オンライン診療対応クリニック病院検索・クリニック動画紹介のイシャチョク

  • 一般会員
  • 医師会員
  • 法人会員

イシャチョク

一般
会員
医師
会員
法人
会員

最終更新日:2023年12月21日

食中毒が治るまでにかかる日数|安静期間中の食事と病院へ行くべきケースとは?

こちらの記事の監修医師
東長崎駅前内科クリニック
吉良 文孝

(画像=stock adobe.com)

食中毒は原因によって治るまでの日数が異なります。また、潜伏期間にも違いがあり、長い場合は数日が経過してから腹痛などの症状が出るため注意が必要です。原因ごとの食中毒が治るまでの期間や、病院へ行くべきケース、安静期間中の食事についてまとめました。

食中毒は原因によって治るまでの日数が異なる

食中毒の原因は、「微生物」(細菌・ウイルス)、「自然毒」(フグ・毒キノコなど)、「化学物質」(農薬など)のいずれかです。

基本的には十分に加熱されていない卵、肉、魚などが原因のケースが多く、食品に付着した菌などが増殖することで食中毒を起こします。

食中毒の原因と種類

食中毒を起こすもの具体例
細菌性食中毒腸管出血性大腸菌(O-157など)、黄色ブドウ球菌、カンピロバクター、サルモネラなど
ウイルス性食中毒ノロウイルス、ロタウイルス、A型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルスなど
化学性食中毒鮮度の落ちた魚(マグロ、カジキ、サバなど)、発酵食品(チーズなど)、腐敗した食品に含まれるヒスタミンやアミン、農薬、洗剤、有害金属(水銀、ヒ素など)など
自然毒食中毒フグ、キノコ、じゃがいもなど

食中毒で出る症状や潜伏期間などは、原因物質によって異なります。治るまでの期間も比較的軽い症状では数時間〜数日、重い症状だと1〜2週間程度と差があります。

【食中毒の原因別】潜伏期間と安静期間

具体的な食中毒の原因別に、潜伏期間と安静期間を表にまとめました。

原因物質潜伏期間安静期間
黄色ブドウ球菌3時間前後3日前後
病原性大腸菌(O-157)3日〜8日1週間前後
病原性大腸菌(そのほかの病原性大腸菌)5〜72時間3日〜1週間
サルモネラ菌6〜48時間5日程度
カンピロバクター2〜7日1週間程度
腸炎ビブリオ5〜40時間2〜3日
ノロウイルス24時間〜48時間3日程度
ボツリヌス菌8〜36時間1ヶ月〜3ヶ月程度の入院
セレウス菌(嘔吐型)30分〜6時間1日
セレウス菌(下痢型)8〜16時間1日

このように、何が原因となるかによって、潜伏期間と安静期間は大きく異なります。安静にしていれば1日以内に落ち着くこともありますが、中には1ヶ月以上の入院が必要なケースもあるため油断できません。

食中毒で病院へ行くべき人・ケース

(画像=stock adobe.com)

食中毒は原因となる物質が体外に排出されれば、徐々に症状は落ち着いていきます。そのため、比較的軽い症状なら自宅で安静にしていれば、自然に食中毒は治ることが多いです。

その一方で、次のような人・ケースでは病院へ行く必要があります。

【食中毒で病院へ行くべき人・ケース】

  • 症状が重症化しやすい高齢者や乳幼児
  • 病気などで抵抗力が弱っている人
  • 高熱が出ている
  • 耐えられないほどの腹痛がある
  • 嘔吐や下痢で水分補給、食事が困難である
  • 嘔吐で吐瀉物に血が混じっている
  • 便に血が混じっている
  • 痺れや息のしづらさがある

高齢者や乳幼児、抵抗力が弱っている人は、食中毒による症状が重症化しやすいため注意してください。

また、吐瀉物に血が混じっている場合、食道が裂けて出血している可能性もあり危険です。ほかにフグや毒キノコによる食中毒では、重症だと体の痺れ、呼吸困難などの症状も見られ、命に関わることもあります。

このようなケースでは、すぐに病院へ行く、もしくは救急車を呼び、医療機関で治療を受けてください。病院では脱水症を防ぐための点滴、原因物質に合わせた薬剤療法が行われることが多いです。

食中毒の症状が治るまでの食事などで注意すべきこと

(画像=stock adobe.com)

もし食中毒になってしまったら、治るまでは次のようなことに注意してください。

【食中毒の症状が治るまでの食事などで注意すべきこと】

  • しっかりと水分を摂取する
  • 消化の良い食べ物を少量ずつ摂る
  • 寝るときは仰向けを避ける
  • 同居する家族がいる場合は二次感染に注意する

しっかりと水分を摂取する

食中毒を起こすと下痢の症状が出ることは多いです。また、嘔吐もあり、体内の水分は失われやすい状態になります。体内の水分量が一定以上失われると脱水状態になり、食中毒とは別の危険が出てくるので注意しましょう。

