイジング外来,女性外来,産業医
《経歴》
・ニューヨーク州バッファロー市生まれ
・金沢医科大学 医学部 卒
・金沢医科大学病院にて小児科・内科研修
・大阪・神戸・東京・福岡の病院で内科と皮膚科を担当
・2018年8月クリスタル医科歯科クリニック内に
内科、美容皮膚科、アレルギー科を開設
《資格》
資格
・日本内科学会 認定内科医
・日本医師会 認定産業医
・抗加齢医学会 専門医
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