最終更新日:2022年12月1日
湿布かぶれの原因は?湿布を使う際のポイントも解説
こちらの記事の監修医師
成増駅前かわい皮膚科
河合徹
この記事では、かぶれの概要や湿布かぶれが起こる原因、湿布かぶれが発生した際の対処法などについて解説します。かぶれは金属や化学物質などさまざまな原因で発生しますが、湿布が原因になることもあります。湿布かぶれを防ぐためには、湿布を正しく使用することが大切です。湿布かぶれに悩む人はぜひ参考にしてください。
かぶれとは
かぶれとは、何かしらの物質が皮膚に触れることで発生する皮膚炎のことです。主な症状としては、かゆみや赤み、発疹、水ぶくれなどが挙げられます。また、場合によっては色素沈着が起こって、あとが残ることもあります。
かぶれは、湿布をはじめとして金属や化学物質、化粧品、食料などさまざまな物質が原因で起こる点が特徴です。
なお、かぶれは、原因物質の刺激によって発生する「刺激性接触性皮膚炎」とアレルギー反応によって発生する「アレルギー性接触性皮膚炎」に分けられます。
湿布かぶれが起こる原因
湿布かぶれが発生する原因はさまざまです。ここでは、湿布かぶれの具体的な原因について解説します。心当たりのあるものがないかチェックしてみてください。
皮膚が刺激に敏感な状態
皮膚が刺激に対して敏感な状態であると、湿布かぶれが起こりやすくなります。例えば、皮膚のバリア機能が低下している人は、湿布を貼った時に、汗や蒸れによってかぶれる恐れがあります。
また、湿布の一種であるパップ剤は水分を多く含んでいるため、人によってはパップ剤を貼るだけでかぶれることもあるでしょう。どの湿布を貼ってもかぶれる場合は、皮膚自体がかぶれやすい状態である可能性が考えられます。
湿布の成分が原因
湿布によって含まれている成分が異なるため、成分が原因で肌が荒れ、かぶれてしまうこともあります。湿布には接着面に薬効成分が含まれているほか、患部の温度感に影響する成分や粘着成分なども含まれています。成分によっては肌との相性が悪く、肌がかぶれてしまう可能性があるため、注意しなければなりません。
特定の湿布を貼った時のみかぶれるといった場合は、一度湿布の成分を確認してみるといいでしょう。
長時間使用
湿布を長時間貼り続けることで肌がかぶれることがあります。これは、湿布を長時間使うことで汗や老廃物などが患部にたまり続け、蒸れやすくなり、皮膚が刺激を受けてしまうためです。
さらに、湿布に含まれる成分が患部にとどまり続けることにもなるため、やはり肌への刺激が強くなり、かぶれるリスクが高まります。
湿布でかぶれた時の対処法
湿布でかぶれてしまった時にできる具体的な対処法を紹介します。いざという時のためにもぜひ参考にしてください。
湿布を剥がす
湿布が原因でかぶれてしまっている場合、まずは原因となる湿布を剥がしましょう。原因物質を取り除くことは一番の対処法です。また、湿布を剥がした後はできるだけ患部を綺麗にし、清潔な状態を保つようにしてください。
なお、湿布を剥がす際にも肌に刺激が加わるため、丁寧に剥がすことが大切です。なかなか剥がれないときは、ぬるま湯で少し濡らすと剥がしやすくなるため試してみてください。
冷やす
かぶれた部位を冷やすことも対処法となります。湿布かぶれを起こすと、患部がかゆくなり、ついつい掻きむしってしまう人もいるかもしれません。しかし、掻いてしまうとさらなる刺激を与えてしまうため、症状がひどくなる恐れがあります。掻かないようにするためにも、患部を冷やしたタオルや保冷剤などで冷やし、かゆみを抑えるようにしましょう。
薬を使う
かぶれている部分に対して炎症を抑える薬を活用することも効果的です。抗ヒスタミン薬やステロイド薬などは、赤みや腫れ、かゆみなどを抑える効果が期待できます。また、飲み薬が処方されることもあります。かぶれがきになる場合は、一度医療機関を受診し、医師に相談したうえで適切な薬を処方してもらいましょう。
かぶれ回避のために!湿布を使う時のポイント
湿布を使うときのポイントを押さえることで、肌への刺激を減らし、かぶれを回避することができます。ここでは、湿布使用時のポイントについて解説します。基本的なポイントとなるため、ぜひ参考にしてください。
用量用法を守る
