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最終更新日:2021年8月18日

膵臓が悪いとオナラが出る?膵炎や膵臓癌の症状?徹底解説!

こちらの記事の監修医師
グローバルヘルスケアクリニック
水野 泰孝

膵臓が悪いとオナラが出るって本当?その他の症状も徹底解説!(画像=magicmine/stock.adobe.com)

膵炎や膵臓癌など、膵臓の病気を抱えると、オナラが出やすくなります。この記事では、膵臓の病気でオナラが出やすくなる理由を解説。オナラ以外の症状や病気のサインもご紹介します。膵炎や膵臓癌といった症状や病気でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

膵炎や膵臓癌になると臭いオナラが出やすくなる理由

急性膵炎や慢性膵炎、膵臓癌になるとオナラが出やすくなるのは、腸の動きが悪くなってガスが溜まるからです。さらに消化酵素の分泌量が少なくなり、消化不良を起こしている可能性があります。
消化不良を起こすと腸内には脂肪を多く含む脂肪便が溜まります。脂肪便の特徴は、比重が軽く水に浮き、薄黄色のクリーム状で強い悪臭を伴うこと。そのため、排出されるオナラの臭いもきつくなると考えられます。

急性膵炎の初期症状から重症化まで、オナラ以外の症状

急性膵炎になると、オナラ以外にも腹部や背中の痛みが起こることが多いです。さらに、重症化すると、血圧低下や呼吸不全、感染症といった症状が現れることもあります。ここでは、初期と重症化した場合の急性膵炎の症状をお伝えします。

急性膵炎とは

急性膵炎とは膵臓で作られる消化酵素の働きが強くなり過ぎて、膵臓自体が消化されてしまう病気です。急性膵炎になる原因は、アルコールの飲み過ぎが最も多く、胆石が原因だったり、原因がわからなかったりもします。

急性膵炎の初期症状

急性膵炎の初期症状は次の通りです。

  • お腹が痛くなる
  • 上腹部が痛くなる
  • 背中に痛みを感じる
  • 吐き気を感じたり嘔吐したりする

強い痛みを感じやすいのが特徴で、緊急入院になることが多いです。
各症状について解説します。

お腹が痛くなる

急性膵炎になると、以下の理由で強い腹痛を伴います。
活発になり過ぎた膵臓の消化酵素が、膵臓自体や周囲の臓器を溶かしてしまうから
腸の動きが悪くなり腸内にガスが溜まることで、腸が広がって痛みが出るから
膵臓の炎症が広がって腹膜炎が起こっているから
今までに感じたことがない、いつもと様子が違う痛み方をしたら、すぐに医療機関を受診するようにしてください。

上腹部が痛くなる

膵臓が上腹部にあるため、急性膵炎になるとみぞおち周辺が痛くなります。膵炎の進行具合により痛み方も違い、我慢できる程度の痛みから、激しい痛みが持続するような痛み方までさまざまです。
またエビのように、体を曲げて膝と胸同士を付けるような姿勢だと、痛みが軽くなる特徴があります。

背中の痛みを感じる

膵臓は背中側に近い臓器でもあるので、急性膵炎になると背中に痛みを感じることもあります。痛みは強く「のたうち回るほどの痛み」と言われ、左わき腹に痛みを感じることも。
大量のアルコールや脂肪分の多い食事を摂った数時間後に、痛みが現れることがおおいです。

吐き気を感じたり嘔吐したりする

膵臓内の消化酵素の影響でおこる腸の動きの異常や腹膜炎が影響して、吐き気を感じたり、嘔吐したりすることがあります。なぜなら、腸内にたまったガスが腸壁を引き伸ばすことで、脳内の嘔吐中枢を刺激するからです。
悪化した腸の動きが改善するには時間がかかるため、吐き気もしばらく続くことが多いです。

