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最終更新日:2024年2月13日

健康診断で肝臓がd判定…お酒を飲まない20代でもひっかかる原因とは

こちらの記事の監修医師
山科駅前おかだクリニック
岡田雄介

(画像=stock adobe.com)

健康診断で肝臓の数値がd判定だった人、中には「お酒を飲まないのにひっかかったのはなぜ?」「20代や30代なのに」と思っている方もいるのではないでしょうか。この記事では、肝臓の数値の見方や、健康診断の結果が悪かった場合に考えられる病気などを解説します。また、肝臓を労わるためのポイントも紹介しますので、生活習慣の乱れや暴飲暴食を見直す参考にしてください。

肝臓の項目はどれ? 血液検査結果の見方

(画像=stock adobe.com)

健康診断では、血液検査の結果から肝臓の健康を測ることができます。肝臓に関する各項目について解説します。

なお、健康診断で再検査となるのは、一般的にはd判定からとされています。もちろん、e判定やc判定だったからといって安心していいということではありません。また、これらの基準は検査を受ける機関によって異なります。「要精密検査」「要治療」などと書かれていたら、その指示に従いましょう。

AST・ALT

AST・ALTとは、肝臓の細胞によって作られる酵素であり、アミノ酸を作る際に活用されます。どちらも検査でチェックされる代表的な項目です。肝細胞に何かしらのトラブルが起こると、血液中にASTやALTが放出され、血中濃度が高くなります。そのため、これらの数値が高い場合、「肝臓が何かしらのトラブルを抱えている」との判断材料になります。

γ-GTP

γ-GTPとは、肝臓をはじめとして腎臓やすい臓などに含まれている酵素です。肝臓のγ-GTPはアルコールを無害化する役割を持っています。アルコールを過度に摂取している人はこの数値が高くなります。γ-GTPが高いときは「肝臓に過度の負担がかかっている」と考えましょう。お酒を飲まない方でも、脂肪肝になるとγ-GTPは高くなります。

ALP

ALPとは肝臓や胆道、小腸、腎臓などに含まれている酵素で、リン化合物という栄養素を分解する役割を持っています。通常であれば、胆汁とともに体外に排出されますが、肝機能の低下や胆道の病気などが起こると、血液中に溢れてくるため数値が高くなります。

ビリルビン

ビリルビンとは、役目を終えた赤血球が分解される際に発生する色素のことです。通常は血液中にビリルビンは存在しておらず、肝臓に運ばれ胆汁とともに体外へと排出されます。しかし、ALPと同様に、肝臓障害や胆汁の病気などによって胆汁が排出されない場合、血液中に溢れてきます。ビリルビン数値が高い状態になると、皮膚や目が黄色くなる「黄疸」になります。

血液の異常値をきっかけに見つかる病気

((画像=stock adobe.com)

健康診断で肝臓の数値に異常が見つかった場合に、原因となりうる病気について解説します。

肝炎

肝炎とは、肝臓が炎症を起こす疾患のことです。炎症を起こすことで肝臓の細胞が破壊され、徐々に肝機能が低下して行きます。肝炎の原因としてアルコールや肥満、自己免疫関連、薬剤など様々なものがありますが、その中でも多いのがウイルス感染による「ウイルス性肝炎」です。ウイルスには大きく分けて、A・B・C・D・Eの5種類がありますが、中でもB型やC型は慢性化しやすいとされています。肝炎は放置するとさらに重い肝臓の病気に進展する恐れもあるため注意しなければなりません。

肝硬変

肝硬変とは肝炎やそのほかの肝障害が進行し、肝臓が硬くなった状態のことです。先述のウイルス性肝炎や暴飲暴食が原因となり引き起こされます。肝硬変によって肝臓が硬くなると元の状態には戻りません。また、肝硬変は放置すると肝機能の低下につながるだけでなく、血流障害などを引き起こすこともあります。最悪の場合、肝臓がんを発症するケースもあるため、日常生活に影響を及ぼす可能性もゼロではありません。

脂肪肝

脂肪肝とは、肝臓に中性脂肪が蓄積した状態のことです。過度なアルコール摂取や偏った食事など、生活習慣が主な原因となって引き起こされます。なお脂肪肝には、アルコールが原因となるものとそれ以外が原因となるものがあり、前者をアルコール性脂肪肝、後者を非アルコール性脂肪肝と呼びます。非アルコール、という名称からもわかるように飲酒をしない人でも脂肪肝になる可能性があるため油断しないようにしましょう。脂肪肝は放置すると、肝硬変などにつながる恐れもあります。

画像検査(腹部エコー、CTなど)で分かる肝臓の病気

ここまで紹介した病気以外にも、以下のような病気である可能性もあります。

<肝占拠性病変>

  • 肝血管腫
  • 肝のう胞
  • 肝がん

など

肝血管腫は、血管が集まることでできる肝臓の良性腫瘍のことです。また肝のう胞は、肝臓の中に袋ができその袋に液体が溜まったものです。これらは症状がない限り経過観察しても構いません。そして肝がんは、文字通り悪性で死に直結する恐ろしい病気です。

