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最終更新日:2022年11月7日

あなたのアレルギーは軽い?重い?自己判断が危険な理由と、花粉症由来の食物アレルギーの診断・治療をアレルギー科医師が解説

こちらの記事の監修医師
アルバアレルギークリニック
続木 康伸(つづき・やすのぶ)

(画像=stock adobe.com)

花粉症がきっかけで果物アレルギーや野菜アレルギーが引き起こされる、花粉・食物アレルギー症候群(pollen-food allergy syndrome:PFAS)について、前回は発症の仕組みや症状について解説しました。今回は、そんな果物・野菜アレルギーが軽度のうちに見過ごされ、アナフィラキシーを起こすほどに悪化してしまう例や、そうならないために注意すべきことなどを紹介します。また、専門医の目線から診断や治療法についても解説します。

果物・野菜アレルギーとアナフィラキシーの関係

誤った認識がアナフィラキシーを招くことも

果物・野菜アレルギーにおいて勘違いされやすいことは、「口腔アレルギー症候群(口がかゆくなる)のみだろう」、「加熱すれば食べられるから大丈夫」といった認識を持たれやすいことです。

アレルギー症状は、「その時の体調」と「体の中に入ってきた量」で症状の出方の大きさが変わります。「加熱しても食べられない場合は重症」と言えるのは間違いありませんが、「加熱すれば食べられるから軽症」という理屈は成り立ちません。

私のクリニックを受診した果物・野菜アレルギーの患者さんは、約20%の方がアナフィラキシーで救急搬送されています。

小児の花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)は、ほとんどが果物アレルギーだけで終わります。一方で、成人では50%の人が野菜アレルギーも併発します。花粉の飛散量が多い年に発症しやすく、一度発症すると、最初の1~2年をピークとして、次々に他のアレルギーも発症していきます。

初期は軽度でも注意。無自覚なアレルギーがアナフィラキシーを起こすまで

花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)では、発症初期は「口の中がかゆい」という程度で済むことも多く、症状が出ても「たまたまかな?」と考えてしまうこともあります。その食品を食べる頻度も関連しており、「アレルギーになっていたのに、次の年まで気が付かなかった」という例も多くあります。

これは特に大豆のアレルギーで多い傾向にあります。「このマーボー豆腐、唇がしびれるけれど辛すぎたかな?」というのが典型的なパターンで、発症初期に見過ごされてしまいます。疲れた時などにしか症状がでないことなども見過ごしの原因です。しかし、大豆のアレルギーは、症状が進行すると重症型であるアナフィラキシーを起こしたり、腹痛を引き起こしたりします。

気管支喘息はアナフィラキシーのリスクを加速させる

アナフィラキシーへの対応時、大切になるのが「気管支喘息を合併しているかどうか」です。気管支喘息を治療していない患者さんの場合、症状が急激に呼吸器に出ることがあります。食物アレルギーで死亡した患者の85~96%は気管支喘息があり、特に気管支喘息が未治療である場合は危険度が高まります。

私が治療した症状の重い患者さんでは、気管支喘息を患っている場合、その3分の1の方が果物・野菜のアレルギー症状と同時に気管支喘息発作を起こしています。未治療の方では、ほとんどが緊急搬送となりました。

アレルギーが重症であるかどうかは、医学的なルールによって決まるため、患者さんの感覚では測れません。「何年も前だから大丈夫だと思った」、「救急車で搬送されなかったから大丈夫だと思った」などは、ご自身が大丈夫だと思っているだけです。

勝手に軽度だと思い込まない!アナフィラキシーを防ぐために気をつけたいこと

ナシを食べてアナフィラキシーを起こし、救急搬送された子どもの患者さんは、「いつもは口がかゆいだけだった」ために食べ続けてしまい、ある日突然、もう少しで死んでしまうかもしれないような喘息発作を起こしました。食物アレルギーで死亡する事例はあとを絶たず、私も常に念頭に置いて診療にあたっています。

果物・野菜アレルギーでアナフィラキシーを起こした方の多くは、「いきなりアナフィラキシーを起こしている」わけではなく、「症状が軽いので食べていたら、ある日突然アナフィラキシーが起きた」のです。

ドミノの倒れはじめは小さくとも、ある時から一気にスピードアップし、止められなくなる状態に似ています。症状の出方も、原因となる食べ物も人それぞれです。あなたが感じている違和感は、気のせいではないかもしれません。

・呼吸苦、胸部圧迫感がある
・口がかゆい以外の症状がある
・気管支喘息の症状が少しでも残っている

このような症状や状態であれば、気をつけてください。見過ごしていたり、軽度だと思い込んでいたりする果物・野菜アレルギーが、危険なレベルまで悪化している可能性も十分にあり得ます。

花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)の治療法はある?病院でなんと相談すればいい?