重症化した急性膵炎の症状

重症化した急性膵炎の症状は次の通りです。

  • 尿量が少なくなる
  • 血圧が低下する
  • 脈が速くなる
  • 脚がつったり筋肉痛になったりする
  • 肺に水が溜まる
  • 感染症を起こす

急性膵炎が重症化すると、痛み以外にもさまざまな症状が現れます。

尿量が少なくなる

急性膵炎になると腎臓に流れ込む血液が減少するため、尿量が少なくなることも。尿は腎臓に流れ込む血液から作られています。
腎臓は血液中の有害物質を尿として体外へと排出。そのため尿量が少ない状態が続き、血液の有害物質が排出されないと、体内に有害物質が溜まります。
体内に溜まった有害物質は、命の危険を招くこともあるため、透析治療で有害物質を体外へと排出する必要があります。

血圧が低下して脈が速くなる

急性膵炎により膵臓回りに強い炎症が起こると、サイトカインという物質が発生して血管中の水分が外に漏れ出やすくなります。血液中の水分が少なくなると、血圧が低下して血液が循環しづらくなり、全身へと酸素を運べなくなるのです。
そのため、酸素供給を維持するためにも心臓が血液を循環させようとして脈が速くなります。血圧低下中の症状には他にも、ふらつきや冷汗といった症状に見舞われることも。血管内の水分を補うには、病院で点滴を受ける必要があります。

足がつったり筋肉痛になったりする

急性膵炎の症状が進行すると、足がつったり筋肉痛になったりします。急性膵炎で活発になり過ぎた消化酵素により、膵臓以外の脂肪が溶かされて、遊離脂肪酸が血液中に増えるからです。
遊離脂肪酸はカルシウムと結合すると別の物質へと変わり、血中のカルシウム濃度が低下します。カルシウムは筋肉を動かしたり、作ったりするのに関係しているため、濃度が低下すると筋肉に異常が発生。筋肉に異常がおこると筋肉痛になったり、筋肉がつったりします。

肺に水がたまる

急性膵炎による炎症で増えたサイトカインの影響で、肺に水が溜まりやすくなります。肺に水が溜まると酸素を吸収しづらくなるので、呼吸が苦しくなることも。呼吸ができないと、病院の人工呼吸器が必要になる場合もあります。

感染症を起こす

急性膵炎で膵臓の一部が溶けると、機能不全となった膵臓の一部が体内に残ることがあります。体内に残された機能不全の膵臓の一部で細菌が増殖して、感染症になることも。
感染症になると感染性膵壊死という状態になり、発熱を伴う場合もあります。感染症なので抗菌薬を服用したり、膿を外に排出したりすることも必要です。

慢性膵炎は女性に多い?糖尿病に移行すると、多尿になる?症状や寿命も解説

原因不明の慢性膵炎は女性に多いとも言われています。さらに糖尿病に移行すると、多尿になることも。過去に調査されたデータをもとに、慢性膵炎の寿命についてもお伝えします。

慢性膵炎とは

慢性膵炎とは膵臓が10年以上の年月をかけて徐々に破壊される病気です。急性膵炎は消化酵素によって膵臓が急激に消化される病気でしたが、慢性膵炎はゆっくりと消化が進行し、膵臓が繊維組織に変わっていきます。
慢性膵炎が進行する過程で、痛み以外の栄養障害や便通の異常、糖尿病が起こりますが、普段は無症状なこともあります。

特発性慢性膵炎は女性に多い

特発性慢性膵炎とは原因がわからない慢性膵炎のことで、特に女性に多いと言われています。一方で、アルコールの摂り過ぎによる慢性膵炎は男性に多い傾向です。とはいえ、飲酒をすると必ず慢性膵炎になるわけではなく、体質に応じて慢性膵炎のリスクが異なるのも特徴です。

慢性膵炎から糖尿病になると多尿になる

慢性膵炎になるとインスリン分泌が低下するため、糖尿病になって尿量が多くなることも。インスリンは膵臓から分泌されるホルモンで、血糖値を一定に保つ働きがあります。
そのため、慢性膵炎でインスリン分泌が低下すると、血液中の糖の上昇を抑えられずに、血糖値が高くなり糖尿病になるのです。糖尿病の症状の中には、多尿も含まれるため、慢性膵炎の状態によっては尿量が多くなります。

慢性膵炎の寿命は?