そのため、食中毒になったらしっかりと水分補給してください。その際は、ミネラルなども含まれるスポーツドリンクや経口補水液が有効です。

脱水症が重症化しても死に至ることはあります。吐き気や嘔吐、下痢の症状があると水分を摂るのをためらうかもしれませんが、脱水症を防ぐために水分摂取は非常に重要です。

一方、症状があっても、下痢止めなどは服用すべきでないこともあります。下痢は有害物質、有毒物質を体外に出すための症状なので、下痢を止めてしまうと症状が良くなるのを邪魔してしまいます。

消化の良い食べ物を少量ずつ摂る

食中毒が治るまでは意識的に消化の良い食べ物を選び、少量ずつ摂取してください。

ただし、食事をすると嘔吐してしまう場合は無理に食べる必要はありません。吐き気や嘔吐の症状が落ち着いたら、消化の良い食べ物を少量ずつ摂るようにしましょう。

例えば、バナナ、おかゆ、うどん、野菜スープなどは消化が良くおすすめです。そのときは濃い味付けのものは避け、少しずつ食べて様子を見るようにしてください。避けた方が良い食べ物としては、揚げ物、乳製品、高脂肪食、糖分の多いものなどが挙げられます。

もし吐き気や嘔吐がまた出たなら、症状が落ち着くまでは食事を控えましょう。

寝るときは仰向けを避ける

吐き気や嘔吐の症状があるときに仰向けで寝ると、吐いたものが喉を塞いでしまう危険性もあります。

そのため、高齢者や小さな子供ではこのような症状がある場合は、仰向けを避け、横向きで寝るようにすると良いです。

同居する家族がいる場合は二次感染に注意する

同居する家族が食中毒になった際に注意したいのが二次感染です。例えば、ノロウイルスの場合、感染者の吐瀉物などによって二次感染することもあります。

また、二次感染するようなものではなくても、吐瀉物や便の扱いには注意してください。掃除するときは直接手に触れないようにビニール手袋、エプロン、マスクを装着しましょう。

吐瀉物や便はビニール袋に入れ、飛び散らないように密封して捨てることが重要です。最後は次亜塩素酸ナトリウムで拭き取りをすると消毒、除菌になります。

ただし、次亜塩素酸ナトリウムはほかの洗剤と混ぜると危険なこともあり、使用方法をしっかりと確認した上で、十分な換気を行いながら使うようにしてください。

食中毒が起きる仕組み

食中毒とは食品に含まれる有害物質・有毒物質を摂取することで、胃腸などの消化器に関する症状などを起こす病気のことです。一般的には、同一の食品を摂取することで複数の人が発症した場合を指します。

多い症状としては下痢、腹痛、嘔吐、発熱などが挙げられ、しばらくの間は、このような症状が続くことになります。

食中毒の原因別 よくみられる症状

黄色ブドウ球菌

吐き気や嘔吐、刺すような鋭い腹痛、下痢などです。まれに発熱を伴うこともありますが、重篤な例であり、症状は摂取した毒素の量や人によります。通常は1~2日で治ります。

病原性大腸菌(O-157など)

O-157の場合、潜伏期間が3~8日と長いのが特徴で、その間は無症状です。初期症状では下痢と腹痛が起こります。その後、3日目くらいから激しい腹痛と血便(出血性大腸炎)が起こります。重症化すると腎臓障害や神経障害が引き起こされることもあり、大変危険です。

O-157以外では、潜伏期間は3日程度の場合が多く、下痢に始まり、頻回の水様性下痢、激しい腹痛のほか、O-157同様に血便を起こす場合もあります。症状は程度によって様々です。

サルモネラ菌

悪心や吐き気、嘔吐、腹痛、下痢、急な発熱などです。通常、12~36時間程度で症状が現れることが多く、カンピロバクターなどと並んでよくみられる食中毒です。

カンピロバクター

潜伏期間が2〜5日間とやや長いことが特徴で、下痢、腹痛、発熱、悪心、 嘔吐、頭痛、悪寒、倦怠感などがみられます。

腸炎ビブリオ

潜伏期間は一般に12時間前後で、堪え難い腹痛、水様性や粘液性の下痢が特徴です。 発熱することもあり、まれに血便が起こることもあります。 魚介類やその加工品でおこる傾向が高い食中毒です。