花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)の診断について

果物・野菜アレルギーを採血だけで診断するのは、慣れた医師でなければ無理です。採血値から診断する基準には明確な指標がなく、多くのクリニックではこの基準を持っていません。

正しい診断が出来るかどうかは、そのクリニックの医師の知識や、研究論文での勉強量、過去に花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)の患者さんをどの程度診てきたかなどによります。

世界的には、皮膚テストを併用して診断する方法があり、私のクリニックでは実施していますが、できる施設は限られています。「そんなアレルギーは聞いたことがない」と言われた場合も、諦めずに診断してくれるクリニックを探しましょう。

花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)の患者の年齢傾向について

少子高齢化の日本では、小児と50代の方の花粉症が急激に増加している印象を受けます。同時に、花粉症によって果物アレルギーや野菜アレルギーが引き起こされる例も、小児と高齢者で増加しています。症状も重症化する例が増えています。

私がクリニックで患者さんを診ている中での印象ですが、約半数の人は、花粉症を自覚した年に果物アレルギーや野菜アレルギーを発症し、残りの約半数は3年以内に発症してしまっています。

花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)は、子どもの場合であっても、残念ながら年齢が進んでも自然と治ることはありません。原因である花粉症が自然には治らないためです。花粉症が悪化するタイプの方は、果物・野菜アレルギーの数がむしろ増えてしまうこともあります。

さらに、花粉症の低年齢化とともに、果物・野菜アレルギーの発症年齢も下がっているため、何も対策をしなかった場合には年々悪化する可能性が高くなります。

完治は可能?花粉アレルゲン免疫療法の花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)への有効性

花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)の果物・野菜アレルギーの治療は、花粉症の治療しかありません。100%食べられるようになるわけではありませんが、年齢が低ければ治ることを目指せます。治らなくても、「ある程度の量ならば」といった状態にすることはできます。

ここでいう花粉症の治療とは、花粉症を唯一完治させる可能性のある、花粉アレルゲン免疫療法のことを指します。花粉症の時期に抗アレルギー剤を服用することではありません。

日本では、アレルギーを完治することを目指す治療ができる病院は限られています。

スギ花粉免疫療法は保険がきくので、比較的受けやすい治療です。しかし、シラカバやイネ科などの花粉免疫療法は、アメリカから薬を輸入しなければなりません。

私がお世話になっているアレルギー科の先生方の状況から考えるに、日本で行っているのは5院程度と言えるのが現状です。ただ、「治せる方法もあるんだ」と覚えておいていただければと思います。

参考文献

・続木康伸. 小児と成人の花粉・食物アレルギー症候群の検討. 日本花粉学会誌. 65(1):21-24. 2019.
・続木康伸.ナシ摂取後に重篤な喘息発作を起こした1例. 小児内科. 52(5):709-711. 2020.
・長尾みずほ. 果物・野菜アレルギー. 小児食物アレルギーUP DATE. 小児科 55(5) 2014
・杉井京子、田知本寛、宿谷明紀, 他 :アレルギー 2006; 11(55), P1400-14008.
・徳田玲子、長尾みづほ、近藤真理、他 :小児における果物抗原への感作状況について.第25回日本アレルギー学会春季臨床大会 2013年5月
・ Ferna´ndez-Rivas M, Benito C, Gonza´ lez-Mancebo E, et.al :Allergies to fruits and vegetables. Pediatr Allergy Immunol 2008; 19, P675–681.
・Caballero T, Martin-Esteban M, Garcia-Ara C, et.al: Relationship between pollinosis and fruit or vegetable sensitization. Pediatr Allergy Immunol 1994: 5: 218-222.
・杉山剛、斎藤圭一、齋藤翔:日小ア誌 2012; 26: 251-257
・H. Teranishi, etal. Aerobiologia (2006) 22:91–95.
・佐藤広行、他. 日本花粉学会会誌. 64(1); 1-5, 2018.
・本田耕平.アレルギー・免疫 24(3):14-19, 2017.
・武内伸治.道衛研所報 63: 9-13, 2013.
・藤枝重治.アレルギー・免疫 24(8):31-43, 2017.

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こちらの記事の監修医師

アルバアレルギークリニック

続木 康伸(つづき・やすのぶ)

岩手医科大学歯学部卒業後に、岩手医科大学医学部卒業
札幌徳洲会病院アレルギー科医長、北海道教育庁健康保健体育局アレルギー疾患教育担当などを歴任
2017年に札幌徳洲会病院アレルギー科医長に就任
2020年にアルバアレルギークリニックを開院

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