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最終更新日:2022年2月4日

「アナフィラキシー」が起きたら命の危険!原因と対処法を専門医が解説

こちらの記事の監修医師
アルバアレルギークリニック
続木 康伸(つづき・やすのぶ)

(画像=PIXTA)

「アナフィラキシー」という病名は聞いたことがあっても、実際に何が原因となり、どのような症状が起こるのか知らないという方は多いのではないでしょうか。アナフィラキシーは、命にかかわる危険な状態です。今回は、アナフィラキシーの原因や症状、いざというときの対処法について解説します。

目次

  1. アナフィラキシーはアレルギーとはどう違う?
  2. アナフィラキシーの原因物質になりやすいものとは?
  3. 成人のアナフィラキシーは重症になりやすく、原因も様々
  4. アナフィラキシーの原因物質で症状に違いはある?
  5. アナフィラキシーになってしまったら…もしもの場合の対処法
    1. 初めての場合
    2. 2回目以降の場合

アナフィラキシーはアレルギーとはどう違う?

アナフィラキシーとは、単なるアレルギー症状ではなく、「急激に発症し急速に進行するアレルギー症状」のことで、命の危険性がある状態のことを指します。

つまり、アナフィラキシーといえる状態は、「急激に発症し急速に進行する」状態であり、かつ

①皮膚粘膜症状(腫脹、発赤、かゆみ、発疹など)
②呼吸器症状(鼻汁鼻閉感、呼吸苦、低酸素、喘鳴など)
③消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢など)
④sBP(収縮期血圧)<90、または平常時の30%以下(失神、痙攣を含む)

のうち2つを認めれば、アナフィラキシーとなります。

通常④は家庭や医療者以外が診断するのは困難であり、失神や痙攣が起きてしまうと一般の方はパニックになってしまうことが多いため、アナフィラキシーかどうか、などは考えられません。

そのため、①~③のうちから2つ認められればアナフィラキシーと考えるとわかりやすいかと思います。

頻度別にみてみると、皮膚症状(全身の掻痒、発赤、口唇腫脹など)は88%、呼吸器症状(息切れ、咳、喘鳴、喉頭浮腫、嗄声など)は50%に見られ、消化器症状(腹鳴、腹痛、下痢など)はぐっと頻度が下がります。

また、いったん収まったアナフィラキシーの症状が、時間をおいて再度出現する「二相性反応」は約20%の確率で4~12時間以内に起き、72時間は再発の恐れがあるといわれています。

しかし、実際に何百人もの救急搬送を請け負ってきた私の印象では、二相性反応が起こる確率は5%程度です。ですが、一度二相性反応が起きると、二相性では済まず、三相性反応、四相性反応と繰り返す傾向にあります。

アナフィラキシーの原因物質になりやすいものとは?

この世のものすべてがアレルギーの原因になるのと同じく、この世のものすべてがアナフィラキシーの原因となります。

しかし私の経験では、原因となる頻度が多いものは当然あり、小児も成人も「食物」が圧倒的に多くなっています。特に小児は原因のほとんどが食物で、卵、牛乳、小麦の順番で大多数を占めます。

成人の場合には約50%が食物で、なかでも小麦、それも運動誘発アナフィラキシーが半数近くにのぼります。その次が薬物アレルギーで約20%、原因不明とアニサキスが約10%と続いていました。

成人のアナフィラキシーは重症になりやすく、原因も様々

成人は小児と違い、アナフィラキシーの原因が多彩で、ショック状態になる傾向が高く、アナフィラキシーとなった人の約20%がショック状態となっていました。その原因も小麦の運動誘発アナフィラキシーが半数以上でしたが、小麦以外の食物としては、納豆、ジャガイモ、サツマイモ、そば、大豆、ピーナッツ、オレンジ、大根などがありました。

私が経験したケースですと、小麦でショックになった場合は全例が意識消失。ジャガイモ、サツマイモ、納豆でショックになった場合は痙攣するほどひどい状態でした。

一方、侮れないのは蕁麻疹で、4例が急激な悪化からショック状態となり搬送されてきました。搬送時点で寒冷蕁麻疹だった2例は心肺停止状態で、蘇生がおこなわれた結果、2例とも後遺症なく回復しています。

やはり、この世のものすべてがアナフィラキシーの原因になるのです。

アナフィラキシーの原因物質で症状に違いはある?

原因物質によって症状に違いがある、と思われる方もいるかもしれませんが、アナフィラキシーは、

「急激に発症し急速に進行する」

状態かつ、

「①皮膚粘膜症状(腫脹、発赤、かゆみ、発疹など)、②呼吸器症状(鼻汁鼻閉感、呼吸苦、低酸素、喘鳴など)、③消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢など)、④sBP<90,平常時の30%以下(失神、痙攣を含む)のうち2つを認めること」

なので、原因物質によって症状が異なることはありません。そのときの体調や、体に入った量によって症状の出方が若干違う程度です。

アナフィラキシーになってしまったら…もしもの場合の対処法

初めての場合

急激に進行するため、様子を見ていても治るかどうかわかりません。

命にかかわる可能性のある状況です。自宅でできることはないので、病院に受診されることをおすすめします。特に、咳、呼吸が苦しい、呼吸がヒューヒュー、ゼーゼーしているなど、呼吸系に症状が出ている場合は、救急車を呼んでください。

意識がない、痙攣しているなど、緊急事態の場合には、その場から動かさずに、119に電話をして指示を仰ぎます。呼吸が停止していた場合には、心臓マッサージを含めた心肺蘇生が必要になります。

2回目以降の場合

必ず主治医から有症状時の対応の説明と症状に応じた薬の処方があります。
それに従い行動しますが、症状によって対応が分かれている場合もあります。

一般的な対応を記載させて頂きます。

  • 蕁麻疹などの皮膚症状:抗ヒスタミン剤内服
  • 咳、呼吸苦などの呼吸器症状:β2刺激薬の吸入、エピペン
  • 腹痛などの消化器症状:エピペン

時間が経過すればするほど、薬によるは効果が薄くなり、自宅にある薬では対応が間に合わなくなっていくため、緊急時の薬は出来るだけ早い段階で使用してください。

アレルゲンが体のなかに入らなければ、アナフィラキシー症状が出ることはありませんので、原因の特定が大切になってきます。一度症状が出た場合は、必ず病院で原因を特定しておきましょう。

続木 康伸
続木 康伸(つづき・やすのぶ)
岩手医科大学歯学部卒業後に、岩手医科大学医学部卒業
札幌徳洲会病院アレルギー科医長、北海道教育庁健康保健体育局アレルギー疾患教育担当などを歴任
2017年に札幌徳洲会病院アレルギー科医長に就任
2020年にアルバアレルギークリニックを開院
アルバアレルギークリニックHP
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こちらの記事の監修医師

アルバアレルギークリニック

続木 康伸(つづき・やすのぶ)

岩手医科大学歯学部卒業後に、岩手医科大学医学部卒業
札幌徳洲会病院アレルギー科医長、北海道教育庁健康保健体育局アレルギー疾患教育担当などを歴任
2017年に札幌徳洲会病院アレルギー科医長に就任
2020年にアルバアレルギークリニックを開院