最終更新日:2021年12月29日
低血糖になりやすい女性の特徴 セルフチェック方法、原因と対策も紹介

こちらの記事の監修医師
日暮里内科・糖尿病内科クリニック
竹村 俊輔

低血糖になりやすい女性の特徴と自分でできる改善方法、低血糖のセルフチェックする項目を解説しています。低血糖は決して糖尿病の人だけがなる訳ではなく、痩せている女性も低血糖になるリスクを抱えています。ぜひ参考にしてください。
目次
低血糖になりやすい女性の特徴とは?
低血糖になりやすい女性の特徴として、以下の3点が挙げられます。
- インスリンを投与している
- 空腹の状態が続いている
- 肥満外科手術を受けている
低血糖になりやすい場合、インスリンの量や食事が関係している可能性が高いです。ここでは低血糖になりやすい女性の特徴を詳しく見てみましょう。
インスリンを投与している
インスリンを投与している場合、用量を間違えていると低血糖になりやすいため注意してください。とくに多く考えられるケースは、糖尿病の薬物療法のときで、薬の量を間違えてインスリン過剰な状態になってしまった時です。
インスリンの量を多く打ってしまうと血糖が下がり、そのまま血糖値が70mg/dl以下になると異常な空腹感が現れ、動悸・震えなどの症状が出てきます。
そして低血糖を放っておいて血糖値が50mg/dl以下になると中枢神経の働きが低下して、さらに血糖値が30mg/dl以下になると意識レベルが低下し、昏睡状態から死に至る可能性もあり非常に危険です。
また、インスリンを打つ場所を変えても低血糖になる可能性もあります。そのため、インスリンを投与している場合は、量や場所を間違えないようにしましょう。
空腹の状態が続いている
空腹の状態が続いても低血糖になりやすいといわれており、十分な食事量を摂れなかったり、食事が不規則でいつもよりも時間が遅れてしまったりしたケースが考えられます。
なるべく空腹時間を作らないことが低血糖を防ぐために大切なことの1つです。空腹時に激しい運動を行うとそれだけ低血糖になる可能性を高めてしまうため、注意が必要です。
ダイエット中、運動をして食事を摂らないと低血糖になる可能性があるので気をつけてください。
肥満外科手術を受けている人
胃バイパス術など、特定肥満外科手術の後で糖が非常に速く吸収されて、インスリンをつくらせる刺激過剰が原因となって低血糖につながる可能性があります。
肥満外科手術を受けたときは、減量効果があったとしてもインスリン分泌の過剰が原因で低血糖になる恐れがあることから、術後の経過観察をしっかり行い、不安な点があればお医者さんに相談するようにしましょう。
低血糖になる原因とは?
低血糖になる原因は、血糖値を下げるホルモン(インスリン)が過剰に分泌されるケースと、血糖値を上げるホルモン(グルカゴン、アドレナリンなど)の分泌が少なくなる2つが考えられます。
とくに糖尿病の服薬やインスリン注射を行っている場合、食事の量が少なすぎると薬が効きすぎて低血糖をきたすこともあります。インスリンや治療薬を誤ってたくさん使ったり、他の薬剤を一緒に使ったりすることでも、強く効いてしまい低血糖に陥ることもあります。
血糖値を下げるために使用するインスリンや薬の効果が強すぎて、過剰反応を起こし、低血糖になってしまう可能性もあります。
低血糖のセルフチェック項目
自分が低血糖かどうかをセルフチェックするためのポイントを5点紹介します。
- 糖分を摂りすぎていないか
- インスリンを投与していないか
- 空腹感を感じやすくないか
- 倦怠感はないか
- 体重の増減が激しい
低血糖かどうか不案内場合には、上記の項目を確認してください。ここでは低血糖のセルフチェックについて解説します。
糖分を摂りすぎている
糖分を多く摂取していると低血糖になりやすいです。意識せずに夕方空腹時に甘いものを欲している人は、低血糖かもしれないので注意するといいでしょう。自身の生活を振り返り、糖分を多く摂っているならば低血糖を疑ってください。