ノロウイルス

潜伏期間は1日~2日程度で、吐き気、嘔吐、下痢、発熱、腹痛がみられます。子どもでは嘔吐、大人では下痢が多い傾向にあります。腹痛、頭痛、発熱、悪寒 咽頭痛、倦怠感なども引き起こすと言われ。症状回復後も通常1~2週間と長い期間、糞便中にウイルスを排出し続けます。二次感染に注意が必要です。

ボツリヌス菌

眼瞼下垂(まぶたが下がる)、物が二重に見える、食べ物が飲み込みにくい、ろれつが回らない、口が渇くなどの症状が現れます。嘔吐、下痢、便秘、腹部の膨満感のような、消化器系の症状が現れることもあります。

意識障害はなく、聴覚や嗅覚、ものに触れる感覚などはそのままです。重症の場合、弛緩性麻痺による筋力低下、ひいては呼吸不全を起こすリスクもあります。

セレウス菌

嘔吐型と下痢型で異なります。

原因菌が食品中で増加し、摂取した場合は「嘔吐型」となり、嘔吐、吐き気、下痢、腹痛等の症状が表れます。食後30分〜6時間で起こり、大抵の場合は軽症です。

感染した人の小腸で原因菌が増加する「下痢型」では、8〜16時間後に腹痛、下痢などの症状が表れます。子どもや高齢者など、抵抗力の弱い人が感染した場合は、急性肝不全を起こすこともあります。

ウエルシュ菌

腹部膨満感、腹痛、下痢が主な症状です。潜伏期間は平均10時間程度で、ほとんどの場合が比較的軽度な症状のみで回復します。

赤痢菌

腹痛、下痢、おう吐などを急激に発症し、発熱などもみられます。感染後1〜3日で発生し、頻回の便意をともなう粘液便、血便が特徴です。「しぶり腹(テネスムス)」と呼ばれる、便意があっても出ない・ほとんど出ないという症状が出ることもあります。軽症では、数回の下痢や軽度の発熱だけで済むこともあります。

アニサキス

胃アニサキス症では、食後3~4時間後に、みぞおちの激しい痛み、吐き気、嘔吐などの症状が現れます。胃壁にアニサキスが突き刺さることで起こる症状です。

腸アニサキス症では、食後十数時間~数日後に、強い下腹部痛、吐き気、嘔吐、発熱などの症状が現れます。

まれな例ですが、アニサキスが消化管を突き破って腹腔へと飛び出し、寄生することがあります。この場合、胃や腸以外の場所で症状が現れます。

食中毒の症状は数日〜1週間ほど続くことが多い|治るまでは消化の良い食事を

(画像=stock adobe.com)

食中毒の潜伏期間や安静期間は原因となる物質によって異なりますが、症状は数日から1週間ほどで良くなることが多いです。治るまではできるだけ消化の良い食事を意識して、水分補給もしっかりと行いましょう。

食中毒では、下痢や嘔吐の症状によって脱水症になる危険性もあります。重度の脱水症では命に関わることもあるので、スポーツドリンクなどを何度かに分けて摂取すると良いです。

原因物質や症状によっては医療機関での治療も必要なので、重症化しやすい高齢者や乳幼児、ひどい症状が続くときはすぐに受診してください。

この症状を治したい。記事を読んで今すぐ医師の診断を受けたいあなたへ。

イシャチョクのオンライン診療なら、予約なしで今すぐ医師とつながります。「オンライン診療について詳しく知る」ボタンから、オンライン上の仮想待合室に入りましょう。全国の医師、または近くの医師が、すぐにあなたを診察します。

全国のクリニックから検索したいあなたへ。

  • クリニックを探すクリニック検索

  • 病気・医療情報検索

こちらの記事の監修医師

東長崎駅前内科クリニック

吉良 文孝

〇病院名 :東長崎駅前内科クリニック
〇医師  :吉良 文孝 先生
〇アクセス:西武池袋線 東長崎駅より徒歩30秒
〇診療科 :内科、胃腸科、内視鏡内科、消化器内科
〇経歴 :東京慈恵会医科大学 医学部医学科卒業。東京警察病院での初期および後期研修終了後、消化器内科に入局。JCHO東京新宿メディカルセンター(旧東京厚生年金病院)消化器内科医長、都内内科クリニックや健診専門クリニック、医師会など様々な医療現場での勤務を経て、平成30年に東長崎駅前内科クリニックを開設。

仮想待合室型オンライン診療対応の医療機関募集中

イシャチョクでは、予約無しでオンライン上の「仮想待合室」に入れば、診療科目毎の医師が順番に診察してくれる、仮想待合室型のオンライン診療システムを提供しています。以下のボタンをクリックして、オンライン診療に対応しているクリニックを検索してみてください。