湿布には用量用法が定められているため、使用する際は用量用法に沿って使用しましょう。「たくさん使ったほうが早く治るのでは?」と考える人もいるかもしれませんが、使いすぎはかえってかぶれがひどくなる可能性があるほか、湿布の効果も弱まるため避けてください。湿布の種類にもよりますが、基本的に1日1回から数回の貼り替えを想定して作られています。
期限を守る
湿布には使用期限が定められているため、期限が切れたものは使用しないようにしましょう。期限が切れた湿布は薬用成分が劣化して湿布を貼る効果が得られない可能性があります。また、劣化した成分が原因で肌が刺激され、かぶれがひどくなる可能性もあるため注意してください。
使用前には肌を清潔にする
湿布を使用する際は、貼る前に肌を綺麗にしておきましょう。例えば、お風呂上がりに湿布を使う場合は、肌の水滴をしっかり拭き取ってから貼ってください。汗が出ている場合は、汗が引くまでしばらく時間をあけましょう。水分が残っていると、湿布かぶれが起こりやすくなります。
貼り替える際は少し時間をあける
湿布を貼り替える際は、少し時間をあけることも大切なポイントです。連続して貼ってしまうとかぶれやすくなります。目安としては2時間程度時間をあけ、皮膚を休ませてあげましょう。
使用するタイミングに注意する
腰痛や肩こりなどの慢性的な痛みに対して温感タイプの湿布を使用する人もいるかと思いますが、温感タイプを使用する場合、入浴前後は使用しないようにしましょう。入浴直前・直後のタイミングで使用すると熱感や痛みを感じる可能性があります。
アレルギーがある場合は医師に相談
人によっては湿布に含まれる成分にアレルギーがあるケースもあります。そのため、アレルギーがある人は、湿布を使う前に必ず医師や薬剤師に相談してください。湿布は、貼った部分から成分が吸収されますが、成分は全身に作用するため、貼った部分以外でもアレルギー反応が起こる可能性があります。
他の人から湿布をもらわない
「湿布ならどれでも同じ」と思っている人もいるかもしれませんが、湿布は含まれている成分が異なります。また、人によって体質が異なるため、適している湿布・適していない湿布は異なります。そのため、他人から湿布をもらって使うようなことは避けてください。もちろん、自分の湿布を他人にあげることも避けなければなりません。
合わないときは使用を止める
湿布が自分の肌に合わないと感じるときは、すぐに使用を止めましょう。無理して使い続けると、かぶれがひどくなる可能性があります。「使い切ってないのにもったいない」と思う人もいるかもしれませんが、リスクを伴いながらの使用は避けるべきです。
かぶれが我慢できないときは病院へ
湿布かぶれは、湿布の使用を止めて肌への刺激を減らすことで症状が落ち着くことがほとんどです。しかし中には、症状が続くこともあります。
かゆみや腫れがひどい、症状が長期間続いている、かぶれた部分は膿んできた、かぶれた部分に熱感があるといった場合は、一度皮膚科を受診しましょう。
受診にあたっては、使用していた湿布を持参すると成分などが確認できるため、診察もスムーズです。また、湿布の使用期間や頻度、症状の詳しい状況などもメモしておき、伝えられるようにしましょう。
まとめ
今回は、かぶれの概要や湿布かぶれの原因、湿布かぶれの対処法などについて解説しました。かぶれとは何かしらの物質が皮膚に触れることで発生する皮膚炎のことです。かぶれはさまざまな原因によって引き起こされますが、湿布が原因になることもあります。湿布かぶれが発生したときは、湿布の使用を止め、患部を冷やしつつ、薬を服用するなどしてください。また、湿布を使用する際は、用法用量や使用期限を守るなど、使い方に注意しましょう。
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こちらの記事の監修医師
成増駅前かわい皮膚科
河合徹
〇診療科 :一般皮膚科・小児皮膚科・老年皮膚科・皮膚外科・形成外科・美容皮膚科・アレルギー科・当日手術・レーザー治療
【経歴】
台湾生まれ、東京都板橋区出身。
台湾大学医学部卒業。
日本国医師免許および台湾医師免許のダブルライセンス。
東京大学医学部皮膚科助教(2017年~2019年)。
皮膚科専門医・がん治療認定医・産業医。
2020年11月、板橋区に成増駅前かわい皮膚科(https://kawai-hifuka.jp/)を開業。
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