オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2023年12月28日

「胃腸が弱い人」に知ってほしい「食事・生活習慣」の見直しポイント

こちらの記事の監修医師
山科駅前おかだクリニック
岡田 雄介

(画像=stock adobe.com)

胃腸が弱いといわれている人の特徴は、「機能性ディスペプシア」や「過敏性腸症候群」といった機能性消化管疾患の症状と重なるところが多く、病気の場合も考えられます。胃腸の弱さを、持って生まれた体質と考え、諦めている方も多いことでしょう。実は、病気の治療や、生活習慣や食生活を見直すことで改善できる可能性があります。

「胃腸が弱い人」の特徴

いつもお腹が痛いとか、お腹が張って苦しいとか、便が緩いときが多いなどで困っていませんか?

胃腸が弱い人の特徴として、下記のようなものが挙げられます。

  • 冷たい食べ物や飲み物でお腹を壊しやすい
  • 食後に眠くなる
  • すぐに胃もたれする
  • ガスが溜まりやすい
  • 冷え性である
  • 太れない
  • 運動不足
  • ストレスをためている

これらは、「機能性ディスペプシア」、「過敏性腸症候群」などでもよくみられる特徴が含まれています。

機能性ディスペプシア…精密検査をしても胃や腸に異常はなく、“みぞおち辺りの痛み”、“胃が張った感じ”や“胃もたれ”などの症状が認められる

過敏性腸症候群…“腹痛”、“下痢”や“便秘”などの便通異常が主症状で、ストレスなどから誘発されやすい

そもそも胃腸が弱くなる原因は?

なんとなく胃腸の調子が悪い」という人にも、それなりの原因があります。原因を探ることで、対策できる場合もあります。考えられるものをいくつか紹介します。

体質に合わない「食べ物・飲み物」がある

胃腸の弱い人は、脂肪分の多い食事を摂ると、胃腸の痛みやお腹の張りが強くなることが分かっています。また人によっては、グルテンを含む小麦でも同様の症状が引き起こされることがあります。

特に下痢をしやすい人では、脂肪の他にも赤唐辛子などの香辛料、コーヒーなどのカフェイン類、牛乳などの乳製品の摂取が刺激となり、下痢が誘発されることがあります。

お酒に関しては人にもよりますが、酒量が多いと下痢になりやすい傾向があり、そもそも飲み過ぎは体に良くありません。胃腸の調子と相談し、ご自身の適量を確認しましょう。

暴飲暴食、早食い…「食べ方」も胃腸に影響

「暴飲暴食しないこと」、「3食を規則正しく摂ること」も大切です。胃腸が弱い人の傾向として、早食い、不規則な食事パターン、夜食(それも脂肪を多く含んだ食べ物)の摂取などの食習慣が見られます。生活リズムを整えるためにも、食事のタイミングを見直してみましょう。

胃腸症状を起こしやすい食品“FODMAP”

小腸で吸収されにくく、大腸で発酵しやすい糖質を多く含む食品が、過敏性腸症候群の原因となることが近年注目されています。

これらは、発酵性食品(F)・オリゴ糖(O)・二糖類(D)・単糖類(M)・糖アルコール(P)の頭文字を合わせてFODMAPと呼ばれています。(A=AND)

具体的には、小麦、玉ねぎ、ひよこ豆、リンゴ、トウモロコシ、牛乳、ヨーグルト、はちみつなどです。腸に良さそうだと思われていた食品やサプリメントが、実は逆効果になっていたということもあり得ます。このような食品の摂取を避け、逆に、FODMAPが少ない“低FODMAP食品”を摂る食事療法があります。

低FODMAP食品として有名なものは、米、ホウレンソウ、大豆、バナナ、そば、豆乳、カマンベールチーズ、メープルシロップなどです。

低FODMAP食品による食事療法を試したい場合は、消化器専門医などの医師に相談してみましょう。自己流の方法で安易に試すことは、栄養バランスを崩してしまう可能性などがあり、おすすめしません。

胃腸の弱さは薬で治る?

(画像=stock adobe.com)

持って生まれた体質と考えられやすい胃腸の弱さですが、対策する方法がないわけではありませんし、病気が隠れていることもあります。病院では、下痢や便秘、胃もたれなど、出ている症状に合わせた薬が処方されます。乳酸菌などの整腸剤が処方されることもあるでしょう。

過敏性腸症候群の薬

お腹の弱さが過敏性腸症候群によるものだった場合、生活習慣の見直しだけでなく、薬による治療も提案されます。

便秘型の場合は、便に水分を与えやわらかくする薬のような、便秘症状に効く薬などが使われます。下痢型の場合は、逆に下痢症状を抑える薬を処方します。どちらにも共通して使える、腸の蠕動運動を改善する薬などもあります。

漢方薬も処方してもらえる?