日本消化器学会「患者さんと家族のための慢性膵炎ガイドブック」には、1995年~2006年に行われた厚生労働省「難治性膵疾患調査研究班」による慢性膵炎を患った人の追跡調査をもとに、次のように記述されています。

慢性膵炎で亡くなった人の平均年齢は男性67.2歳、女性68.7歳と、男性も女性もわが国の平均寿命より10歳以上若い
引用元:日本消化器学会「患者さんと家族のための慢性膵炎ガイドブック」

引用からわかるのは、慢性膵炎の患者は男女ともに平均寿命が60歳代であることです。
2006年時点での男性平均寿命は約79歳、女性は約86歳であるのに対し、2019年の平均寿命は男性で約81歳、女性で約87歳です。
調査当時に比べ平均寿命が延びている上に、医療が進歩したことも考えられるので、以前よりも慢性膵炎患者の平均寿命は改善している可能性はあります。

膵炎の治療は何科?病院での治療方法は?

慢性膵炎について病院に相談する場合は、内科や消化器内科を受診するとよいです。膵炎が重篤化すると、生命の危機にも見舞われるので、膵炎の場合は早めに病院に相談しましょう。病院で行われる主な治療をご紹介します。

生活習慣の改善

病院では、まずは生活習慣の改善を指導されます。たとえば慢性膵炎の進行を抑えるためには、次のような生活習慣の改善が必要です。
アルコールを飲まない
暴飲暴食をしない
食物繊維を多くとる
アルコールを摂ることで、膵液の分泌が過剰になり膵炎になる可能性が高くなると言われています。そのため、アルコールを飲まないようにするのはとても大切です。さらに、脂肪分の多い食事を避け暴飲暴食しないようにしましょう。脂肪の体外への排出を促すために、食物繊維を摂るのをおすすめします。

手術

手術は痛みが改善されないときに行われます。手術は膵臓の一部や全てを切除したり、膵管ドレナージが行われたりします。膵臓の切除は、膵臓癌や膵管の狭窄が強い場合に行われる手術です。ドレナージとは血液や膿、消化液などを体外に排泄する手術で、膵液を腸に送り膵管内を減圧するために行われます。

投薬治療

膵炎の強い腹痛には、鎮痛剤を用いた治療が行われる上に、膵液による膵臓の消化を抑えるために蛋白分解酵素阻害薬が用いられます。また膵臓の機能が低下している場合は、インスリン注射や消化酵素薬で膵臓から分泌されるホルモンや消化液の働きを補う投薬治療が施されるのです。

膵炎を予防するには。6つの予防手段

膵炎を予防するには、次のことを心がけることが大切です。

  • アルコールの摂取量を抑える
  • ストレスをためないようにする
  • 禁煙する
  • 脂肪の摂り過ぎに注意する
  • 香辛料などの刺激物を控える
  • たんぱく質を十分に摂取する

膵炎にならないように、予防を心がけつつ、症状が現れたら重篤化させないためにも、早めに病院に相談しましょう。

膵炎になるとオナラが出やすい!気になる症状があれば病院を受診しよう

慢性膵炎になると腸内にガスが溜まりやすくなるので、オナラが出やすくなります。膵炎は、腹部や背部に激しい痛みを伴うのが特徴です。症状が悪化すると、感染症を起こしたり、肺に水か溜まって呼吸がしづらくなったりと痛み以外の症状も現れます。
日ごろから、アルコールを控えたり、脂肪分を摂り過ぎないようにしたりして予防に努めることが大切です。また慢性膵炎の場合は、無症状で気づきにくいこともあるので、検診で早期発見につとめるようにしましょう。

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こちらの記事の監修医師

グローバルヘルスケアクリニック

水野 泰孝

日本小児科学会認定小児科専門医 /アレルギー専門医 /感染症専門医
国際協力機構(JICA)顧問医として7年間勤務。大学病院やナショナルセンターを基盤に小児科および感染症内科、特に熱帯感染症の臨床と研究、海外渡航者の健康管理などに長年携わる。
2020年6月にプライマリケアを行う診療所「グローバルヘルスケアクリニック」を開設。感染症に関するTV・ラジオ出演は2020-2021年だけで1000件近い。

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