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顎の下を押すと痛い・しこりがある原因は?何科へ行くべきか医師が解説【イシャチョク】

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最終更新日:2026年8月31日

顎の下を押すと痛い・しこりがある原因は?何科へ行くべきか医師が解説

こちらの記事の監修医師
すずきこどもクリニック
鈴木幹啓

(画像=Adobe Stock)

「顎の下を押すと痛みを感じる」「顎下やエラの下にしこりや腫れがある」という状態になった場合、どのように対応すればよいでしょうか。 この記事では、顎の下を押すと痛い場合に考えられる7つの原因や、症状レベル別の対処法、病院を受診する目安について詳しく解説します。

【医師からのアドバイス】
顎の下には「顎下リンパ節」や「顎下腺(唾液を作る組織)」など多くの重要な器官が密集しています。自然に治る一時的な炎症のこともあれば、早急な治療が必要な病気が隠れていることもあります。まずはご自身の症状と照らし合わせ、不安な場合は自己判断せずに医療機関を受診しましょう。

顎の下を押すと痛い!まずは「危険なサイン」をチェック

(画像=Adobe Stock)

顎の下やエラの下を押すと痛い場合、原因によっては早急な検査・治療が必要なケースがあります。以下の「危険な症状」に当てはまるものがないか、まずはチェックしてみましょう。

  • しこりが硬く、指で押しても動かない
  • 痛みが強くなってきている、または2〜3週間以上症状が消えない
  • しこりが徐々に大きくなっている
  • 38度以上の高熱や、原因不明の体重減少、寝汗を伴う
  • 口が開けづらい、飲み込むときに激しい痛みがある

 上記の症状が当てはまる場合は、悪性腫瘍(がん)や重度な細菌感染などの可能性もゼロではありません。放置せず、早めに耳鼻咽喉科や内科を受診してください。

顎の下(エラの下)を押すと痛い・しこりがある原因7選

(画像=Adobe Stock)

顎の下やエラの下を押すと痛いときに考えられる、代表的な原因を7つ紹介します。

リンパ節炎(風邪などの感染症)

顎の下や首には多数のリンパ節(顎下リンパ節など)があります。風邪のウイルスや細菌が体内に侵入すると、リンパ節で免疫細胞が戦うため、炎症が起きて腫れや痛みが生じます。

  • 症状の特徴: 顎の下の痛みのほかに、発熱、咳、のどの痛み、鼻水などの風邪症状を伴うことが多いです。風邪が治れば、顎の下の痛みも自然に治まることがほとんどです。

顎関節症・筋肉の緊張(ストレスや肩こり)

「エラの下を押すと痛い」「片側の顎だけ痛い」という場合、顎関節症や筋肉の緊張が原因かもしれません。

  • 症状の特徴: 口を開けようとすると痛い、顎を動かすと「カクカク」と音がする、口を大きく開けられないなどの症状が出ます。
  • 原因: 上下の歯の噛み合わせの異常や、過度なストレスによる無意識の「歯ぎしり」「食いしばり」、ひどい肩こりなどが原因で、顎回りの筋肉(咬筋など)が緊張して痛みを引き起こします。

唾液腺のトラブル(唾石症・おたふく風邪)

顎の下には「顎下腺(がっかせん)」という唾液を作る器官があります。ここにトラブルが起きると顎の下が痛みます。

  • 唾石症(だせきしょう): 唾液に含まれるカルシウムが石のように固まり、管に詰まる病気です。「食事のたびに顎の下(顎下腺)が腫れて痛くなり、食後しばらくすると引く」というパターンを繰り返すのが大きな特徴です。
  • 流行性耳下腺炎(おたふく風邪):ウイルス感染により唾液腺が腫れます。子供に多いですが、大人がかかると重症化しやすいので注意が必要です。

歯のトラブル(虫歯・親知らず・歯根膜炎)

顎の片側だけなど、痛みが出る部分が限られている場合は、歯の異常による痛みが顎の下に波及している可能性があります。

  • 症状の特徴: 虫歯や親知らずを放置すると、炎症が顎の骨(顎骨炎)やリンパ節にまで広がり、顎の下を押すと痛むようになります。また、歯の根元が炎症を起こす「歯根膜炎」でも、歯が浮くような感覚とともに顎の下に痛みや腫れが生じます。

脂肪腫・粉瘤(良性腫瘍)

皮膚の下にできる良性のしこりが原因で、押すと痛みを感じることがあります。

  • 脂肪腫:脂肪細胞が増殖したもので、柔らかく痛みはないことが多いですが、周囲の神経を圧迫すると痛むことがあります。
  • 粉瘤(アテローム):皮膚の下に袋状の組織ができ、老廃物が溜まる良性腫瘍です。細菌が入り込んで炎症(化膿性粉瘤)を起こすと、急激に赤く腫れて強い痛みが出ます。

頸部嚢胞(けいぶのうほう)

生まれつき首の組織に袋状のものが残ってしまっている「正中頸嚢胞」や「側頸嚢胞」、あるいは顎下腺や舌下腺から唾液が漏れ出して溜まる「ガマ腫」などがあります。通常は痛みがありませんが、細菌感染を起こすと触れたときに痛みが出ます。

顎下腺腫瘍・悪性リンパ腫などの腫瘍

顎の下に痛みやしこりができた場合、細胞が異常に増殖している「腫瘍」の可能性もあります。

  • 症状の特徴:良性腫瘍と悪性腫瘍がありますが、悪性の場合(顎下腺がん、悪性リンパ腫など)は、しこりが硬く、大きくなるスピードが速い傾向があります。自然に治癒することはないため、しこりに気づいたらすぐに医療機関で検査を受けましょう。