毎日砂糖の入った甘いものを食べたり、清涼飲料水を飲むなど、空腹感を満たすために甘いものを食べているなら、低血糖である可能性があります。
インスリンを投与している
糖尿病治療などでインスリンを投与している場合も低血糖になるリスクがあります。高血糖が原因である糖尿病を治療していると、インスリン投与量の間違えなどにより血糖値が下がりすぎてしまうことがあるからです。
低血糖はいつでも起きるのですが、インスリン投与を行っている場合、とくに投与量を間違えると低血糖になりやすいので注意しましょう。
空腹感を感じやすい
異常に空腹感を感じる場合も低血糖を疑った方がいいです。血糖値が下がるとまず現れる兆候は空腹感で、とくに食後2時間ぐらいで空腹感を感じる場合は注意してください。
晩御飯を沢山食べたのに、夜寝る前に再びお腹が空いてしまい、またお腹いっぱいに食べてしまう人は低血糖の可能性が高いです。
たとえ健康診断で問題が出ていなくても食後2時間ぐらいでお腹が空く場合は、血糖値に異常がある危険信号と考えておきましょう。
倦怠感がある
食後の倦怠感が毎回ある場合も低血糖を疑うといいでしょう。この倦怠感は、食事をした後に血糖を下げる機能がうまく働かず、通常以上に血糖が上昇して引き起こされることが原因です。
急激に上昇した血糖に対し、すい臓から血糖を下げるインスリンが過剰分泌されて急激に血糖が下がってしまい、立てないほどのめまいや倦怠感や異常な睡魔などに襲われます。
健康であれば一時的な物ですが、もしも食後常に倦怠感がある場合は注意が必要です。
体重の増減が激しい
低血糖症になると体重の増減が激しくなります。
とくに過度なダイエット時に起こりやすいといわれています。ダイエット中、食べることを1日中我慢しているのに、一度甘いものや精製された炭水化物を食べると止まらなくなることがあります。その場合血糖値が急激に上がるため、インスリンという血糖値を下げるホルモンが過剰に分泌されます。
その結果、逆に血糖値が下がり過ぎてしまい、今度は脳を守るために食欲が起こることが原因です。これと同時に血糖値を上げるためにアドレナリンなども分泌され、発作的に過食を起こしてしまいます。
また、過食による糖質過多でビタミンB群が欠乏も脳のコントロール悪影響です。食べるのが止まらない、それでまた痩せるために食べないを繰り返しているとき、低血糖を疑うといいでしょう。
低血糖の主な症状
それでは、低血糖の主な症状にはどのようなものがあるでしょうか。以下5点が考えられます。
- 意識を失うことがある
- 冷や汗が出る
- 手足に震えが生じる
- 動悸が激しい
- 集中力の低下
これらの症状が認められる場合、低血糖を疑うといいでしょう。ここでは低血糖の主な症状を紹介します。
意識を失うことがある
血糖値が30mg以下になると意識を失うこともあります。低血糖を繰り返すと身体がその状態に慣れてしまい症状を感じにくく、いきなり意識を無くすケースもあるため非常に危険です。
とくに高齢者の場合は無自覚で低血糖になっていることもあり注意してください。
冷や汗がでる
冷や汗は低血糖の初期症状の1つです。ただこれだけでは低血糖がどうかはわかりづらいでしょう。しかし頻繁に冷や汗が出ている場合は低血糖を疑ってください。
手足に震えが生じる
手足の震えも低血糖の初期症状の1つで、冷や汗と共に自律神経症状が出ている場合は注意が必要です。放っておくと意識を失うこともあるので、こちらも頻繁に起きる場合は低血糖を疑うといいでしょう。
動機が激しい
動悸の激しさも低血糖の初期症状に見られる兆候の1つです。血糖値が45から60mgの時に見られるため、冷や汗や手足の震えと共に見られる場合は低血糖かもしれません。
集中力の低下
集中力の低下は自律神経症状がさらに悪化した場合に見られる兆候の1つです。血糖値が40から45mgの時に集中力が低下し、ぼーっとしたり倦怠感を感じたりする場合は低血糖が進んでいると考えていいでしょう。
痩せすぎで低血糖を招く?