20代・30代・お酒を飲まない人も肝臓の数値に異常が出る原因

健康診断で肝臓の数値の異常でひっかかる背景には、上記のような肝臓の病気が考えられます。20代や30代であっても病気にかかっている可能性はゼロではありません。

また、脂肪肝の項目で解説したとおり、飲酒を原因としない非アルコール性脂肪肝もあり、飲酒の習慣がなくても肝臓の病気になる可能性は十分にあります。

肝臓の不調は気付かれにくく、「沈黙の臓器」とも呼ばれます。健康診断は肝臓の不調に気付くことができるチャンスです。健康診断を受けたら、肝臓の数値に気を配っておきましょう。

健康診断で肝臓がひっかかったら何科にかかるべきか

健康診断で再検査になった場合は、消化器内科で精密検査を受けましょう。受診の際は、一般的に問診と診察が行われます。

問診では普段のアルコール摂取量や、服用している薬の有無、輸血経験の有無、C型肝炎の感染原因となる可能性があるタトゥーの有無、家族に肝臓の病気を持った人がいるかどうか、といった点が質問されます。

診察では血液検査と腹部エコーやCTなどによる画像検査が行われるのが一般的です。これらの検査を行っても原因がわからない時は、針で肝臓の一部を取って検査を行う「肝生検」を行うこともあります。

肝臓を労わるためにできること

(画像=stock adobe.com)

健康のためには、普段から肝臓に負荷をかけないことが重要です。日常生活の中でできる肝臓を労わる方法について解説します。

お酒を飲まない・控える

アルコールの過剰摂取は、肝臓に大きな負担をかけることになるため、飲み過ぎには注意が必要です。全く飲んではいけないというわけではなく、適量を守りましょう。厚生労働省では、1日平均20グラム程度のアルコールを摂取の目安としています。

<アルコール20グラムの目安>
ビール………………中瓶1本
日本酒………………1合
酎ハイ………………350ミリ缶1本(アルコール7%の場合)

また、「習慣でなんとなく飲んでしまう」といった飲み方は避け、意識して肝臓を休める日(休肝日)を設けるといいでしょう。飲むときには飲み過ぎに注意して、適量の飲酒を心がけてください。

偏った食事を避ける

偏った食事も、肝機能低下につながるため注意しなければなりません。肝臓は脂肪を蓄える性質があるため、脂肪分の取りすぎは避けましょう。バターや油などをたくさん使っている料理を食べ過ぎると、健康診断の他の項目でも引っかかる可能性があります。

普段の食事からさまざまな食品をバランスよく食べるようにしてください。肉や魚、大豆製品、卵などを使い、主菜、主食、副菜をバランスよく摂取することがポイントです。

適度な運動

暴飲暴食による肥満は、脂肪肝の原因となります。そのため、日常生活の中で適度に運動を取り入れるようにしましょう。仕事をしていると、忙しさもあり、なかなか運動の時間を確保できない人もいるかもしれません。そういったときは、「1駅手前で降りてウォーキングをする」、「エレベーターではなく階段を使用する」など、日常の中で有酸素運動を行ってみてください。

ストレスを発散する

肝臓はデリケートな臓器であるため、ストレスによって自律神経が乱れると、働きが悪くなります。そのため、ストレスを溜め込まず、適宜発散するようにしましょう。また、先述の運動もストレス発散になるほか、休息や睡眠をしっかりととることも重要です。

肝臓をいたわって健康に過ごしましょう

(画像=stock adobe.com)

健康診断で肝臓がひっかかる人の原因や、肝臓の検査において注意するべき数値などについて解説しました。20代や30代の若い方や、お酒を飲んでいない人でも、肝臓の病気にかかる可能性があります。

健康診断は、肝臓の状態を知るチャンスです。良くない結果が出た時は、必要に応じてきちんと再検査を受けましょう。また、日常生活の中から食べ物や生活習慣に注意し、肝臓を労わることを忘れないでください。

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こちらの記事の監修医師

山科駅前おかだクリニック

岡田雄介

おかだ ゆうすけ

≪プロフィール≫
京都出身。金沢大学医学部卒業後、京都第二赤十字病院で研修。
消化器内科を専門とした理由は内視鏡による検査や手術などの技術を磨くことに魅力を感じたため。そのまま同病院に勤務し、消化管腫瘍に対する内視鏡治療を中心に、臨床経験を積んだ。2023年5月、検査や治療に通いやすい消化器内科を作ろうと、3路線が乗り入れる山科駅前に開業した。

≪資格≫
日本内科学会認定医
日本消化器内視鏡学会専門医、近畿支部評議員
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医

≪所属学会≫
日本内科学会
日本消化器病学会
日本消化器内視鏡学会
日本肝臓学会

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