治療薬として漢方薬が選ばれることももちろんあります。保険が適用される漢方薬は、現在148処方あり、その中には胃腸症状を改善するものがあります。一例を紹介します。

大建中湯…冷えによる腹痛や、腹部膨満感を改善する漢方薬です。 

半夏瀉心湯…過敏性腸症候群の下痢型によく使われます。

人参湯…下痢症状に対して処方されますが、半夏瀉心湯との違いは、虚弱で疲れやすく、手足の冷えが強い場合に適しているところです。

胃腸の調子を改善…生活習慣の見直しポイント

(画像=stock adobe.com)

胃腸の調子を自分で改善する方法はあるのでしょうか? 生活の見直しポイントを紹介します。

睡眠の質を高める

まずは睡眠です。胃腸の弱い方では、寝付けない、夜間に何度か目覚めてしまう、朝起きても熟睡感が得られていないなどの睡眠障害を抱えている方が多いようです。

睡眠は、生活リズムを整える上で重要です。また、スマートフォンやコンピューターの画面を寝る直前まで見ていると、メラトニンという睡眠ホルモンが減ってしまい睡眠の質が落ちてしまいます。

寝る前に画面を見ることは控え、決まった時間に床に就き、朝も決まった時間に起きるように心がけてみましょう。

食事を決まった時間に摂る

不規則な食事は、胃腸の働くリズムを乱してしまい、消化機能の働きに悪影響を与えます。食事の時間を規則正しくすることで、自分に合った消化のサイクルを作りましょう。

運動をする

胃腸の弱い方では、運動量が少ない傾向も見られます。適度な運動はストレス発散にもなり、胃腸の調子を良くする効果が期待できます。ヨガやウォーキングのような、リラックス効果も得られる運動から始めてみましょう。

タバコをやめる

喫煙者であれば、禁煙することで胃腸の調子が良くなることがあります。そもそも、タバコは体に良いものではありません。昨今の喫煙事情を考えても、これを機会に禁煙にトライしてみるのも良いかもしれません。

ストレスをコントロールする

最後にストレスです。消化管の運動に影響する心理的要因の代表は抑うつと不安です。また、不安なあまり何かにつけて緊張しやすい人がいます。

そういった人には、自分でできる自己リラックス法があります。自分で暗示をかけることで自律神経を落ち着かせる自律訓練法です。これに関しては、精神療法的な面があるため、心療内科や精神科を受診して相談することで、解決につながることもあるでしょう。

胃腸症状を改善し、快適な毎日を過ごしましょう

(画像=stock adobe.com)

不規則な生活を正したり、ストレスをコントロールすることは、自分だけの力ではなかなか難しいかもしれません。

「つい暴飲暴食してしまう」、「夜なかなか眠れない」、「不安で心配な気持ちが続く」などの状態には、それなりの原因があります。また、「ちょっとしたことで下痢しやすい」などの症状があったら、それ自体が不安の原因にもなります。解決できるものは解決し、短期的な解決が難しいものについては、うまく付き合っていくことも必要です。

実のところ、胃腸が弱いといわれている人の多くは、過敏性腸症候群や、機能性ディスペプシアなどの機能性消化管疾患を抱えていることがよくあります。そして、軽度の場合は受診せずに様子を見てしまっている人も多いようです。

まずは食生活や生活習慣を見直してみましょう。自分の力では難しいと感じたら、病院を受診してみてください。思わぬ病気が見つかることもあるかもしれません。困っている症状を改善して、胃腸の調子に悩まされない快適な毎日を過ごしましょう。

この症状を治したい。記事を読んで今すぐ医師の診断を受けたいあなたへ。

イシャチョクのオンライン診療なら、予約なしで今すぐ医師とつながります。「オンライン診療について詳しく知る」ボタンから、オンライン上の仮想待合室に入りましょう。全国の医師、または近くの医師が、すぐにあなたを診察します。

全国のクリニックから検索したいあなたへ。

  • クリニックを探すクリニック検索

  • 病気・医療情報検索

こちらの記事の監修医師

山科駅前おかだクリニック

岡田 雄介

おかだ ゆうすけ

≪プロフィール≫
京都出身。金沢大学医学部卒業後、京都第二赤十字病院で研修。
消化器内科を専門とした理由は内視鏡による検査や手術などの技術を磨くことに魅力を感じたため。そのまま同病院に勤務し、消化管腫瘍に対する内視鏡治療を中心に、臨床経験を積んだ。2023年5月、検査や治療に通いやすい消化器内科を作ろうと、3路線が乗り入れる山科駅前に開業した。

≪資格≫
日本内科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医、近畿支部評議員
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医

≪所属学会≫
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本肝臓学会

仮想待合室型オンライン診療対応の医療機関募集中

イシャチョクでは、予約無しでオンライン上の「仮想待合室」に入れば、診療科目毎の医師が順番に診察してくれる、仮想待合室型のオンライン診療システムを提供しています。以下のボタンをクリックして、オンライン診療に対応しているクリニックを検索してみてください。