極端な糖質オフダイエットを行い痩せすぎになっていても低血糖になるリスクがあります。
これは過剰に糖質摂取制限を行っていることが原因で、体が必要とする糖質を十分に供給されていない状態です。どんなに体重を落としたくとも極端に食事制限を行うと血糖値に異常をもたらす可能性があることを覚えておきましょう。
また、日本人の痩せた若年女性で、食後に高血糖となる「耐糖能異常」が多いことも研究から明らかにされています。
痩せた若年女性の多くは食事量が少なく、運動量も少ないという「エネルギー低回転タイプ」になっており、骨格筋量も減少しており、結果的に糖尿病のリスクを抱えていることがわかりました。糖尿病になるとインスリン投与の必要も出てきて、低血糖を起こしやすくなります。
低血糖は病院に行かなくてはならいないのか?
低血糖は病気ではないため病院に行く必要がないと考える人もいるかもしれませんが、とくに糖尿病治療中ではないのに低血糖が疑われる症状がある場合は、原因を詳しく調べるためにも受診するといいでしょう。
もし病院に行く場合は、一般内科や糖尿病内科を受診してください。
低血糖を自分で治すには?
最後に自分でできる低血糖の治し方を2つ紹介します。
- 食事を十分にとる
- 飲酒を控える
なぜこの2つが有効なのかを見てみましょう。
食事を十分にとる
食事を十分に摂ることは低血糖を防ぐために重要です。
ブドウ糖の吸収を緩やかにする食物繊維(きのこ類・海藻・野菜)と、消化に時間のかかる蛋白質をご飯やパン等の炭水化物の前に摂るといいでしょう。
また、食間を長くしないように気をつけ、間食に豆乳やナッツ類、小魚などのタンパク質の多い食品を摂ってください。
飲酒を控える
アルコールは低血糖を引き起こす可能性があり、とくに食事を摂らずに飲酒だけしていると低血糖になりやすいので注意しましょう。
食事量低下のため肝臓のグリコーゲンが減少して、さらにアルコールの代謝に伴い糖新生(糖質以外の物質からグルコースを産生する作用)が抑制されるからです。
そのため、なるべく飲酒を控えて食事を十分に摂っていれば、低血糖を防止できるでしょう。
まとめ
低血糖になりやすい女性の特徴と自分でできる改善方法について解説しました。もし自分が低血糖になっているかもしれない場合は、生活環境を振り返るといいでしょう。糖質過剰摂取をしていないか、冷や汗や手足の震え、激しい動悸がないか、そして食後の倦怠感の有無などを確認してください。
低血糖は放っておくと意識を失うこともあるので、糖分を摂取すればいいと安易に考えることは危険です。医者の適切なアドバイスをもらうためにも病院で診断をするといいでしょう。
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こちらの記事の監修医師
日暮里内科・糖尿病内科クリニック
竹村 俊輔
経歴:
2010年 東海大学医学部卒業
2012年 済生会川口総合病院初期研修医修了
2012年 東京女子医科大学糖尿病・代謝内科入局
2019年 東京女子医科大学大学院内科学(第三)卒業
2019年 東京女子医科大学糖尿病・代謝内科助教
2021年 日暮里内科・糖尿病内科クリニック院長 就任
〇資格・所属学会:
日本糖尿病学会糖尿病内科専門医
日本内科学会内科認定医
日本禁煙学会認定指導者
日本医師会認定産業医
医学博士
〇学会活動・論文:2017年 東京糖尿病性腎症セミナー 最優秀賞
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