顎の下を押すと痛いときの症状別・レベル別対処法

(画像=Adobe Stock)

顎の下を押すと痛い場合、ご自宅でできる対処法や市販薬の選び方を解説します。

軽度な痛みの場合はセルフケア(冷やす・温める)

  • ズキズキと熱を持って痛む場合(冷やす):虫歯の悪化やリンパ節の急な炎症など、何もしなくてもズキズキ痛む急性期は、冷やしたタオルや保冷剤(タオルで巻いたもの)で10分程度冷やすと痛みが和らぎます。
  • 慢性的な痛みや筋肉の疲れがある場合(温める・マッサージ):顎関節症や食いしばりによる筋肉の緊張が原因の場合は、蒸しタオルで顎周りを温めると血行が良くなり痛みが和らぎます。また、痛む部分を指2〜3本で優しく円を描くように軽くマッサージして筋肉をほぐしましょう。しこりが強く腫れている場合は、揉むと悪化するため避けてください。

市販の鎮痛薬(痛み止め)は飲んでもいい?

痛みが強くて辛い場合は、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどが配合された市販の解熱鎮痛薬を一時的に服用して痛みを抑えることは可能です。ただし、これはあくまで「対症療法(一時しのぎ)」です。薬で痛みが引いても根本的な原因(虫歯、細菌感染、腫瘍など)が治ったわけではないため、症状が長引く場合は必ず病院を受診してください。

病院へ行く目安と、受診すべき診療科

(画像=Adobe Stock)

ご自身で対処法を試しても痛みが軽減しない、または痛みが数日〜数週間継続している場合は、医療機関を受診しましょう。症状によって適切な診療科が異なります。

  • 耳鼻咽喉科:顎の下のしこり、腫れ、飲み込むときの痛みがある場合。顎下腺炎、唾石症、リンパ節炎などが疑われます。迷ったらまずは耳鼻咽喉科を受診するのがおすすめです。
  • 歯科・口腔外科:虫歯、親知らずの痛み、歯が浮く感じ、顎関節症(口を開けるとカクカク鳴る)を伴う場合。
  • 内科:発熱、のどの痛み、咳など、明らかな風邪症状が先行している場合。

原因がはっきりとわからない場合でも、まずはかかりつけの内科や耳鼻咽喉科で診察を受け、必要に応じて総合病院や専門医を紹介してもらいましょう。

患者さんからよくある質問(Q&A)

(画像=Adobe Stock)

ここでは、診察室で患者さんからよく聞かれる疑問に医師がお答えします。

Q.顎の下のしこりや痛みは、何日くらいで自然に治りますか?
A.風邪などのウイルス感染によるリンパ節炎であれば、免疫がウイルスに勝てば自然治癒するため、1〜2週間程度で腫れや痛みは引いていきます。しかし、2〜3週間経っても治らない場合や、逆に大きくなっていく場合は、別の病気が隠れている可能性が高いため放置せずに受診してください。

Q.右や左など、片方(片側)だけが押すと痛いのはなぜですか?
A. 片側だけ痛む場合、その痛む側にある虫歯や親知らずの炎症、あるいは片側の顎下腺・リンパ節のトラブル(唾石症や局所的な感染)が原因であることが多いです。また、噛み癖や歯ぎしりによって片側の顎関節や筋肉にだけ過度な負担がかかっているケースも考えられます。

Q.食事のたびにエラの下(顎下腺)が腫れて痛むのはなぜですか?
A.食事のたびに腫れて、食後しばらくすると引くという症状は「唾石症(だせきしょう)」の典型的なサインです。食事をすると唾液がたくさん分泌されますが、管の中に石が詰まっているため唾液がうまく流れ出ず、風船のように膨らんで痛みや腫れを引き起こします。耳鼻咽喉科や口腔外科にご相談ください。

症状が長引く場合はためらわず医療機関を受診しましょう

(画像=Adobe Stock)

顎の下を押すと痛みがある場合、リンパ節炎や顎関節症のような身近なものから、唾石症や腫瘍まで、さまざまな原因が考えられます。痛みが軽く、風邪の治りとともに消えるようであれば様子を見ても良いですが、強い痛みがある、しこりが硬く大きくなる、2週間以上長引くといった場合は、ためらわずに医療機関を受診して正しい診断と治療を受けましょう。

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こちらの記事の監修医師

すずきこどもクリニック

鈴木幹啓

〇病院名 :すずきこどもクリニック
〇医師  :鈴木幹啓
〇アクセス:和歌山県新宮市下田2丁目3−2
〇診療科 :小児科
〇経歴:株式会社オンラインドクター.com代表取締役CEO
1975年三重県伊勢市生まれ
1995年自治医科大学入学(県からの奨学金制度)
2001年自治医科大学卒業

日本小児科学会認定小児科専門医
国家資格ケアマネジャー

三重県立総合医療センター、国立病院機構三重中央医療センター、国立病院機構三重病院、伊勢赤十字病院、紀南病院
平成22年5月、新宮市に「すずきこどもクリニック」を開院
【製薬会社社外講師・CM出演等】
グラクソスミスクライン社、JCRファーマ社、杏林製薬、明治製菓ファーマ、鳥居薬品

【メディア出演・TV監修】
日本テレビ、読売テレビ、東京MX、テレビ朝日(医療監修)「くりぃむしちゅーのハナタカ!優越館」

【著書】
日本一忙しい小児科医が教える病気にならない子育て術(双葉社)
開業医を救うオンライン診療(幻冬舎)

2020 年 10 月株式会社オンラインドクター.com を設立。